抱きしめたいの紹介:1978年アメリカ映画。その後ビデオ化されたが、DVD化は長年スルーだったためにファンの間で幻の作品と呼ばれていた傑作コメディ。メガホンを取るのは、これが初監督となる「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのロバート・ゼメキス。さらに制作総指揮はスティーヴン・スピルバーグという豪華な顔ぶれ。1964年、アメリカを席巻したビートルズ旋風。生放送のテレビ番組「エド・サリバン・ショー」のビートルズ・ライブを見るため、ニュージャージーの田舎町に住む若者6人がニューヨークへと向かう。個性もビートルズへの想いもバラバラな6人が巻き起こす騒動は、笑いとドキドキと青春がいっぱい。数あるビートルズ映画の中でも、ベストと呼べる一作。
監督:ロバート・ゼメキス 出演者:ナンシー・アレン(パム)、ウェンディ・ジョー・スパーバー(ロージー)、テレサ・サルダナ(グレース)、スーザン・ケンダル・ニューマン(ジャニス)、マーク・マクル―ア(ラリー)、ボビー・ディ・シッコ(トニー)、エディ・ディーゼン(リチャード)、クリスチャン・ジャトナー(ピーター)、ウィル・ジョーダン(エド・サリバン)ほか
映画「抱きしめたい」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「抱きしめたい」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
抱きしめたいの予告編 動画
映画「抱きしめたい」解説
この解説記事には映画「抱きしめたい」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
抱きしめたいのネタバレあらすじ:起
1964年2月8日。ニューヨーク・CBSスタジオのスタッフ陣は、翌日の生放送「エド・サリバン・ショー」の準備に追われていました。ゲストは、イギリスから初上陸したビートルズ。町のレコード店は、彼らのニューアルバムを買い求める熱狂的な女性ファンで大混雑です。ニュージャージーに住む高校生、ロージーもその1人。ポール・マッカートニーを心から愛する彼女は、携帯ラジオから流れる音楽番組に耳を傾けます。
番組DJが出題するビートルズ・クイズに正解するともらえる、今夜のエド・サリバン・ショーの入場券。なんとしても入場券をゲットしようと、ロージーは何度もラジオ局に電話しますが失敗。そんな必死のロージーですが、友達のパムとグレースとジャニスはビートルズにいまいち興味ナシ。大人びたパムは今夜、恋人と駆け落ちして町を出るつもりなので気もそぞろ。グレースはスクープカメラマン志望で、ビートルズの写真を撮れば有名になれると息巻いており、硬派なジャニスに至っては、ミーハーなイメージもあるビートルズのことが大嫌いです。
ビートルズの写真を撮るためニューヨーク行きを切望するグレースは、クラスメイトで葬儀屋の息子ラリーに接近。ラリーに父親の遺体運搬用リムジンを盗ませ、ニューヨークまで運転を頼もうと企みます。密かにグレースに魅かれていた内気なラリーはあっさりOK。その夜、ロージーとグレース、そしてパムにジャニス、さらにラリーの友人トニーも加わり、無免許のラリーが運転するリムジンでニューヨークへと出発します。
抱きしめたいのネタバレあらすじ:承
ラリーのぐだぐだの運転で、ニューヨークに着いたのは翌朝。ビートルズの宿泊するホテル前はすでにファン達でいっぱいです。ロージー、パム、グレースの3人だけがホテル潜入に成功しますが、ロビーではぐれてそれぞれ別行動に。グレースは警官につかまりホテルを追い出され、ロージーは空き部屋に無断で泊まり込んでいるビートルズ狂の青年リチャードと知り合います。ロージーとリチャードは意気投合しますが、やはり警官に見つかりホテルから追放。
一方パムは、警官に追われてルームサービスのカートに身を隠します。現れたボーイがカートを階上に運ぶと、なんとそこはビートルズの宿泊部屋。4人は外出中で誰もいません。パムは驚きと感激のあまり、置かれたギターを抱きしめて倒れてしまいます。
同じ頃、ホテルの外にいたジャニスとトニーは、ビートルズファンの少年ピーターと知り合います。ピーターはエド・サリバン・ショーの入場券を3枚持っていましたが、ビートルズ嫌いの父親に奪われていました。父親はピーターに、ビートルズと同じ髪型をやめれば入場券を返してやると言ったのです。その話を聞いたジャニスとトニーは、ピーターを助ける計画を立てます。
ラリーと一緒に行動していたグレースは、こっそりCBSスタジオに忍び込みます。そこにいた警備員の男は50ドル渡せばスタジオに入れてやると言い、グレースは困り果てます。一方、ビートルズの部屋の中で夢のようなひとときを過ごしていたパムは、部屋に戻って来た4人の姿を見て気が動転。慌ててベッドの下に逃げ込んだまま気絶します。
抱きしめたいのネタバレあらすじ:転
グレースは50ドルを捻出するため、「ビートルズが使ったシーツ」というニセ商品を売ろうとして失敗。落ち込んでホテルのバーに座っていると、1人の宿泊客の男が売春婦を頼んでいる会話が聞こえてきました。グレースは、自分が代わりに男の部屋へ行って50ドル稼ごうと決心します。
ビートルズの部屋から出されたパムは、マスコミに晒されてインタビューを受けます。ニュージャージーからパムを迎えに来た恋人は完全に呆れ顔。再びホテルに忍び込んだロージーは、ラジオ番組のクイズに正解。ついにケットを2枚ゲットしますが、リチャードと一緒に故障したエレベーターの中に閉じ込められます。宿泊客の男の部屋へ忍び込んだグレースは、やって来た売春婦と男の現場をとっさに激写して脅迫。50ドルを手にしますが逆に襲われ、ラリーに助けられて逃げ出します。
一方ピーターは父親に捕まり、床屋で髪を切られるはめに。そこへジャニスとトニーが乱入してピーターを救出。父親のコートから入場券を盗みます。パムはしぶしぶ恋人の車に乗り、ニュージャージーへ帰ろうとします。しかし、ビートルズとの遭遇事件が彼女を変えていました。パムは恋人に別れを告げ、ビートルズのマネージャーにもらった入場券を握りしめスタジオへと駆け出します。
こうして入場券を手に入れたパム、ジャニス、トニー、ピーターが会場で合流。そこへ無事にエレベーターから脱出したロージーとリチャードも現れます。
抱きしめたいの結末
50ドルを手に入れたグレースは、スタジオの裏で警備員を呼び出します。しかし、無免許のラリーが警官に捕まったのを見て、スタジオに入ることを諦め、無免許の口止め料として警官に50ドル手渡します。スタジオ内では、ビートルズのライブが始まろうとしています。ビートルズのせいでアメリカ男が不利になると考えていたトニーは、なんとか放送を阻止しようとしますがジャニスに説得されて断念。エド・サリバンがビートルズをステージに呼び、ついに名曲She Loves Youがプレイされます。
会場のファンは大絶叫。ポールの姿を見たロージーはその場で失神します。パムもジャニスもステージ上の生ビートルズに大感激。しかしスタジオ裏の暗闇の中では、ライブを見ることができなかったグレースとラリーがリムジンの中で落胆していました。自分を責めるラリーでしたが、グレースは優しく、金曜のダンスパーティに行こうと誘います。ラリーが大喜びしていると、そこへ見知らぬ男達が現れ突然リムジンに乗り込んできます。
グレースとラリーは彼らの顔を見てびっくり。それはライブを終えてスタジオから飛び出してきたビートルズの4人でした。追っかけファン達の多さに慌てたマネージャーは、グレースとラリーに「車を出してくれ」と頼みます。ラリーは急いで車を出し、興奮したグレースが4人にカメラを向けました。ビートルズの姿を追う大勢のファン達が、走り去るラリーのリムジンを見て悲鳴をあげます。ロージー達も名残惜しそうに車を目で追いますが、リムジンがニュージャージー・ナンバーなのに気づいて、「まさか…?」と首をかしげます。
以上、映画「抱きしめたい」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する