心みだれての紹介:1986年アメリカ映画。お互い離婚歴がある男女が出会って結婚、2人の子供にも恵まれてかつて経験しなかった喜びを得るが、夫の浮気によって幸せだった今回の結婚生活も破綻を迎える。
監督:マイク・ニコルズ 出演:メリル・ストリープ(レイチェル)、ジャック・ニコルソン(マーク)、モーリン・ステイプルトン(ベラ)、ジェフ・ダニエルズ(リチャード)、ストッカード・チャニング、リチャード・メイサー、キャサリン・オハラ、ケヴィン・スペイシー、
映画「心みだれて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「心みだれて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「心みだれて」解説
この解説記事には映画「心みだれて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
心みだれてのネタバレあらすじ:起・再婚同士
ニューヨークで料理評論家として働くレイチェルは、友人の結婚式で著名なコラムニストのマークに出会う。互いに離婚歴がある2人は意気投合、その夜のうちに関係をもつ。過去の経験から結婚はこりごりだと言い合った2人だったが、やがて愛は深まり、不安を乗り越えて結婚。
ワシントン州に家を買い、改築をめぐって言い争うこともあったが、ほどなくレイチェルは妊娠し2人の間に娘アニーが生まれる。レイチェルはマークの友人アーサー夫妻、テレビ記者ベティのカップルら気の置けない友人らとの付き合いや、家族に恵まれて幸せをかみしめていた。
心みだれてのネタバレあらすじ:承・夫の浮気
2人目を妊娠していたレイチェルはヘアサロンで美容師らが彼氏の浮気発覚について話しているのを耳にし、思い当たるフシがあったために慌てて家に戻ってマークの机をガサ入れしてみると、そこには外交官の妻セルマとの浮気の証拠が残されていた。ショックを受けたレイチェルは動かぬ証拠をマークにぶつけるとアニーを連れて家を出て、ニューヨークの父の家へ身を寄せる。
離婚を決意したレイチェルはニューヨークでの仕事を再開しようと、かつての仕事仲間リチャードを訪れる。リチャードはレイチェルとマークの破局話を聞くと仕事への復帰を歓迎し、レイチェルを食事に誘うが、なぜかレイチェルはマークの存在を気にして応じることができない。破局を口にするものの、彼女はマークからの連絡を心待ちにしているのだった。
心みだれてのネタバレあらすじ:転・一度目の選択
ある日、レイチェルが参加するグループセラピーに強盗が侵入、強盗はレイチェルに銃を突きつけ、参加者から金目のものを奪い取り、レイチェルも結婚指輪を奪われる。警察での事情聴取を終えてレイチェルが帰宅すると、そこには待ちわびたマークの姿があった。セルマとは別れて2度と会うことはない、愛していると告げるマークを許し、レイチェルはアニーとともに家へ戻る。
以前の暮らしに戻ったレイチェルだったがマークへの猜疑心は消えず、彼の持ち物をあれこれチェックする自分に疲弊していく。ある日ベティからセルマの浮気相手がアーサーだと聞かされたレイチェルはその噂を否定し、逆にセルマが性病だとデマを吹き込む。そのことを知って責めるマークとレイチェルは激しい言い争いとなるが、そこでレイチェルが産気づき、アニー出産のときの幸せな気持ちを思い出したマークとレイチェルは2人目を出産後平穏な生活に戻る。
心みだれての結末:踏み出す勇気
そんな中、強盗が捕まったという知らせとともに奪われた指輪が戻ってくる。レイチェルはその指輪を直しになじみの宝石店へ行くが、そこでマークが自分以外の人のために高価なネックレスを購入したことを知る。
その後、友人らとの食事の席で、何も知らないベティが病気だというセルマを励ますパーティーを開こうと言い出す。耐え切れなくなたレイチェルはマークの顔面にパイをぶちまけ、ひとりその場から立ち去る。
再びレイチェルは2人の子供を連れて家を出て、新たな人生を踏み出すためニューヨークへ向っていた。
この映画「心みだれて」は、大人の鑑賞に耐え得る映画ですね。
内容は、結婚に関する喜劇であり、悲劇を描いていますね。
メリル・ストリープとジャック・ニコルソンの二大演技派俳優の競演。
この二人は、ジャンルこそ違うが、共に第一線で活躍するコラムニスト。
友人の結婚式でと知り合って、心が揺れて結婚へ。子供の誕生。夫の浮気。別居から、また仲直り。二児の誕生。夫の再びの浮気。女の自立、男の自由と、そんな堅苦しいことを、この映画は描いていない。
知的な家庭のごくありふれた生活。その中のさざ波を、この映画は実に鮮やかに描いて見せるんですね。
揺れ動く女の心の綾、そのディテールが、まことに的確に捉えられている面白さ。
鏡ひとつで見せる、愛の燃え上がり。結婚式でさんざん待たせる女心。
美容院で、突然、夫の浮気を感じる彼女。髪を振り乱したまま、鬼女の形相で証拠を探すところなんかは、とにかく凄い。
宝石屋の言葉から、さらなる夫の浮気を知って、表情を変える彼女。
演じるメリル・ストリープは圧倒的にうまいけれど、マイク・ニコルズの演出は、憎い程に見事ですね。
このマイク・ニコルズ監督と言えば、忘れることができないのは「卒業」ですね。
あの時、ダスティン・ホフマンは、キャサリン・ロスを結婚式場から奪って走った。
走ってバスに飛び乗った。あれから長い月日が流れていった。
愛していても、長い年月の中で、男は時に他の女に燃え上がる。いや、女だってそうかもしれない。「卒業」が恋愛篇なら、「心みだれて」は結婚篇。
ラストは、二人の子供を連れた彼女が、ワシントンからニューヨークの実家に帰るところ。
男と女って何だろう? 結婚って何だろう?
身につまされて、笑い転げて、ほろっと胸を熱くさせてくれる映画だ。