黒い司法 0%からの奇跡の紹介:2019年アメリカ映画。アメリカ南部、アラバマ州。若き弁護士ブライアン・スティーブンソンがハーバード・ロースクール卒業後に選んだのは、弁護士を雇う余裕のない貧しい人々を弁護する仕事だった。彼の最初の担当にして衝撃的な案件は死刑を宣告されたウォルター・マクミリアンの弁護だった。決して平等に扱われることのない人種問題をかかえる中、ブライアンは貧困者や黒人に対する偏見に立ち向かう。歴史的な闘いの実話に基づく物語。原作はブライアン・スティーブンソン著の回顧録『黒い司法 黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う』。
監督:デスティン・ダニエル・クレットン 出演:マイケル・B・ジョーダン(ブライアン・スティーブンソン)、ジェイミー・フォックス(ウォルター・マクミリアン)、ブリー・ラーソン(エバ・アンスリー)、ロブ・モーガン(ハーバート・リチャードソン)、ティム・ブレイク・ネルソン(ラルフ・マイヤーズ)、レイフ・スポール(トミー・チャップマン)、オシェア・ジャクソン・Jr(アンソニー・レイ・ヒントン)、カラン・ケンドリック(ミニー・マクミリアン)ほか
映画「黒い司法 0%からの奇跡」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「黒い司法 0%からの奇跡」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
黒い司法 0%からの奇跡の予告編 動画
映画「黒い司法 0%からの奇跡」解説
この解説記事には映画「黒い司法 0%からの奇跡」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
黒い司法 0%からの奇跡のネタバレあらすじ:起
1980年代のアメリカ、アラバマ州。黒人差別が根強く、決して平等に生活をすることなどできない時代。ハーバードのロースクールを卒業したばかりの若き弁護士ブライアン・スティーブンソン(マイケル・B・ジョーダン)が選んだ仕事は、黒人や貧しい人々を弁護する道でした。
その後、受刑者の人権擁護活動に励む白人女性エバ(ブリー・ラーソン)と知り合い、2人は人種や貧困問題に取り組む団体イコール・ジャスティス・イニシアチブ<EJI>を立ち上げ、活動を開始します。
そんな中、ブライアンは黒人の死刑囚ウォルター・マクミリアン(ジェイミー・フォックス)と出会います。ウォルターは18歳の少女ロンダを惨殺した罪で死刑判決を受けていました。
しかも彼の潔白を示す証拠は隠ぺいされ、ある犯罪者の疑わしいたったひとつの証言だけで言い渡された判決でした。そんなウォルターの無罪を勝ち取るべく、ブライアンは立ち上がりました。
黒い司法 0%からの奇跡のネタバレあらすじ:承
調査を進めると、事件当日ウォルターにはアリバイがあり、家族や友人など証人も大勢いたことが分かりました。しかし、裁判では証人として認められず、代わりに召喚されたのは殺人現場で彼を見たというデタラメな証言をする受刑者ラルフ・マイヤーズ(ティム・ブレイク・ネルソン)でした。
仕組まれた証言、白人の陪審員たち、証人やエバに対する脅迫など、ブライアンの前に差別と不正が立ちはだかります。それでもブライアンは諦めませんでした。
ウォルターの隣の独房のハーバート(ロブ・モーガン)は死刑執行日が決定されたところでした。彼はベトナム戦争で自分の分隊の全員を失っていました。精神的ダメージからPTSDになり、自分でも意味が分からないまま作った爆弾を女の子が起爆させてしまい、殺してしまった過去がありました。
そんなハーバートをウォルターの反対隣りの独房にいるレイ(オシェア・ジャクソン・Jr)も励まします。ブライアンは同時にハーバートの弁護も引き受けました。
黒い司法 0%からの奇跡のネタバレあらすじ:転
公平に欠いた判決を下されたハーバートのためにブライアンは奔走しましたが、努力むなしく改めて処刑は撤回されないという通達を受け取ります。
執行日当日。ハーバートの処刑は厳かに行われました。立ち会ったブライアンは、ウォルターたちとの友情を目の当たりにし、怒りと悲しみに涙しました。
ほどなくしてブライアンは、ウォルターが犯人だと証言したマイヤーズの取り調べテープを手に入れます。そこには「誰が殺したか知らない。無実の人間に罪を負わせるのは嫌だ」というマイヤーズの驚くべき証言が残されていました。
虚偽の証言を強要され、拒否したマイヤーズの身柄はその後処刑室の隣の独房へ移され、過去のトラウマに付け込んで検察の味方に引き込んだのでした。
さらに事件当日、ウォルターが現場から遠く離れた場所にいたという証拠、証言を捻じ曲げられた当時の警察官や監察医の証言など、ブライアンは次々と証拠を集め裁判官へ提出しました。
ところが、それだけの証拠を提示しても判事が下したのは、死刑は撤回しないという耳を疑うジャッジでした。ウォルターは再び死刑囚となりました。
黒い司法 0%からの奇跡の結末
それでもブライアンは諦めませんでした。ウォルターの家族に最高裁判所へ控訴する決意を表明し、CBSのドキュメンタリー番組『60ミニッツ』に出演して事件を訴えました。これにより世間の見方は一気に変わり、チャップマン検事も市民からのあおりを受けます。
1993年3月2日。ボールドウィン郡裁判所にてウォルターに対する起訴の取り下げ請求が審理されました。冒頭陳述を行ったブライアンは、白人だけで構成された陪審員、ウォルターの無実を証明できる20名以上の証言の拒否、真実を話すものは脅迫を受け、検察の都合のいいように裁判が安易に流れていることを主張。法の支配はどこに行ったのかと力強く訴えるブライアンに、なんとチャップマン検事自らも同意しました。
全ての告訴は棄却され、無実の罪から解放されたウォルターはその場で泣き崩れました。
その後、ブライアンはエバと共にEJIで活動を続け、140人の死刑囚の法的救済、逆転判決、釈放を獲得。ウォルターの隣の独房に収監されていたレイも無実の罪が認められ、30年収監されたのち2015年に釈放。ウォルターとブライアンの友情は、ウォルターが亡くなるまで続きました。
アメリカでは、処刑される死刑囚の9人中1人は冤罪が証明されるという、衝撃的な誤審率が判明しています。
以上、映画「黒い司法 0%からの奇跡」のあらすじと結末でした。
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