時代屋の女房の紹介:1983年日本映画。直木賞を受賞した村松友視の同名小説を映画化した作品。ある日謎の美女が骨董品店「時代屋」にふらりと迷い込んできた。美女に一目ぼれしてしまった店主安さんは彼女との同棲を開始しますが、美女はなにか秘密を抱えているようで…。渡瀬恒彦と夏目雅子の共演で話題を呼んだ恋愛映画です。
監督:森崎東 出演者:渡瀬恒彦(安さん)、夏目雅子(真弓/美郷)、沖田浩之(若者)、名古屋章(平野旅館主人)、藤田弓子(トン吉のおかみ)、朝丘雪路(菊池松江)、津川雅彦(サンライズのマスター)、ほか
映画「時代屋の女房(1983年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「時代屋の女房(1983年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
時代屋の女房の予告編 動画
映画「時代屋の女房(1983年)」解説
この解説記事には映画「時代屋の女房(1983年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
時代屋の女房のネタバレあらすじ:起
東京の片隅に佇む骨董品店 時代屋。ある日、野良猫を連れた若い美女(夏目雅子)がこの店に迷い込んできました。店主の安さん(渡瀬恒彦)は美女に一目ぼれ、二人は勢いに任せて関係を持ちました。そしてその日から一緒に暮らすことになりました。
美女の名は真弓といい、野良猫にはあぶさんと名付けました。真弓は働き者で家庭的な女性ですが、時折行く先も告げずに外泊して何日も帰ってこないことがありました。真弓の素性を知らない安さんは不安になり、馴染みの居酒屋トン吉で知人の喫茶店のマスターらに愚痴をこぼします。
数日後、何もなかったように真弓がひょっこりと帰ってきます。安さんは何も聞かずに真弓を受け入れました。ある日、安さんの父の後妻である菊池松江(朝丘雪路)が店にやってきて、父親が危篤であることを知らせます。病院に来るよう頼まれた安さんでしたが、父とは長らく不仲であり、この申し出を断りました。
時代屋の女房のネタバレあらすじ:承
安さんと真弓が夕飯を食べていたある晩のこと。時代屋の前に若い男が立って、店の中の様子を伺っています。若い男に気付いた真弓はちょっと外へ出てくると言い、その日はそのまま帰ってきませんでした。安さんは真弓と若い男がただならぬ関係であることを見抜きます。
数日後、安さんが銭湯から出てくると、そこに真弓が立っていました。安さんはまた今度も何も聞けないまま、真弓を連れて帰宅します。しかし数日後、真弓がまた姿を消します。店のテープレコーダーには「お酒をあまり飲みすぎないように、さようなら」と吹き込まれていました。安さんは今度こそ真弓が帰ってこないのではないかと不安を募らせます。
安さんは父の見舞いに行き、松江と取り留めのない話をします。安さんは松江に看病をしてもらった少年時代の淡い思い出を回想し、すこし感傷的になります。
ある晩、トン吉で飲んでいた安さんは東北なまりのある若い女 美郷に出会い、一夜を共にします。美郷は真弓によく似ていました。翌朝、安さんは故郷で結婚することが決まっているという美郷を駅まで見送りに行きます。
時代屋の女房のネタバレあらすじ:転
マスターは真弓から電話で「覗きからくりを売って貰える?と安さんに伝えて欲しい」と頼まれます。それは安さんが真弓と盛岡へ旅行に行った際に宿泊した旅館で目にし、一目惚れした見世物小屋の道具でした。この時、安さんは覗きからくりとともに南部鉄器を譲ってもらおうと旅館の店主に掛け合いましたが、叶いませんでした。
安さんは真弓は今盛岡にいるのではないかと考え始めます。そして店をたたみ、知人を頼って小樽へ渡るというマスターを車に乗せて、盛岡へと急行します。しかし旅館では真弓に会うことはできませんでした。さらに安さんを訪ねてきた美郷の婚約者 鈴木健一からは「あなたのせいで結婚がダメになった」と恨み言を言われます。
結局、その夜はマスターや健一らと飲み明かしました。翌日、小樽へ行くマスターを駅まで見送り、覗きからくりを譲ってもらった安さんは一人東京へと戻ります。
時代屋の女房の結末
東京へ戻ってきた安さんは、以前真弓を訪ねてきた若い男から話しかけられます。若い男は母親を亡くし、自暴自棄になっていたところを真弓に声を掛けられて慰めてもらったこと、さらに真弓の優しさに甘え、自分勝手に振り回してしまったことを打ち明けます。
店に戻ってくると松江が安さんの帰りを待っていました。安さんは父が息を引き取ったことを知ります。可愛がっていたあぶさんも姿を消してしまい、猫にも見捨てられたかと嘆く安さんでしたが、ある日、家へ帰ってくるとあぶさんが二階の窓から飛び込んできました。
窓を開けた安さんは、歩道橋から手を振ってこっちに向かってくる真弓の姿を目にします。真弓は安さんが欲しがっていた南部鉄器をしっかりと腕に提げていました。
以上、映画「時代屋の女房」のあらすじと結末でした。
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