春男の翔んだ空の紹介:1977年日本作品。献身的に身障児とともに生き、飛行機の事故で志しなかばで倒れた特殊学級教師:野杉春男と教え子たちの生活を描いた伝記映画。脚本・演出は「はだしのゲン 涙の爆発」の山田典吾。
出演者:永六輔、佐藤オリエ、愛川欽也、原知佐子、山口崇ほか
映画「春男の翔んだ空」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「春男の翔んだ空」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「春男の翔んだ空」解説
この解説記事には映画「春男の翔んだ空」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
【未だ心の片隅に・・】
この題名を聞いてピンと来る人は何人いるでしょうか。キネ旬のKINENOTEを見ても観た人は一人もおらず映画ファンとして優越 感(?)を感じます。1977年、映画の始まる30分位前に入場したらパラパラ15人位しかいなかったのに5分前になったら団体さんがドドッと入って来て あっという間に満員になり一味違った雰囲気の中で鑑賞することになりました。いじめや差別のニュースを目にしたり耳にしたりするたびに今でもこの作品を思 い出します。
【障害者教育に生涯を捧げた教師、野杉春男】
北九州市の小学校教頭で特殊学級の父と言われ、志し半ばに飛行機事故で亡くなったこの春男を永六輔が演じてい ます。彼がどのようないきさつで演ずることになったのかは知りませんがこの手(失礼)の映画にありがちな感傷的、お涙頂戴的にならなかったのは彼の人柄に よるものだと思います。この点は良かったのですが他の教師や周りの大人たち大部分が理解のある善人ばかりだったのはちょっと鼻に付きました。
【真の教育とは】
知恵遅れのせいじをイジメに3人の子供がやって来るくだり、そのうち一人は女の子でそれもいかにも番町風に肩いからせて歩いていて、こん なのを見ているとそういう知恵のまとも(?)な子の教育こそ特殊教育以上に必要なのではないか。さらに、この後一人の別な女の子がせいじと何の屈託もなく 遊んでいると彼女の母親がやって来て「こんなバカと遊んでいけません!」とはもう何をか言わんや、教育とは何ぞやです。
【障害者雇用はあれからどれだけ改善?】
わが子が知恵遅れと知ったその日から今日まで笑うことを忘れてしまったとせいじの母親は話していましたが実際そん な子を持つ親の真実の声かもしれません。ところがそんな親の苦しみも何のその当の子供たちは無邪気で幸せそうな姿を見ていると心が痛みます。せいじの場合 は学校を卒業して競走馬の世話をする自分の好きな職業に就けてめでたしめでたしでしたが他の子らはどれだけ社会で受け入れてくれるのか将来が案じられてな りません。厚労省の施策のみならずただただ事業主の心の部分に期待するばかりです。
【永六輔からのメッセージ】
「知恵は遅れていない、遅れているのは知識だけだ。そして人間を不幸にしたのは知識なのだ。心身障害と言うけれど心は病んでい ない。心を病んでいるのは彼ら以外の僕たちだ。彼らが病んでいるのは脳という部分なのだ。胃が悪いと同じようにそれを心と言っちゃいけない」
「春男の翔んだ空」感想・レビュー
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私は若かりし頃、この映画を観て「子どもは大人を小さくした者ではなく、子どもには子どもの世界があるのだ」と感じました。もっと子どもの世界を知りたいと思って保育士になりました。
小学生の時に父と映画館に見に行きました。父と2人で見た映画はこれだけです。なぜこの映画を選んだのか覚えていませんが、今でもタイトルもはっきり覚えている心に残る映画です。
まだ見たくなりDVDを購入しました。