メイキング・オブ・モータウンの紹介:2019年アメリカ,イギリス映画。デトロイト郊外の一軒家から世界の音楽を塗り替えた音楽レーベル<モータウン>。彼らは黒人差別、暴動や戦争など激動のアメリカでなぜ成功することができたのか?創設者ベリー・ゴーディが初めて許可を出した密着ドキュメンタリー。
監督: ベンジャミン・ターナー、ゲイブ・ターナー 出演:ベリー・ゴーディJr、スモーキー・ロビンソン、ジョン・レジェンド、エディ&プライアン・ホーランド、ドクター・ドレー、ニール・ヤング、ラオンド・ドジャー、ジェイミー・フォックス、マーサ・リーヴス、スティーヴィー・ワンダー、メアリー・ウィルソン、ヴァレリー・シンプソン、ジャクソンズ、オーティス・ウィリアムス、さム・スミス、ほか
映画「メイキング・オブ・モータウン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「メイキング・オブ・モータウン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
メイキングオブモータウンの予告編 動画
映画「メイキング・オブ・モータウン」解説
この解説記事には映画「メイキング・オブ・モータウン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
メイキングオブモータウンのネタバレあらすじ:起
ビートルズやローリング・ストーンズが憧れ、世界の音楽に影響を与え続けているモータウンは、180曲以上のナンバーワン・ヒットを生み出し、世界最高のアーティストたちが名前を連ねる業界史上最も有名な音楽レーベルです。
そのモータウンの創設者ベリー・ゴーディは2019年に引退をしました。密着取材は軽やかに始まります。
幼少期から上昇志向が強く、金儲けに余念がなかったゴーディは少年時代から黒人向け新聞の販売を行っていました。さまざまな職を経験したのち、ジャズを扱うレコードショップを開くことに。売れる音楽のコツをつかんでいきましたが、のちに倒産。その後、フォードの車工場に勤務することになりました。この工場で、ゴーディが目にした生産ラインが、後のモータウンのノウハウに大きく生かされることとなります。
そして、姉のつながりでジャッキー・ウィルソンに楽曲を提供したことで、音楽業界でのキャリアをスタートさせたゴーディでした。
メイキングオブモータウンのネタバレあらすじ:承
1959年。ゴーディは家族から借りた800ドルを軍資金にタムラ・レコードを設立。ヒッツヴィルUSAと名付け、モータウンの1歩を踏み出しました。ミシガン州デトロイトの西グランド通り2648番地の一軒家を購入し、そこを拠点に若者に向けたポップな音楽を発信。
マーヴ・ジョンソン『Come To Me』を第1号シングルとして発売した翌年には、バレット・ストロングのシングル『Money』で初の全国ヒット。「最初の10秒が勝負」というルールに則ったポップでキャッチーなメロディは瞬く間に知れ渡っていきました。
所属のアーティストはスティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、テンプテーションズ、ミラクルズ、ダイアナ・ロス&スプリームス、フォートップス、マーサ&ザ・ヴァンデラス、そしてジャクソン5など。名だたるアーティストたちが途切れることなく、ヒッツヴィルの門をたたきました。
メイキングオブモータウンのネタバレあらすじ:転
ゴーディはモータウンを設立するにあたって、組み立てラインを考えました。その仕組みとは、プロデュース、編曲、ダンスなど各工程を回ることでスターを誕生させる手法でした。これはフォード社の組み立てラインをベースにしており、まだ磨かれていない原石を掘り起こし一人前のスターに育てあげるプロセスでした。これはダンスやエチケットを含め徹底した管理体制を敷いた前例のない試みでした。
クオリティ・コントロールと呼ばれた品質管理会議では、ソングライターやプロデューサーたちの競争心を煽り、ブランドに磨きをかけていきました。
黒人差別や男女不平等が当たり前だった時代にも関わらず、社内においては黒人と白人が対等に議論をし、女性の意見でも正しい意見は次々に採用されました。モータウンは分断された社会をひとつにする力さえあったのです。
さらにゴーディはチームの拡大や革新をさせていきます。反戦など社会的なメッセージを含む楽曲を世に送り出したことで、キング牧師から称賛され、のちにネルソン・マンデラやオバマ元大統領も敬意を表すこととなりました。
メイキングオブモータウンの結末
60年代全盛期においては、ダイアナ・ロスがリード・シンガーを務めるスプリームス『愛はどこへ行ったの(Where Did Our Love Go)』が全米1位を獲得した際に、黒人女性として初めてエド・サリバン・ショーに出演を果たしました。
その後も次々とヒットを飛ばしていくゴーディでしたが、時にワンマンを指摘されたり、アーティストが離脱したりとトップならではの苦労や思い悩んだ日のことも語られます。
しかし、ゴーディは常に民主的で公平でした。
「どこにも才能ある人間はいるが、ベリーのようなリーダーはいない」当時モータウンのトップシンガーでありソングライターで、のちにモータウン・レコード社の副社長となったスモーキー・ロビンソンは語ります。
また、スティーヴィー・ワンダーはゴーディの人を見抜く眼力や、ポップへの理解に賛辞を送り、モータウンとはかけ離れた音楽性を持つドクター・ドレーのようなスターたちでさえ、モータウンが自分たちに与えた影響について誇らしげに語ります。
2019年、ベリーは引退しました。
現在、2階建ての一軒家、ヒッツヴィルUSAは今でもデトロイトのウエスト・グランド通り2648番地に佇み、博物館として世界中のファンを迎えています。
以上、映画「メイキング・オブ・モータウン」のあらすじと結末でした。
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