ハンガー:飽くなき食への道の紹介:2023年タイ映画。大衆食堂で働いていたオエイは、超高級料理を提供する“ハンガー”で働くうちの1人のトンからスカウトされ、高級料理の世界に足を踏み入れます。独創的でこだわりが非常に強いハンガーの料理長ポールの指導のもと、オエイは金持ちのために料理を振舞いながら、自分を見つめていく、タイ製作の映画です。
監督: シティシリ・モンコルシリ 出演: チュティモン・ジョンジャルーンスックジン(オエイ)、ノパチャイ・チャイヤナーム(ポール)、ガン・スワスティ(トン)、ブミバット・タウォンシリ(オー)、ほか
映画「ハンガー:飽くなき食への道」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハンガー:飽くなき食への道」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ハンガー:飽くなき食への道」解説
この解説記事には映画「ハンガー:飽くなき食への道」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハンガー:飽くなき食への道のネタバレあらすじ:起
超高級料理を提供するシェフチーム“ハンガー”の料理長ポール。独創的でこだわりが非常に強く、するどい眼差しでスタッフと厨房をスパルタ指導で管理します。
大衆食堂で働く女性オエイは、夢中になって中華鍋で次から次へと注文が入る料理をさばきます。そこに、ハンガーで働くトンがやってきて、オエイの料理の技術を評価。ここで働くには惜しい腕だと、ハンガーの名刺をオエイに渡します。
帰宅後、オエイは“ハンガー”と検索すると、有名なシェフが運営するレストランだと知り、ハンガーに足を運ぶことにします。オフィスに着くと、料理長のポールのもと、試験が行なわれます。オエイの他にも試験生がおり、彼がオエイのライバルです。
ポールから「カオパット(炒飯)を作れ」との指示が。すぐにそれぞれが料理に取り掛かり、オエイはシンプルなカオパットを作り、もう一人の試験生は見栄えがするカオパットを作ります。ポールシェフは、その試験生のカオパット食べずして「帰れ」と言いい、彼はしぶしぶ厨房を後にします。
オエイはポールシェフに志望の理由をきかれ、「特別な存在になりたい」と答えます。見事合格を手にしたオエイ。制服を着て笑顔をのぞかせます。オエイをスカウトしたトンは、ジュニアスーシェフ。オエイは肉を焼く担当を任されます。
超高級塊肉を切るようにポールから指示をされますが、オエイは上手に薄く切ることができず、ポールシェフに何度も怒鳴られます。その次は切った肉を中華鍋焼くように指示を出されますが、焼きすぎだと何回もやり直しをさせられます。
全然期待に応えてくれないオエイに対してポールは、「戻ってくるまでにできるようになれ」と言い、厨房を後にします。
オエイは涙を流します。そのまま制服を返し、帰ろうとしましたが、考え直したオエイは戻って、練習を再開します。そのままキッチンで夜を明かします。
そしてポールの目の前で練習の成果を披露。初めてオエイの焼いた肉を口にしたポールは何も言いませんでしたが、怒鳴りませんでした。オエイの腕はやけどだらけ。それでもポールが自分の焼いた肉を口にしてくれたことに笑みを浮かべます。
ハンガー:飽くなき食への道のネタバレあらすじ:承
政治家のパーティーにハンガー一同は出張レストランとして参加をします。そのパーティーにはレストランプロデューサーのトートも出席していました。トンいわく、ポールは彼の出資を断っているとのことで、あまりいい関係ではありません。
オエイはパーティー参加者の前で、たくさん練習した中華鍋で肉を焼く調理を披露。多くの人に拍手を受け、オエイは笑顔を見せます。すると、オエイの魅力に気づいたトートはすかさずオエイに近づき、名刺を渡します。
オエイはキラキラした金持ちの世界に慣れてしまい、大衆食堂の地味な仕事と環境に嫌気がさしてきます。オーが食べているものをキモいと言い、「食べ物は見た目が大事だ」と発言。一方オーは、「生きているために食べているんだ」と笑顔で反論します。
オエイはトンと一緒に食材調達に出かけます。トンが料理長から信頼されて様々な仕事を任さられていることに、オエイは尊敬のまなざしを彼に向けます。
厨房に戻ると、やることを指示されなかったオエイは、「焼くものはないか」とポールに訊ねます。すると、雑用を任されます。それを不服と思ったオエイは「私はジュニアスーシェフだ」と主張しますが、「焼き以外何もできないのに何様だ‼」とポールシェフに怒鳴られます。
オエイは最高級黒豚のステーキを家族に提供しますが、反応は微妙。それよりいつも食べている駄々っ子麺に心を踊らせながら食べている家族の様子を見て、オエイは複雑な気持ちになります。
お互いに料理を教えあうため、オエイはトンの自宅を訪れます。キッチンには高そうな熟成肉まで用意してあります。2人で料理していくうちに燃え上がり、恋に落ちます。
1人のスタッフが厨房でたばこを吸っているところをポールに目撃され、厳しく怒られます。その流れで、「この厨房には泥棒がいる」と熟成肉とフォグラを盗んだ人がいると指摘。ポールは申し出でるように訴えかけます。オエイはトンの自宅にあった高級肉は盗んだものなのではないかと冷え汗がとまりません。すると、トンではない者が、自分がやったと申し出ます。ポールはすぐさまその人物をクビにします。それが原因で人手が足りなくなり、オエンはスーシェフに任命されます。
今回の仕事場は金持ちのパーティーではなく、普通の民家にやってきて、夫婦と幼い娘がいる3人家族に料理をふるまいます。どことなく両親2人は人生に疲れている様子です。
用意してきたスープをポールが確認すると、急に「捨てろ!」と言って、家にあったインスタントスープを駆使して、即席で作り始めます。現場は異様な雰囲気です。
仕事が終わり厨房に戻ると、ポールはトンに、あのスープにエビ風味があったと怒りをぶつけます。実は、その娘は甲殻類アレルギーを持っていました。
身に覚えのなかったトンは困りはてます。そんな中、スタッフの中でベテランのデンが自分がやったと名乗り出ます。ポールは激しく彼を責め立てると、デンはナイフを手に取り、ポールのお腹に突き刺して立ち去ります。ポールは一命を取り留めます。
ハンガー:飽くなき食への道のネタバレあらすじ:転
オエイは祖母秘伝レシピの駄々っ子麺を、入院しているポールに差し入れをします。代々受け継がれているレシピのため愛がこもっていると説明すると、ポールは、愛を込めた料理など存在しないと否定し、「料理は愛ではなく動機だ」と言います。それをきっかけにポールは、料理人になった動機を話し始めます。
かつてポールの母親は家政婦をしており、少年ポールは金持ちの暮らしを見て育ちました。その時の経験から、貧しいものには権利がないことを学びます。
少年ポールは金持ちたちがおいしそうに食べているキャビアに興味を持ち、盗みます。それがバレ、雇い主はポールの母親を怒鳴りつけます。初めて食べたキャビアの味はまずかったと。そのことがきっかけで、「料理してほしい!」と金持ちたちがひざまずくシェフになることがポールの夢になります。
オエイの父親が倒れ、救急搬送されます。放置され、なかなか診てもらえないことに、オエイは焦りを感じます。
病院でオエイは、この前料理をふるまった3人家族が無理心中をして全員亡くなったことをニュースで知ります。
森の中で軍の幹部のために出張料理をするハンガーチーム。ゲストが仕留めた貴重な鳥サイチョウを調理することに。それは違法なことでした。そのことについてオエイがポールを責めると、「殺していない料理しているだけだ」と返されます。その考え方に呆れたオエイは辞めると宣言し森を後にします。
ハンガー:飽くなき食への道の結末
オエイはレストランプロデューサーのトートに連絡することに。そして、トートから、「世界一の美人シェフにする」と言われ、オエイが料理長となってレストランを開業することが決定します。
オエイはトンに一緒に働こうと誘いますが、「君の下で働くのは嫌だ」と断られてしまいます。
開業は順調な滑り出し。トンも独り立ちをしましたが、うまく行ってないようです。オエイとトンは一気に立場が逆転し、気まずい関係となり喧嘩に発展。「うまく行ってないのは渇望が足りないからだ」とオエイが伝えると、「ポールシェフみたいだね」とトンに言われてしまいます。
マダムミルキーの誕生日会で料理をする仕事をトートが入手します。そこでバズらせようと言われ、オエイは気合が入ります。そんな中、オーに「こっちに帰ってこい」と言われますが、今の仕事を優先する気持ちが変わることはありませんでした。
ポールがオエイのレストランにやってきます。そして、「大切なものはこれからどんどん失っていく、それが特別になるということだ」と言葉を残します。
マダムミルキーの誕生日会当日。ポールシェフも料理人として参加しています。マダムミルキーがポールに夢中な姿を見て、さらに闘争心が芽生えるオエイ。オエイの料理の評判は上々。すると、牛一頭を天井から吊り下げ、包丁で切るというパフォーマンスをポールは披露し、会場を湧かせます。
それに対してオエイは、思い出の味の駄々っ子麺を笑顔で作り、自分らしい料理を振舞います。
パーティーが盛り上がっている最中、突然警察がやってきて、ポールシェフに同行を要請します。すると、会場でスマホの通知がところどころで鳴り響き、ポールシェフが、軍の幹部にサイチョウを料理している動画が出回ります。さっきまでポールシェフのパフォーマンスで盛り上がっていた人々は、白い目で彼を見ます。そんな中、トートとトンがドヤ顔で警察に連れていかれるポールシェフを見送ります。
「ポールの時代は終わり君の時代だ」とオエイはトートに言われ動揺をします。ポールをはめて自分がトップになることにオエイは納得できず、この業界に絶望します。このことをきっかけに、オエイは家族が経営する大衆食堂に戻ることを決意します。父親から「おかえり」と優しく出迎えられ、オエイは父親の胸で涙を流します。
オエイはここの料理人になると宣言し、家族のために料理を振る舞って、この映画の幕は閉じます。
以上、映画「ハンガー:飽くなき食への道」のあらすじと結末でした。
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