ある用務員の紹介:2020年日本映画。とある高校で働く用務員の男、その男の裏の顔は育ての親に命じられてその高校に通う娘を守るためのボディガードでした。やがて娘を狙う殺し屋集団と激しい死闘を繰り広げることになります。パワフルでバイオレンスなシーンが満載の作品です。
監督:阪元裕吾 出演:福士誠治(深見晃)、芋生悠(真島唯)、前野朋哉(本田)、山路和弘(真島)、渡辺哲(源さん)、髙石あかり(リカ)、伊澤彩織(シホ)、ほか
映画「ある用務員」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ある用務員」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ある用務員の予告編 動画
映画「ある用務員」解説
この解説記事には映画「ある用務員」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ある用務員のネタバレあらすじ:起
少年時代、深見晃は父親の光男を何者かに殺されて、光男の兄弟分だった真島善喜に面倒を見てもらい大きくなりました。そして晃はとある高校の用務員として働いています。
真島の娘である唯がその高校に通っていました。
ある日、幼なじみの翔太と下校していた唯を、真島が車で迎えにやってきます。母親を亡くし今は父親の真島と暮らす唯でしたが、懸命に残された肉親である唯を守ろうとする真島の気持ちとは裏腹に、勝手に考えを押し付けてくる真島に唯は不満を感じていました。
用務員として働く晃には裏の顔がありました。夜の路上でターゲットからメモリースティックを回収し射殺する晃。殺し屋として真島のために動いていた晃は、真島に命じられて唯の学校に用務員として潜入し、唯を見守るボディガード役をしていたのです。
真島は幼い頃から晃を息子として育て、とても可愛がっていました。そんなある日、真島の元に気性の荒いヤクザの親分の西森と護衛の村野がやってきます。真島は自らのグループ拡大のため海外に進出しようという計画を話し、西森にはそのためにヤクザの看板を下ろすように伝えました。
ある用務員のネタバレあらすじ:承
しかし、西森はそれが気に入らず自分たちを切り捨てようとする真島が疎ましくなってきたのです。そしてガードの固い真島を殺すには晃を使うのが1番だと考えた西森は、晃と接触し晃の父親である光男を殺したのは本当は真島なんだと話し、親の敵は子が討つものだと晃を唆し始めたのです。晃は西森の言葉に酷く動揺しますが、結局西森の言葉に乗せられてしまうのです。
護衛を倒し真島の前に現れた晃。真実を問い正す晃に真島は、自分が光男を殺した事を白状しました。命のやり取りをして行った結果で仕方のないことだと話す真島、親の敵を子が討つのは道理で覚悟はできてるといいます。しかし、自分が殺されると唯が狙われる、唯を守ってくれるなら殺されても構わないと話しました。
晃が戸惑っていると、予め西森が止めを刺すように命じていた村野が現れ、真島を撃ちます。晃はキレて村野を撃ち殺しました。村野の銃撃で重症を負った真島は、唯を晃に託すと晃に止め刺すように言います。晃は泣きながら育ての親を撃ち殺しました。
西森は、真島の愛人の子供で次期後継者である本田を拉致して連れてこさせます。本田も殺し、さらに実権を強くしようと考えていた西森でしたが、本田はいつか西森に襲われる事を察知し、事前に準備していました。返り討ちにあった西森は殺されてしまいます。
ある用務員のネタバレあらすじ:転
そして本田のターゲットは、真島の遺産がある金庫の鍵の生体認証を持つ唯に向かいました。同時に、後継者争いのライバルとなる晃の存在を消すため、決着の場を晃や唯のいる高校を選んだのです。
本田は老スナイパーの源さん、青柳と斎藤のヤンキー二人組、シホとリカの女子高生、黒田と湯布院、シリアルキラーの南の8名の殺し屋を招集し、徹底的にやるつもりです。
南がいきなり関係ない者から殺し始めます。殺し屋たちが揃い、やがて晃も唯を守るため学校にやってきました。晃はまずは見境なく殺しまくる南を始末し、青柳と斎藤も始末していきます。源さんに射撃され負傷しながらも泣きじゃくる唯を見つけ、落ち着かせながら今起こっている事を冷静に説明します。
ここで唯はこれまで用務員だった青柳が父の回し者だった事を知りました。晃は唯に必ず守るから信用してほしいと話します。そこにシホとリカが現れ、追い詰められていく唯と晃、晃が懸命に戦い返り討ちにしました。
未だ信用が出来ないと話す唯に晃は、死んだ真島に唯を守るよう最後に告げられた事を話します。そして自分が真島を殺したんだと話そうとした時、黒田と湯布院が現れます。晃は負傷した体ながら黒田と湯布院を倒しました。
ある用務員の結末
その頃、本田はもたつく部下たちと源さんを始末し、自らが唯を始末に向かい、やがて晃を追い詰めていきます。本田は何不自由なく真島の愛を全面に受けていた唯を恨んでいました。それこそが唯を狙う理由だったのです。
そしてその悪の手が唯に向かおうとしたその時、瀕死の晃が本田を撃ちました。本田はその場に崩れ落ちます。唯は晃に駆け寄り運ぼうとしますが、晃はもう助かりそうにありません。
晃は唯に銃を渡し、自らを撃つように指示します。迷うことはない、父を殺したのは俺だ…そう告げる晃に、私はあなたとは違う、絶対に普通に生きていくんだ、と渡された銃を返しました。
ああこんな生き方もあったんだ、と晃は気付かされます。ならこんな自分は絶対に唯といてはいけない…「これからは一人で生きていくんだ」そう告げて晃は唯を一人で行かせました。
唯が去った後、晃は用務員として唯と過ごした日々を思い出していました。タバコを吸おうとしますが、もうそんな力も残っていません。「ついてないなあ」力尽きるその前に晃は呟きました。
以上、映画「ある用務員」のあらすじと結末でした。
「ヤクザの娘を狙う暗殺者vs用務員に身をやつしたボディガード」という日本ではあまり見かけないタイプのアクション映画ではあるが、舞台を「学校」に限定したことで緊迫感が増していて、「日常の中の非日常」が巧く表現されている。