ジョジョ・ラビットの紹介:2019年ドイツ,アメリカ映画。第二次世界大戦下のドイツ。母ロージーとふたりで暮らす10歳の少年ジョジョは空想上の友達アドルフ・ヒトラーの助けを借りて、青少年集団ヒトラーユーゲントの立派な兵士になろうと奮闘していた。しかし、訓練でウサギを殺すこともできない心優しいジョジョ。教官から“ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられてしまった。そんな中、ジョジョは隠し部屋にユダヤ人の少女エルサが匿われていることに気付く。恐る恐る言葉をかけ、母親に内緒でやりとりを始め、アドルフの目を気にしながらも強い精神力を持ったエルサに少しずつ恋心を抱いていく。戦争への皮肉をユーモアたっぷりのハートフルなコメディにして、困難な環境の中でも希望を失わない人々の物語。
監督: タイカ・ワイティティ 出演:ローマン・グリフィン・デイビス(ジョジョ)、トーマシン・マッケンジー(エルサ)、タイカ・ワイティティ(アドルフ)、レベル・ウィルソン(ミス・ラーム)、スティーブン・マーチャント(ディエルツ大尉)、アルフィー・アレン(フィンケル)、サム・ロックウェル(クレンツェンドルフ大尉)、スカーレット・ヨハンソン(ロージー)ほか
映画「ジョジョ・ラビット」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ジョジョ・ラビット」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ジョジョ・ラビットの予告編 動画
映画「ジョジョ・ラビット」解説
この解説記事には映画「ジョジョ・ラビット」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ジョジョ・ラビットのネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦下のドイツ。
母ロージー(スカーレット・ヨハンソン)と二人で暮らす10歳のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は、今日からはじまる青少年集団ヒトラーユーゲントの合宿に参加するために朝から緊張していました。
「僕には無理かも…」弱音を吐くジョジョ。そこへ登場したのは“空想上の友達”アドルフ(タイカ・ワイティティ)。「お前はひ弱だがナチスへの忠誠心はピカイチだ」と励まされたジョジョは、気を取り直して合宿へ出かけました。
合宿にてジョジョたち青少年を待っていたのは、戦争で片目を失ったクレンツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル)や、ミス・ラーム教官(レベル・ウィルソン)などの指導による、ハードな戦闘訓練でした。
なんとか初日を終えへとへとになり、唯一の実在する友達ヨーキー(アーチー・イェーツ)とテントで眠りにつきました。
ジョジョ・ラビットのネタバレあらすじ:承
合宿2日目、事件は起こります。
命令通りにウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から臆病者だとバカにされ“ジョジョ・ラビット”と不名誉なあだ名を付けられてしまいました。
堪えられず森の奥へ逃げ出し、泣いていたジョジョ。いつものように登場したアドルフから「ウサギは勇敢でずる賢くて強い」と激励されました。元気を取り戻したジョジョは張り切って訓練に参加しましたが、失敗して大けがを負ってしまいました。
ジョジョのケガを見た母ロージーはユーゲントの事務所へ抗議に行き、ジョジョはしばらくの間クレンツェンドルフ大尉の指導のもと、奉仕活動を行うことになりました。
その日、帰宅したジョジョは亡くなった姉インゲの部屋で隠し扉を発見します。恐る恐る扉を開くと、中にはユダヤ人の少女が匿われていました。少女はエルサ(トーマシン・マッケンジー)と名乗り、ロージーに招かれここ至った経緯を話し出しました。エルサは「通報すれば私の協力者だと言うわ。全員死刑よ」と脅すのでした。
ジョジョ・ラビットのネタバレあらすじ:転
そんなエルサにパニックに陥るジョンでしたが、考えた挙句、エルサにユダヤ人の秘密を全部話すという条件と引き換えに住むことを許すと持ち掛けます。エルサから聞いたことをまとめて本にするというアイディアを思いついたのです。
それ以来、母には内緒でエルサによるユダヤ人講義が始まりました。聡明で教養とユーモアがあるエルサに次第に惹かれていくジョジョ。婚約者ネイサンがいるということを知ると、ネイサンのふりをして手紙を書き、隠し部屋に向かって読み上げるなどして、彼女を励ましたりもしました。
ジョジョは、ユダヤ人は下等な悪魔だと教わったヒトラーユーゲントの教えが、事実と異なることにも気付き始めます。
そんな中、秘密警察のディエルツ大尉(スティーブン・マーチャント)が部下を引き連れて突然ジョジョの家の家宅捜索に訪れました。緊迫した空気の中、エルサが堂々と現れて、ジョジョの亡くなった姉インゲに成りすましてその場はなんとか切り抜けることができました。
ところが、広場で絞首刑にされていた数人の中にいたのは…なんと母ロージーでした。ジョジョは涙が止まりませんでした。
ジョジョ・ラビットの結末
ドイツ劣勢の戦火の中、走って逃げるジョジョ。捕虜として捕まっているクレンツェンドルフ大尉を見つけて近寄ると、大尉はお別れの言葉もないまま突然ジョジョの制服のジャケットを脱がし、「ユダヤ人め!!」と罵りわざと突き放しました。
引き離されたジョジョの背後で響く銃声。クレンツェンドル大尉は銃殺されてしまいました。
ドイツ軍はなすすべもなく、戦争に幕が下ろされました。
しかしジョジョはエルサと離れたくない気持ちから、ドイツが勝ったと嘘をつきます。
再び、ネイサンからの偽の手紙を読み上げると、エルサからすでにネイサンが亡くなっている事実を知らされます。しかし元気付けてくれたジョジョに感謝を伝えたエルサ。ジョジョは告白しますが「弟として愛している」と返答されます。
エルサを表に連れ出したジョジョ。
ふたりは見つめ合い、ゆっくり踊り出すのでした。
以上、映画「ジョジョ・ラビット」のあらすじと結末でした。
「ジョジョ・ラビット」感想・レビュー
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コミカルにナチの闇深い部分にフォーカスした映画
幼いながらにヒトラーに陶酔した少年が、母親が家の隠し部屋で匿っていた少女と出会い、変わっていく様子が描かれる
母親の愛が深く、少女とのやり取りだけでなくその母親の愛情も少年の変化に影響を与えていたのではないかなと個人的には思う
狂ってるだけと見せかけて割と良いヤツだった大尉やとても純粋な友人と惹かれるキャラクターが多いのも魅力な映画
心の中にイマジナリーフレンドを持つほどにヒトラーに陶酔したユーゲントの少年がエルサとの出会いをきっかけに価値観の変容を遂げていく様に胸を打たれる。
ヒトラーを題材にした作品で最近はコミカルなものが多いですが、その中でもポップさを保ちながらも、メッセージ性の強さを感じる映画です。