大いなる遺産の紹介:1998年アメリカ映画。イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの同名長編小説の映画化作品で、数度映画化された作品の1998年版です。舞台を1998年当時のアメリカに置き換え、画家を志す青年と幼馴染との恋、脱獄囚との心の交流などを描いています。
監督:アルフォンソ・キュアロン 出演者:イーサン・ホーク(フィネガン・“フィン”・ベル)、グウィネス・パルトロー(エステラ・ディンズモア)、アン・バンクロフト(ノーラ・ディンズモア)、クリス・クーパー(ジョー・コールマン)、ロバート・デ・ニーロ(アーサー・ラスティグ)ほか
映画「大いなる遺産 (1998年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大いなる遺産 (1998年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
大いなる遺産の予告編 動画
映画「大いなる遺産 (1998年)」解説
この解説記事には映画「大いなる遺産 (1998年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大いなる遺産のネタバレあらすじ:起
アメリカ・フロリダの小さな町。当時10歳の少年だったフィネガン・“フィン”・ベル(ジェレミー・ジェームズ・キスナー)は両親に先立たれ、姉マギー(キム・ディケンズ)やその恋人のジョー(クリス・クーパー)と共に暮らしていました。絵を描くことが大好きなフィンは海に出かけては風景を描いていましたが、ある日いつものように海にいると、ひとりの脱獄囚アーサー・ラスティグ(ロバート・デ・ニーロ)に助けを求められます。フィンは言われるままに逃走の手助けをします。数日後、フィンはテレビのニュースでラスティグが逮捕されたことを知ります。ある日、フィンはジョーに連れられて、近隣の大富豪の老婦人ディンズムア夫人(アン・バンクロフト)の元を訪れます。フィンはディンズムア夫人の姪エステラ(ラクエル・ボーディン)と出会い、彼女の肖像画を描くうちに次第に惹かれていきました。
大いなる遺産のネタバレあらすじ:承
月日は流れ、成長したフィン(イーサン・ホーク)は美しく成長したエステラ(グウィネス・パルトロウ)に誘惑されますが、彼女は体までは許さず、その翌日エステラは何も言わずヨーロッパへの学校へと去っていきました。フィンは失意から絵を描くのを辞め、漁師としてジョーの手伝いをする日々を送っていました。それから7年後、フィンのもとを弁護士のラグノ(ジョシュ・モステル)と名乗る男が訪れ、匿名の支援者がフィンの画家としての活動を支援したいと申し出たということを伝えてきました。
大いなる遺産のネタバレあらすじ:転
申し出を受け入れたフィンは、ニューヨークの安ホテルで個展のための作品を描き始めます。そんな折、フィンは街で偶然にもエステラと再会、彼女をモデルに絵を描くうちに再び彼女への想いが再燃していきました。しかし、エステラには既にウォルター(ハンク・アザリア)という婚約者がいましたが、フィンはエステラに魅了され、初めて一夜を共にします。やがてフィンは新進気鋭のアーティストとして注目を集めるようになり、個展も大成功を収めましたが、エステラの家を訪れたフィンはディンズムア夫人から彼女はウォルターと結婚したことを告げられます。
大いなる遺産の結末
打ちのめされたフィンは自分のスタジオへ帰りつくと、そこに白髪の老人が現れました。老人はかつてフィンが助けた元脱獄囚ラスティグであり、彼こそが匿名でフィンを支援していたのです。しかし、ラスティグは昔の犯罪仲間に追われており、フィンは彼を助けようとしますが、ラスティグは仲間に刺されしまい、フィンの腕の中で息を引き取ります。フィンはその後芸術を学ぶためにパリに拠点を移し、数年後久しぶりに故郷フロリダに里帰りし、ジョーと再会した後、ディンズムア夫人の屋敷を訪れます。夫人は既に亡くなっており、程なくしてフィンは離婚して幼い娘と共に帰ってきていたエステラと再会を果たしました。
公開当時、日本でも絶大な人気を誇っていたグィネス・パルトローをヒロインに迎えた、ディケンズの名作原作映画です。この映画ではグィネス演じる、美しい緑の衣裳の数々を是非見てほしいです。往年の名女優、アン・バンクロフトの姿が拝めるのもうれしいところ。古くから読み継がれるディケンズの長編小説が原作とあって、物語も重厚感に満ちています。小説を読んだことがある人もない人も観てほしい作品です。