変身の紹介:2005年日本映画。脳移植を受けた主人公がドナーの脳に支配されていく恐怖を描いたサスペンス映画。人格が変貌しコントロールを失う主人公と、彼に寄り添い献身的に支える恋人との切ない恋愛模様が涙を誘う。原作は東野圭吾の同名小説。
監督:佐野智樹 出演者:玉木宏(成瀬純一)、蒼井優(葉村恵)、佐田真由美(橘直子)、松田悟志(京極瞬介)、釈由美子(京極亮子)、北村和夫(堂元英隆)ほか
映画「変身」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「変身」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「変身」解説
この解説記事には映画「変身」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
変身のネタバレあらすじ:脳移植
舞台は現代日本。成瀬純一は協和大学付属病院のベッドで目を覚ましました。瀕死の重体で病院に運び込まれ、5週間もの間昏睡状態にあったそうです。しかし純一は何が原因で負傷したかも覚えていません。主治医で脳神経外科医の堂元英隆教授と助手の橘直子医師からは、回復を待って事情を話すと言われます。純一は頻繁に恋人葉村恵の夢を見ました。恵は画材店の店員で、絵を描くことが趣味の純一は足繁くその店に通っていました。そして湖畔に恵を誘い、彼女をモデルに絵を描きました。一緒に暮らす計画も立て、2人の仲は順風満帆でした。順調に回復する純一は、ある夜頭の中で鳴り響く銃声にうなされ目を覚まします。病室を抜け出した純一は施錠されていない部屋に入り、そこでガラス容器に保存された脳を発見します。ラベルには「Host J.N」の文字。翌日堂元に問い質すと、発見した脳はやはり純一のものでした。純一はある事件に巻き込まれ、銃で右脳を撃ち抜かれました。堂元達は適合する脳を入手し、それを純一の損傷部位に移植したと言うのです。もちろんドナーについては教えてもらえませんでした。
変身のネタバレあらすじ:始まった変貌
ショックを受ける純一の病室へ、恵が面会にやって来ました。喜ぶ純一でしたが、彼は少しずつドナーの影響を受け始めていました。退院し日常に戻った純一は小さな違和感を覚えるようになります。ちょっとしたことで怒ったり、嗜好が変わったり、周囲の行動を不快に感じるのです。そのため職場の人間関係や恵との仲は破綻していきました。更にバーでピアノの音を遮るほど騒いでいた若者と喧嘩し、警察署に連行されてしまいます。そこで橘から連絡を受けたという弁護士嵯峨道彦に会います。彼は純一を娘の命の恩人だと言いました。帰宅すると恵が待っており、しばらく田舎に帰ると告げられます。後日、嵯峨家に招待された純一と橘。嵯峨の娘典子のピアノを聞いている内に純一は苛立ち始め、彼女の首を絞めようとして寸前で我に返りました。
変身のネタバレあらすじ:強盗事件
日を改めて嵯峨を呼び出した純一は発砲事件の詳細を尋ねます。事件当日、嵯峨の妻子と純一は偶然番場エステートという不動産会社を訪れていました。そこへ強盗犯京極瞬介が銃を手に現れ、事態を理解出来ず走り出した典子に発砲します。純一は典子を庇い、銃弾を頭部に受けたのでした。一方、堂元達は純一の変化について話し合っていました。ドナーの精神パターンがホストの潜在意識を刺激し、抑圧されていた感情が表面化していると考えた医師達。橘は純一の部屋を訪ね、苦悩を理解した上で彼を裏切らないと約束します。純一は自分の変化の過程を日記に綴っていました。純一が「成瀬純一」でなくなった時、この日記を処分して欲しいと橘に頼みます。それまでは中を見るなと言う純一に、橘は頷きます。
変身のネタバレあらすじ:京極瞬介のピアノ
ある日、純一は街で偶然京極瞬介の双子の妹亮子に出会います。純一を自宅に招いた亮子は、瞬介の犯行動機を父と世間への復讐だと言いました。双子の母親は番場エステートの社長番場哲夫と愛人関係にありました。しかし番場は何の力にもなってくれず、元々心臓の弱かった母親は事件の直前に死亡。瞬介は悲しみと怒りから番場エステートに押し入り、その後銃で自殺していました。ピアニストを目指していた瞬介は、幼い頃から小さなおもちゃのピアノを弾いていたそうです。純一は亮子からそのピアノを譲ってもらい、以降暇さえあればピアノを奏でるようになりました。そしてある日、帰宅した純一は誰かと携帯電話で話す橘と鉢合わせます。彼女は純一の日記を撮影し、メールでどこかへ送っていました。裏切りに激怒した純一は橘を絞殺。実家のテレビで橘の行方不明報道を聞いた恵は急いで純一の元へ走ります。更に純一は、堂元の助手で橘に好意を寄せていた若生健一医師から脅迫電話を受けます。
変身の結末:いつかまた
純一の脳は既に瞬介に支配されており、もはや成瀬純一は消えかかっていました。残された時間、絵を描いて過ごすと決めた純一に、恵は一緒に行くと縋ります。「死ぬなら私の前で死んでよ」と叫ぶ恵を連れ、純一は思い出の湖畔へやって来ました。描きかけの恵の絵を完成させようと筆を走らせます。喜んだ恵は絵の具を買い足すため純一のそばを離れました。宿泊しているロッジに帰っても描き続ける純一の背後に、銃口を向ける若生が静かに立ちます。恵の裏切りを示唆する彼に、純一は銃を奪い返り討ちにしました。帰って来た恵は裏切りを否定しますが純一には届きません。怒った恵はピアノを床に叩きつけ破壊します。激昂した純一は恵を絞殺しようとしますが、強い頭痛と共に恵との思い出が鮮やかに蘇りました。「成瀬純一」に戻った純一は恵を残して1人堂元の研究室に向かいます。純一は移植した脳を全て取り除く再手術を要求しました。しかし堂元は断ります。恵が追いつき必死に窓を叩きます。純一はガラス越しに恵と手を重ね、部屋の電気を消します。暗闇の中銃を取り出し、頭に押しつける純一。響いた発砲音に恵は泣き崩れました。時が過ぎ、恵は思い出の湖畔を訪れていました。純一の絵を見つめ、いつかまた会えるよね、と呟く恵。恵が愛しそうに絵に触れ、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画変身のあらすじと結末でした。
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