ハンコックの紹介:2008年アメリカ映画。自由自在に空を飛び、銃弾にもひるまない不老不死の男ハンコック。彼は街の平和を守りながらもその勝手気ままな生活と、度重なる街の破壊行為に、住民からは厄介者扱いされていた。ある日、ハンコックに命を救われた営業マンのレイは、お礼にと彼を家に招く。そこで出会った彼の妻メアリーからは嫌な目を向けられるが、それには訳があった。そしてレイはハンコックの信用を取り戻すために、ある計画を立てるのだった…。
監督:ピーター・バーグ 出演:ウィル・スミス(ジョン・ハンコック)、シャーリーズ・セロン(メアリー・エンブリー)、ジェイソン・ベイトマン(レイ・エンブリー)、エディ・マーサン(レッド)、ジェイ・ヘッド(アーロン・エンブリー)、トーマス・レノン(マイク)、ジョニー・ガレッキ(ジェレミー)、ほか
映画「ハンコック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハンコック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハンコックの予告編 動画
映画「ハンコック」解説
この解説記事には映画「ハンコック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハンコックのネタバレあらすじ:命の恩人
街に強盗が現れる。するとどこからともなくやってきてその強盗を捕まえる、ついでに街に大きな被害まで与えてしまう不死身の男ジョン・ハンコック(ウィル・スミス)。その勝手気ままな行動のせいで街の住人は皆口を揃えて彼にこういう「クソ野郎」と。
ある日、営業が失敗に終わり、失意の中車を走らせているレイ(ジェイソン・ベイトマン)は、いつの間にか踏切の中で身動きが取れなくなっていた。そしてそこに電車が現れるも、慌てるあまりうまく車から逃げ出せずにいた。そこにハンコックが現れた。彼はレイの乗っている車を放り投げ、そのまま電車に体当たりした。ハンコックのおかげで命を救われたレイは、お礼にと彼を家に招くことにした。
ハンコックのネタバレあらすじ:収監
レイには美しい妻と息子がいた。彼らと食事を進めるも、妻メアリー(シャーリーズ・セロン)はあまりいい顔をしなかった。メアリーはハンコックの知らない、ある関わりを持っていた。あくる日、レイの家に現れたハンコックは、ニュースで自分のことが話題になっているのを知る。ハンコックは刑務所に入るべきだとアナウンサーは言っていた。
それをいい機会だと感じたレイは、ハンコックにそれを勧める。少しの間刑務所に入れば、ハンコックがいなくなったことで犯罪が増加し、世間はハンコックの必要性を再認識すると。レイの強い勧めによりハンコックは刑務所に入ることになった。
そしてしばらく経ったある日、ハンコックが自分のベッドで寝ているところを看守に起こされる。警察から要請があるということだった。
ハンコックのネタバレあらすじ:メアリー
ハンコックは警察の要請で現場に現れた。レイの作ったスーツを身に着け、見事に事件を解決したハンコックはたちまち街の人気者になる。
ある夜、レイ達と食事にでかけたハンコック。酔っぱらったハンコックをベッドまで運び、メアリーと話しをしていると、不思議な雰囲気に飲まれ、彼女と唇を重ねそうになる。その瞬間ハンコックはメアリーの手により家の外に投げ飛ばされた。そして車に叩きつけられたハンコックの元に飛んできたメアリーは彼に口止めをし、二度とここに来るなと念を押した。
次の日、ハンコックはまたレイの元に現れ、メアリーに知っていることを教えるように言う。ハンコックの家に来たメアリーは自分とハンコックの関係を伝える。彼女はハンコックと同じように不老不死、いやそれ以上に強い存在だったのだ。
ハンコックの結末:二人の関係
メアリーが全てを正直に話さないことに、いら立ちを覚えたハンコックはレイに正体を話すと街に向かった。ハンコックを止めるため、彼の後を追うメアリーはあまりのハンコックの態度に怒りを露わにし、街中で二人は大暴れしてしまう。しかしその様子をレイに目撃され、メアリーはレイの元を去ってしまう。
そんな時、ハンコックはある店で強盗と対峙する。普段ならなんてことのない銃弾だが、その日はハンコックの身体を銃弾が貫通する。そして病院に運ばれたハンコックの元にメアリーがやってきて二人の関係を話す。
メアリーは3,000年もの間生きていた。ハンコックも同じで、二人はその都度惹かれ合うのだと言う。しかし二人が同じ場所にいると、人間として生きるため、力は弱まってしまう。その時、病院が襲撃される。ハンコックに恨みを抱く人間だった。その襲撃でメアリーが撃たれてしまう。そして力の弱まったハンコックもまた、ボロボロにやられてしまう。
駆け付けたレイの助けで命を取り留めたハンコック。ハンコックはメアリーを救うため、その場から姿を消した。その後一命を取り留めたメアリーはレイと共にいた。遥か遠くからハンコックがその様子を見守っていた。
以上、映画「ハンコック」のあらすじと結末でした。
ヒーローものといえば、アメコミ原作全盛の昨今。
しかし「キングダム 見えざる敵」で名を上げたピーター・バーグ監督によるこの映画、「ハンコック」は、アメコミを原作に持たないオリジナル脚本の作品だ。
まあ、ウルトラマンが暴れたら街が破壊されるといった、過去、一瞬だけ面白かった「考察」の類の延長線上というか、無茶をして周囲に甚大な被害をもたらすというので嫌われ者になっている「悩めるヒーロー」の物語である。
自暴自棄でアル中で、素行の悪い超人というオフビートな役柄にウィル・スミス。
この「超人」のイメージチェンジに協力しようとする冴えない男をジェイソン・ベイトマンが、その妻をシャーリーズ・セロンが演じている。
まあ、想像していたよりは面白かった。
なにしろ、「キングダム 見えざる敵」はともかく、デビュー作「Very Bad Things(ベリー・バッド・ウェディング)」の酷い出来栄えで、コメディの担い手としてのピーター・バーグにはあまり信用を置いていないからだ。
ただ、この作品を一概に「コメディ」と言い切るのには違和感があるかもしれない。
なにしろ、いま、興行的に安定感のある男、ウィル・スミス主演で独立記念日に公開した大作。
製作にはマイケル・マンにアキヴァ・ゴールズマンやら、ジョナサン・モストウまで名前が連なる豪華な布陣だ。
人々の注目を集め、大ヒットを宿命付けられている。
そんな作品なのだ。だから、「オフビートでオリジナリティの高いコメディ」という側面と、「当代のスーパースターが主演するアクション大作」という側面が、いかに両立・共存しているのかというのが評価のポイントだろう。
そして結論を先に言えば、その両立には成功したとは云い難い、中途半端な印象の残る作品だと思う。
実際のところ、この脚本は、確かに業界内で評判をとるだけのオリジナリティがある。
主人公が自分に協力してくれる親切な男の、その美人妻にちょっかいを出すという、あらぬ展開には思わず吹き出してしまったし、その後の壮大なる痴話喧嘩的ドタバタ騒ぎを経て、「ヒーロー」の持つ神話性のようなところに着地するまとめ方も悪くない。
それゆえに、この脚本が「当代のスーパースターが主演するアクション大作」に向いているのかというと、違うのだと思う。