日の果ての紹介:1954年日本映画。梅崎春生の短篇を斎藤良輔と八木保太郎が脚色、名匠山本薩夫が演出した戦争サスペンス。左翼映画人が集まって作った映画だけに反戦的メッセージが強く込められている。八木保太郎は製作も担当。
監督:山本薩夫 出演:鶴田浩二(宇治中尉)、岡田英次(花田軍医中尉)、原保美(高城伍長)、島崎雪子(チエ)、殿山泰司(坂田)、信欣三(清水一等兵)、加藤嘉(部隊長)、ほか
映画「日の果て」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「日の果て」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「日の果て」解説
この解説記事には映画「日の果て」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
日の果てのネタバレあらすじ:起
太平洋戦争末期、アッツ島、タラワ・マキン、サイパンと玉砕が続き、レイテ島にもアメリカ軍が上陸してきました。もはやフィリピン諸島での日本軍は壊滅状態といっても過言ではありません。
そんな中、兵器係の宇治中尉(鶴田浩二)は部隊長(加藤嘉)に呼び出され、インタアル付近の小部落にいる花田軍医(岡田英次)を連れ戻せという命令を受けます。花田は1ヶ月前、米軍の砲撃で脚を負傷したのを奇貨として戦場を離脱。再三使いをやっても頑として原隊復帰に応じません。
宇治は花田の僚友なので、彼の説得なら応じるかもしれないという考えでした。ただ復帰をあくまで拒否するなら、その場で射殺せよという厳命です。
日の果てのネタバレあらすじ:承
宇治は高城伍長(原保美)とともに駐留地を出発し、花田のいる小部落を目指して密林の中を進みます。その間に思い出すのは、花田の軍医として活動ぶりでした。元々軍隊が気に入らない彼は軍規を無視して勝手な行動を取りがちでした。
敗色が濃くなった現在、宇治も勝ち目のない反撃を続けること自体が愚かしいと判っています。内心では花田のような行動を取るべきだと思っていますが、あえて軍に叛逆することはできません。そんな花田を射殺することにも葛藤があるものの、易きにつく習性はどうしようもありませんでした。
日の果てのネタバレあらすじ:転
宇治たちが小部落に着くと、花田はかねてから親しくしていた日本人とフィリピン人のハーフの女性・チエ(島崎雪子)と暮らしていました。高城が問答無用で花田を殺そうとするのを宇治は一旦止めますが、旅の途中から調子の悪くなっていた宇治はそのまま倒れてしまいます。
命を奪いに来たというのに花田が熱心に自分の病気を治そうとする様子を見て、宇治は軍務を放棄することを決断。体の調子が良くなったら、花田たちと一緒に日本軍の支配の及ばない東海岸に向かうつもりになります。
日の果ての結末
ところが、チエが自分を殺そうと部屋に忍び込んできたことがキッカケで、宇治は彼女をレイプしてしまいます。宇治の告白でその事を知った花田は激しく嫉妬しますが、すぐに気を取り直し、チエと2人で彼女の故郷の村に向かうことにします。
気の良い花田は宇治も誘うものの、さすがに彼は拒否し、1人で東海岸に向かいます。高城もそれに同行しますが、途中で花田に出会ったために彼を射殺。怒りに駆られたチエが撃ち返します。
高城は撃たれながらも続けて彼女を撃って2人とも死亡。そして巻き添えを食った形で宇治も殺されてしまうのでした。
以上、映画「日の果て」のあらすじと結末でした。
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