アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダルの紹介:2017年アメリカ映画。1994年の冬季オリンピックを前にアメリカ代表金メダル有力候補のナンシー・ケリガンが襲撃されます。ライバルでアメリカ代表のトーニャ・ハーディングの元夫とボディガードが逮捕され、トーニャもその関与を疑われます。五輪を前に起こったスキャンダラスな事件は当時全米の話題になります。『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』はこの実話を元にした映画、2018年の冬季五輪を前に公開され批評家から好意的に受け取られ、興行的にも成功した映画です。トーニャの母を演じたアリソン・ジャネィはアカデミー助演女優賞を受賞しました。
監督:クレイグ・ギレスピー 出演: マーゴット・ロビー(トーニャ・ハーディング)、セバスチャン・スタン(ジェフ・ギルーリー)、ジュリアンヌ・ニコルソン(ダイアン・ローリンソン)、ボビー・カナヴェイル(マーティン・マドックス)、アリソン・ジャネイ(ラヴォナ・ハーディング)、ほか
映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アイトーニャ 史上最大のスキャンダルの予告編 動画
映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」解説
この解説記事には映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アイトーニャ 史上最大のスキャンダルのネタバレあらすじ:起・スケートを始めるトーニャと暴力的な親子、恋愛関係
映画の冒頭はトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)を始めとする映画の主要人物のインタビューで始まります。1970年代のアメリカ、ポートランド、4歳のトーニャは母親ラヴォナ(アリソン・ジャネィ)に連れられ、ダイアン(ジュリアンヌ・ニコルソン)のスケート教室に行きます。スケートを習いたいという、親子にダイアンは初心者は教えられないと当惑し断ります。しかし、しつこい親子に根負けしダイアンはレッスンを始めます。トーニャはまたたく間にスケートの才能をみせます。トーニャがスケートリンクでおもらしをすると母親は暴力をふるい、母の暴力はその後も続きます。トーニャは成長するにつれますます、スケートの才能を開花させます。大好きな父は離婚し、トーニャを去ります。貧困家庭の親子は手作りの衣装でフィギュアスケートを続けます。15歳のトーニャはジェフ(セバスチャン・スタン)と交際を始めます。トーニャはジェフの暴力にも悩みます。トーニャも銃でジェフを襲撃しますが、彼と交際を続けます。母親はジェフが気に入りませんが、トーニャはそんな母の態度に反発します。
アイトーニャ 史上最大のスキャンダルのネタバレあらすじ:承・トリプルアクセルの成功と1992年五輪の敗退
トーニャは大会で高得点が挙げられず、それを審判の責任にします。母はトーニャへの怒りから暴力をふるいナイフを投げるようなことまでします。トーニャは母から逃れるためにジェフと同棲し、楽しい生活をします。しかし、トーニャは相変わらず試合に勝てないのを審判のせいにし文句をいいます、ダイアンはトーニャにアドバイスしますが、トーニャは怒りからスケートを投げダイアンを解雇します。トーニャはジェフと結婚しますが、母は幸せそうでなくトーニャに文句を言います。1991年の大会で母はトーニャに野次を飛ばす男に金をわたします。それにもかかわらず、トーニャはトリプルアクセルを成功させ、審判は高得点をつけます。トーニャはトリプルアクセル成功後にスターになります。スターになったトーニャはジェフを邪魔者あつかいします。ジェフは家庭内で暴力をふるい、トーニャは逃げ出します。ジェフはトーニャを追いかけ回し、再び暮らし始めます。1992年のオリンピックでトーニャは着地に失敗し、4位に終わります。ライバルのナンシー・ケリガンは銅メダルを獲得します。
アイトーニャ 史上最大のスキャンダルのネタバレあらすじ:転・ナンシー・ケリガン襲撃事件
オリンピック後、ジェフの暴力からトーニャは正式に離婚します。ジェフは離婚後もストーカー行為を繰り返し、警察に逮捕されます。トーニャはスケートを諦めレストランで働きますが、ダイアンが訪れます。ダイアンから1994年の冬季五輪を目指したらといわれ、トーニャはスケートを再開します。しかし、大会に参加しても審判に文句を言う悪い癖は抜けません。トーニャは母を訪れても口喧嘩し、仲直りできません、トーニャはなぜかジェフを訪れ再び暮らし始めます。ある日、トーニャは脅迫状をうけとります。ジェフはトーニャのライバルのケリガンにも同じことができると考えます。ジェフは脅迫状送付でケリガンに心理的ダメージを与えることを考えましたが、ジェフの友達のショーンはケリガンを襲い怪我をさせる計画を立てます。トレーニング中のケリガンは、ショーンのグループに襲われます。テレビのニュースでトーニャとジェフはケリガン襲撃をみて驚きます。ショーンと襲撃実行グループは逮捕されます。トーニャとジェフはFBIに尋問されますが関与は否定、結局ジェフだけが逮捕されます。後のFBIの調査ではジェフはトーニャも計画に関与と証言し、実際トーニャが手書きでケリガンのトレーニング場所を書いたメモが見つかります。トーニャはマスコミから関与を疑われ、大騒動になりますが冬季五輪アメリカ代表に選ばれます。
アイトーニャ 史上最大のスキャンダルの結末:五輪でのケリガンとの対決、トーニャのその後
疑惑と大騒動の中、トーニャは1994年のオリンピックに出場します。五輪の本番になると、トーニャはスケートの紐が切れたと審判に泣き叫びます。トーニャは再挑戦が認められましたが、8位に終わり銀メダルのケリガンに敗退します。トーニャはケリガンの銀メダルに不満な顔を馬鹿にします。アメリカに帰国したトーニャに裁判所からスケート界からの追放処分が下されます。トーニャはスケート以外なにも知らない自分の今後は?と抗議しますが、聞き入られません。トーニャはその後、暴力が自分の道とボクサーに転向します。映画の最後で、登場人物のその後が字幕で流れます。トーニャの母はトーニャとコンタクトもない状態、ジェフは名前を変え別の女性と結婚しトーニャとは会っていない状態、トーニャはボクサー引退後は多くの仕事を転々、現在一児の母で良い母であるということを知ってもらいたい、ということです。
以上『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のあらすじと結末でした。
「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」感想・レビュー
-
トーニャの母親の「鬼…!」と言いたくなるスパルタさがすごい。ガラスの仮面を思い出すような超スポコンです。貧しい者はフィギュアスケートの世界に行ってはいけなかったというような時代で、トーニャは地を這いながら栄光を手にしていきます。煌びやかなイメージの強いフィギュアスケートとは裏腹に、あまりにも泥臭い迫力のある映画になっています。
本作はフィギアスケートの実態やメディアリテラシーを考えさせられる作品になっています。小さいころから貧乏で暴力によって育てられたトーニャは、世間で評価される自分と普段の自分の間で非常に苦しめられます。技術がすぐれているからオリンピックの代表に選ばれられるわけではなく、その私生活まで自国らしさをつきつけられるトーニャの苦しみや怒りが伝わってくる一作です。