グランドフィナーレの紹介:2015年イタリア,フランス,スイス,イギリス映画。引退したイギリスの世界的音楽家と親友の映画監督がアルプスの高級ホテルで休暇を過ごし、それぞれに個人的な事情を抱えていたホテルの客たちと交流を持つ姿を描いた人間ドラマです。
監督:パオロ・ソレンティーノ 出演者:マイケル・ケイン(フレッド・バリンジャー)、ハーヴェイ・カイテル(ミック・ボイル)、レイチェル・ワイズ(レナ・バリンジャー)、ポール・ダノ(ジミー・ツリー)、ジェーン・フォンダ(ブレンダ・モレル)ほか
映画「グランドフィナーレ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グランドフィナーレ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グランドフィナーレの予告編 動画
映画「グランドフィナーレ」解説
この解説記事には映画「グランドフィナーレ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グランドフィナーレのネタバレあらすじ:起
楽曲「シンプル・プラン」で世界的に名を馳せたイギリスの老音楽家フレッド・バリンジャー(マイケル・ケイン)は、引退して娘のレナ(レイチェル・ワイズ)や親友の映画監督ミック・ボイル(ハーヴェイ・カイテル)と共にアルプスの高級ホテルで休暇を過ごしていました。ある日、エリザベス女王の特使(アレックス・マックイーン)がフレッドの元を訪れ、勲章を授与すると共に「シンプル・ソング」をフィリップ殿下の誕生日に指揮してほしいと依頼しますが、フレッドは私的なことを理由に断り、BBC交響楽団が演奏し大物ソプラノ歌手スミ・ジョー(本人)が歌唱すると言われても首を縦には振りませんでした。その夜、フレッドは一部始終を見つめていた俳優ジミー・ツリー(ポール・ダノ)に話しかけられます。ジミーは映画「ミスターQ」でロボットの役を演じて有名になったのですが、そのイメージが強すぎて殻を破れないことに悩みを抱えていました。その頃、ミックは若いスタッフたちと共に、長年タッグを組んできた女優ブレンダ・モレル(ジェーン・フォンダ)を主演に想定した、おそらく自身最後の作品になるであろう新作映画の脚本を執筆していました。
グランドフィナーレのネタバレあらすじ:承
フレッドの娘レナはミックの息子ジュリアン(エド・ストッパード)と結婚生活を送っていましたが、ある日突然レナはジュリアンから離婚を切り出されて泣き崩れました。ジュリアンはミックに責められるも離婚の意志は変わらず、更にはレナを慰めたフレッドは家庭を顧みなかったことでどれだけ母が傷付いたかを責められてしまいます。ある時、フレッドはバイオリンで「シンプル・ソング」を練習している少年に出会います。この曲の作曲者が誰かを知らない少年に、フレッドは「この曲は恋をしていた時に作った」と明かします。その後、フレッドは再び女王の特使の訪問を受け、改めて演奏会への出演を要請されますが断り、この時初めて理由を明かします。「シンプル・ソング」は元々フレッドの妻メラニーために作った曲で、この曲を歌えるのは妻しかいないというものでした。しかし妻はもう歌うことができないのだといい。特使は非礼を詫びて立ち去り、レナは初めて父の母への真の想いを知って涙しました。
グランドフィナーレのネタバレあらすじ:転
ある日、レナは娘と共に山に登っている登山家のルカ(ロバート・シーサラー)と出会います。一方、ジミーは自分のファンだというミス・ユニバース(マダリーナ・ディアナ・ゲネア)から語り掛けられますが、「ミスターQ」のファンだと知り落ち込みます。そこにルカの娘が現れ、あなたをミスターQではなく別の映画で見て感動してのだと話しかけてきました。ジミーは深く心を打たれ、「無意味な恐怖に時間を費やすな」とホテルで出会った人々が教えてくれたのだと語ります。その頃、新作映画の脚本の完成を急いでいたミックの元にブレンダが訪れてきました。ブレンダはテレビドラマに出演するために映画を降板したいと申し出、ミックの才能が枯渇したことを告げます。「映画がなくても人生は続く」とブレンダに言われたミックは深いショックを受けます。
グランドフィナーレの結末
ミックにとってブレンダは自らが育て上げた女優であり、人生の全てといっても過言ではありませんでした。それでも、ジミーから「あなたは“女優を育てた監督”ではなく“名監督”なのです」と励まされたミックは、意地でもブレンダ抜きで映画製作に入ろうと決意しますが、代役の女優が見つからずに遂に映画製作を断念、フレッドの目の前で自ら命を絶ちます。フレッドは自分には音楽しかないと思い知らされ、訃報をしったブレンダは泣き崩れました。ある決意を固めたフレッドはストラヴィンスキーの墓参りに出かけ、その足で妻メラニーの元を訪ねます。フレッドは「私たち自身が“シンプル・ソング”だ」とメラニーへの想いを語りますが、精神疾患を患っていたメラニーは何も語ることはありませんでした。そして演奏会の当日。エリザベス女王が見守る中、指揮台に立ったフレッドは「シンプル・ソング」のタクトを振り始めます。同じ頃、レナはルカと登山の旅に出、メラニーは窓を眺めながらまるで歌うかのように口を動かしていました。そして演奏が終わり、ホール内は誰もが余韻に浸っていました。
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