害虫の紹介:2002年日本映画。家でも学校でも、自分の居場所を見つけることのできない少女を通して、思春期特有の不安定さを淡淡と描いた衝撃作。非行に走る思春期特有の少女の危うさを、宮崎あおいが遺憾なく演じています。
監督:塩田明彦 出演者:宮崎あおい(サチ子)、田辺誠一(緒方)、沢木哲(タカオ)、蒼井優(夏子)ほか
映画「害虫」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「害虫」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
害虫の予告編 動画
映画「害虫」解説
この解説記事には映画「害虫」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
害虫のネタバレあらすじ:唯一の居場所
中学生のサチ子は、学校にも行かず、ふらふらとその日を過ごしています。サチ子の父親はおらず、母親は精神不安定で自殺未遂をします。ある日、サチ子は偶然知り合ったタカオという青年と仲良くなります。その日から、サチ子は、タカオと一緒に遊ぶようになりました。学校では、サチ子のことを気に掛ける子はいませんでしたが、唯一の友人である夏子だけがサチ子のことを心配しています。
害虫のネタバレあらすじ:自分の居場所を失ったサチ子
タカオは、友人のキョウゾウとつるんで、当たりやをしてお金を稼いでいました。サチ子もあたり屋に挑戦しますが、怖くてできませんでした。ある日、サチ子はタカオに旅行に誘われます。しかし、約束の時間になってもタカオは現れませんでした。その日以来、タカオは忽然と姿を消してしまいます。家に帰ると、母親が恋人を連れ込んでいました。家でも、サチ子の居場所はありません。
害虫のネタバレあらすじ:苦難の日々
自分の居場所を失ったサチ子は、学校へ行き始めることにしました。ある日、サチ子が家に帰ると、母親の恋人が家にあがりこんでいました。サチ子は母親の恋人からレイプされそうになります。学校では、サチ子がレイプされたという噂が広まっていました。夏子はサチ子のことをかばいます。学校からの帰り道、サチ子はキュウゾウと出くわします。
害虫の結末:不幸な運命
キュウゾウと再会したサチ子は、面白半分に火を使って遊び始めます。とうとう、2人は、灯油を入れた火をつけた瓶を、夏子の家に投げ入れます。火は燃え上がり、家はみるみるうちに焼け落ちました。事の重大さに恐怖を感じたサチ子は、逃亡を企てます。サチ子は、慕っていた小学校の頃の教師の緒方のもとに行き、喫茶店で待ち合わせをします。緒方はなかなか現れません。そんなサチ子に、男が声をかけてきます。サチ子は男に連れられて、その場を立ち去ります。サチ子が喫茶店を後にした直後に、緒方が現れますが、時、すでに遅しでした。
以上、映画 害虫のあらすじと結末でした。
宮崎あおい扮するヒロインのサチの、陰りを帯びた眼差しや気だるいムードが印象深かったです。映画のロケ地となった神奈川県小島新田の都会でもなく田舎でもない微妙な距離感が、居場所のない少女の姿と重なり合って良かったです。運命のいたずらによって離れ離れになっていく、サチと緒方のお互への想いには胸が痛みました。