ジョゼと虎と魚たちの紹介:2020年韓国映画。日本で2度映画化された(2003年の実写版、2020年のアニメ版)、田辺聖子原作の同名小説を韓国でリメイクしたラブストーリーです。舞台を韓国に置き換え、足の不自由な女性と心優しき大学生の純愛を四季が織りなす美しい映像を交えて描きます。
監督:キム・ジョングァン 出演者:ハン・ジミン(ジョゼ)、ナム・ジュヒョク(イ・ヨンソク)、ホ・ジン(タボク)、パク・イェジン(ヘソン)、チョ・ボクレ(チョルホ)、イ・ソヒ(スギョン)、イ・ソンウク(チェ・ギョン)、キム・グムスン(ヒョンナム)、チャン・セウォン(サンジュン)、ユン・ヘリ(ヒヨン)、ユ・ヨンヒョン(ソンウ)、チョン・イソ(ナヨン)、キム・スンビ(スビン)、ソル・チャンヒ(ヒョンヨン)、キム・ヒョンスク(スーパーおばあちゃん)、シム・ワンジュン(ヘソンの彼氏)、オ・ソヒョン(ダンキン店員)、チャン・セファン(カフェ新入アルバイト)、ヤン・テクホ(カーセンタースタッフ)、パク・ソギョン(ジョゼ(幼少期))、キム・ハオン(チョルホ(幼少期))、キム・スボク(古本屋の主人)ほか
映画「ジョゼと虎と魚たち(韓国版)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ジョゼと虎と魚たち(韓国版)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ジョゼと虎と魚たちの予告編 動画
映画「ジョゼと虎と魚たち(韓国版)」解説
この解説記事には映画「ジョゼと虎と魚たち(韓国版)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ジョゼと虎と魚たちのネタバレあらすじ:起
韓国。ある日、卒業を間近に控えた大学生のイ・ヨンソク(ナム・ジュヒョク)は道端で車椅子の女性が倒れているのを発見しました。車椅子が壊れていたため、ヨンソクは近くの雑貨屋でリヤカーを借り、女性を自宅まで送り届けました。
ジョゼ(ハン・ジミン)と名乗るこの女性は足が不自由で、祖母と二人暮らしでした。ジョゼは助けてくれたお礼にヨンソクに料理を振る舞いました。
ヨンソクは既婚者である大学の女性教授と関係を持っていました。そんなある日、ヨンソクはジョゼの祖母が粗大ゴミを漁っているのを見つけ、手伝いをすることにしました。ジョゼと祖母は廃品回収で生計を立てているのです。ヨンソクはお礼としてジョゼから再び食事を振る舞われました。
ジョゼはほとんど家の外に出ない引き籠り生活を送っており、祖母が拾ってきた古本を読むことが何よりの愉しみでした。ジョゼは両親は1986年にベルリンで出会い、翌年に自分がブダペストで生まれたとヨンソクに話しました。
ヨンソクのアルバイト先であるコーヒーショップに大学の後輩であるスギョン(イ・ソヒ)が訪ねてきました。ボランティアで高齢者や身障者の世話をする活動をしているスギョンはジョゼとその祖母の話に興味を示しました。その後、ヨンソクはスギョンの下宿で彼女と関係を持とうとしましたが、スギョンは壁が薄いことを口実に断りました。
ジョゼと虎と魚たちのネタバレあらすじ:承
ヨンソクはバイト先でもらったスパムを持ってジョゼの家を訪れました。ジョゼからスパム料理を振る舞われたヨンソクは車椅子を直してくれるよう依頼されました。いつしかヨンソクはジョゼに惹かれていきました。
ヨンソクはジョゼに連絡先を教えました。やがてジョゼから連絡を受けたヨンソクは「ブラームスはお好き」という本を買ってくるよう頼まれ、喜び勇んで買いに行きました。実はジョゼが初めてヨンソクに逢った日、彼女はこの「ブラームスはお好き」を買いに行こうとしていたのであり、“ジョゼ”という名もフランソワーズ・サガンの小説の登場人物の名前から取ったものでした。
ある時、ヨンソクはジョゼに頼まれ、自動車修理工場に勤めるジョゼの幼馴染のチョルホ(チョ・ボクレ)に会いました。実はジョゼは孤児院育ちであり、チョルホは孤児院時代からの仲間だったのです。
ジョゼは2歳の時に東仁川(トンインチョン)の交番の前で捨てられて施設に入っていました。しかし施設長と折り合いが悪く、衝突ばかり繰り返していました。10歳の時にジョゼは施設長の食事に殺虫剤を入れて、足が不自由にもかかわらず逃げたのだそうです。
逃げたジョゼは血のつながりがない祖母にかくまわれていました。再会するまでジョゼは、施設長が死んだと思い込んでいました。それでずっと引きこもりの生活をしていたのです。15年前にジョゼからクリスマスカードをもらって再会したそうです。
ジョゼと虎と魚たちのネタバレあらすじ:転
やがてヨンソクはチェ教授(イ・ソンウク)に見出され、小規模ながらも成長中のマーケティング会社へインターンに行くことになりました。ヨンソクは人使いの荒いチェ教授から様々な雑用を押しつけられましたが、それでも何とか引き受けました。
ある時、ヨンソクはスギョンの叔母を通じてボランティア団体をジョゼ宅に派遣してもらいました。ジョゼ宅の中を見て回ったボランティア団体は水回りの修理を含む大がかりなリフォームをすべきだと提案しましたが、ジョゼの祖母は断りました。
ヨンソクはジョゼが障害者登録どころか住民登録もされていないことを知り、より良い環境を与えようと決意しましたが、これまでずっと本の中の世界で生きていたジョゼは特にこれといって不満はなく、現状の維持を望んでいました。それでもジョゼはスコットランドへ行ってみたいと語りました。
ところが、スギョンがボランティアに紛れて自宅にやってきたことを知ったジョゼはスギョンとヨンソクの関係を疑い、スギョンもまたヨンソクとジョゼの関係を疑いました。スギョンに嫉妬したジョゼは二度と来ないでくれとヨンソクに言い放ちました。それ以来、ヨンソクはジョゼの元を訪れなくなりました。
季節は流れてクリスマス。ヨンソクはインターンでソウルに通う日々を送っていました。そんな時、たまたまスギョンと会ったヨンソクは就職が決まったらソウルに引っ越すかもしれないと告げました。スギョンはヨンソクの心が自分に向いていないことを悟り、ヨンソクへの想いを絶ち切りました。
その後、チェ教授と飲みに行ったヨンソクは、ヨンソクが就職する予定だった会社の幹部がヨンソクの不倫相手である女性教授と繋がりがあることが理由で就職が取り消されたことを示唆されて黙り込んでしまいました。
ジョゼと虎と魚たちの結末
ヨンソクは久しく会っていなかったジョゼの祖母が先月に亡くなっていたことを知り、久しぶりにジョゼの元を訪れました。ジョゼはすっかり引き籠りの生活を送っており、一度はヨンソクを追い払おうとしましたが、帰ろうとするヨンソクを引き留めてそばにいてほしいと懇願しました。ヨンソクはジョゼの想いを受け止め、二人はそのまま結ばれました。
それからというもの、ヨンソクはジョゼの家で一緒に暮らし始めました。いつしか庭には雪が降り積もっており、ジョゼはヨンソクに「虎がいたの。あなたがいるから、もう怖くない」と語りました。
ヨンソクは内定を取り消された会社とは別の会社の面接を受けることにしましたが、そこにもあの女性教授がいることが明らかになりました。ヨンソクは女性教授から、内定取り消しの会社は経営が傾いていたので阻止したことを告げられました。
ジョゼとヨンソクは布団に包まって暖を取りながら一緒もにストリートビューを見ていました。二人の出逢いの場所を見ていた時、ストーブの灯油が切れたのでヨンソクは調達しに外に出ました。その間、ジョゼはヨンソクが自分をリヤカーに乗せて移動する姿を見つけました。
それから5年後。ヨンソクはジョゼを伴い、彼女が行きたがっていたスコットランドを訪れました。ジョゼは「時にはあなたと遠いところへ行きたいと思った。そう思いつつ、あなたと私だけで家に閉じ籠もりたかった」と語りました。その後、ジョゼは家に安置されたままの祖母の遺骨を墓に納骨しました。
ヨンソクはジョゼと結婚式を挙げることを決意、式場へと向かいました。途中の赤信号でヨンソクは、ジョゼが独りきりというもうひとつの未来を垣間見ました。
ヨンソクとジョゼは水族館へと行きました。ジョゼは「私はあなたがいなくても大丈夫」とヨンソクに告げ、彼を解放しようとしましたが、ヨンソクはジョゼと共に生きていく気持ちに変わりはありませんでした。そしてこの日もヨンソクはジョゼを車椅子に乗せて並木道を歩いていました。
以上、映画「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじと結末でした。
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