グラン・プリの紹介:1966年アメリカ映画。F1レーサーのピートは、グランプリ初戦の事故の責任を問われチームから追放され、日本人実業家の率いるチームに移る。元チームメイトのスコットやフェラーリの2人のレーサーと総合優勝争いを繰り広げる。イヴ・モンタン、三船敏郎等国際的スターを揃えているが、この映画の見どころは、1966年のF1グランプリに撮影スタッフが同行して撮影したヘリコプターや車載カメラを利用した臨場感あふれるレースシーンに迫った、死と隣り合わせのレースのリアリティ。実際のレース映像と、ジェームズ・ガーナーやモンタンたちが本物のコースを自分で車を運転した映像とが混じっていて、当時のF1レーサーも多数出演している。第39回アカデミー賞において編集等3部門で受賞。
監督:ジョン・フランケンハイマー 出演:ジェームズ・ガーナー(ピート・アロン)、エヴァ・マリー・セイント(ルイーズ・フレデリクソン)、イヴ・モンタン(ジャン=ピエール・サルティ)、 三船敏郎(矢村伊造)、ブライアン・ベドフォード(スコット・ストダード)、ジェシカ・ウォルター(パット)、ほか
映画「グラン・プリ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グラン・プリ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グラン・プリの予告編 動画
映画「グラン・プリ」解説
この解説記事には映画「グラン・プリ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グランプリのネタバレあらすじ:チームメイトの事故
F1グランプリ初戦モナコGP。公道を周回するレースで、BRM所属のアメリカ人レーサー、ピート・アロン(ジェームズ・ガーナー)は、チームメイトのイギリス人、スコット・ストダード(ブライアン・ベドフォード)と接触事故を起こす。
ピートは地中海に投げ出されて無事だったが、壁に激突したスコットは救急船で運ばれる。優勝はフェラーリ・チームのベテラン、ジャン=ピエール・サルティ(イヴ・モンタン)。やはりフェラーリの若いニノ・バーリニがそれに続く。
再起を危ぶまれる大けがのスコットは手術を受ける。スコットの妻パット(ジェシカ・ウォルター)は意識がまだ朦朧としている夫に「あなたはレース中の事故で死んだお兄さんの幽霊と競争している。私はもうたくさん」と呼びかけて夫の元を去るのだった。
グランプリのネタバレあらすじ:新しいチーム
パットは夫との破局を大衆から隠して、アメリカのファッション誌記者、ルイーズ・フレデリクソン(エヴァ・マリー・セイント)のF1に関する記事のためのモデルの仕事を得て、F1グランプリシリーズに同行する。
初戦の事故の責任を問われてチームをクビになったピートは、古巣フェラーリの工場に行っても追い出される。車に注文の多いピートはオーナーに嫌われていた。そんなわけでピートは第2戦ではテレビ局の仕事を得る。
第2戦はサルティの連勝に終わったが、サーキットの外ではサルティは次第にルイーズと親密になっていく。自動車会社を経営する妻は仕事の相手だと、彼は割り切っていた。そしてピートには、彼が悪印象をもっていたパットが関心をもち、自分に心を開かせようとしていた。スコットはレースの前日には震えているという話を聞き、ピートはパットに同情するようになる。
パットを乗せた車で帰ったホテルのピートの部屋に、日本人実業家・矢村(三船敏郎)からの手紙が届いていた。ヤムラ・チームのガレージを訪れたピートはヤムラの3代目の車のドライバーとして雇われる。戦争では戦闘機に乗って米軍機を17機撃墜したと言う矢村。お互い単刀直入な矢村とピートは、信頼関係を築いていく。
グランプリのネタバレあらすじ:ピートの復活
第3戦の行われるベルギーのスパに松葉杖のスコットが現れる。困ったのはピート。パットがピートと同じ部屋に泊っているからだ。
ピートの部屋に来たスコットは、妻に自分の元に戻ることを求めるが、パットはスコットの身を案じなければならない暮らしはこりごりだと思っていた。ピートと一緒だったらそんなことはないと言うパットにスコットは、それはピートを愛していないからだと言う。
途中から雨中のレースとなった第3戦は、サルティがピート以下にリードを広げ、優勝は目前と思われたが、車輪が外れる事故が起き、車はコースを外れてしまい、コースわきで見物していた二人の兄弟の命を奪ってしまう。
ピートの久しぶりの優勝、ヤムラ・チームにとっての初めての優勝という結果になる。
グランプリのネタバレあらすじ:パットとルイーズ
第4戦はピートが連勝し、総合順位でサルティと1位に並ぶ。だが第5戦ではスコットがレースに復帰し、足の痛みを薬で抑えながら復帰戦から3連勝を飾る。
だが、第8戦イギリスGPでは、途中までトップに立ちながら体調不良で棄権してしまう。ニノが初優勝を飾り、車が燃料漏れで火を噴いて辛うじてゴールしたピートは2位に終わった。
夫を遠くから心配して見守っていたパットはとうとうその夜、スコットの部屋を訪れる。スコットは根性があると言うピートの言葉を伝え、独りで戦ってきたスコットの力になることを決める。
一方、成績が下り坂のサルティは走ることが全てだった自分の人生に疑いを抱き、ルイーズはそんな彼を励ます。
グランプリの結末:死と栄光
スコット、サルティ、ニノ、ピートが総合優勝を争う最終戦イタリアGP。レースの前日、ルイーズはサーキットに現れたサルティ夫人と出くわす。サルティは、引退を勧めるチームのオーナーや、ビジネスのために自分を縛り付ける妻に怒りを隠さない。
レース当日。ルイーズにとってもF1の取材最後の日だったが、危険と隣り合わせで戦うサルティを見続け、レーサーの命の危険も見世物にしてしまう一部の観衆を見てきた彼女はレースを見る気になれない。二人が愛しあっていることをサルティと確認してレースが終わるのを待つ。一方、パットは夫のためにピットにいることを選ぶ。
レースは、スタートで出遅れたサルティが猛烈な追い上げを見せる展開になる。だが、レーサー泣かせの危険なコースでとうとう悲劇が起こる。4位に上がったサルティの車がコントロールを失い壁を飛び越えて下に墜落。引っかかった木の枝からサルティが下ろされ、救急車に収容される。
サルティに駆け寄ったルイーズは、サルティの血に染まった自分の手を、集まってくる人々に見せて、あなたたちはこれが見たいのよと叫ぶ。
サルティの死に当たり、フェラーリ・チームは黒旗を示してレースから退場する。首位を走っていたニノが離脱し、最後にピートがわずかの差でスコットより先にゴールを切り、新チャンピオンとなった。
健闘を称え合うピートとスコットのはるか向こうでは、サルティのフェラーリが炎上した黒い煙が上がっていた。
以上、映画「グラン・プリ」のあらすじと結末でした。
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