仮面ライダー対じごく大使の紹介:1972年日本映画。『仮面ライダーシリーズ』および“昭和仮面ライダーシリーズ”第1作『仮面ライダー』の劇場版第3作です。ダブルライダーの共演が実現した前作『仮面ライダー対ショッカー』(1972年)とは打って変わって本作は仮面ライダー1号・本郷猛(藤岡弘、)の単独主演となり、富士山麓に築かれた秘密結社ショッカーの大要塞を巡って1号とショッカー怪人軍団が攻防戦を繰り広げる様が描かれます。
監督:山田稔 出演者:藤岡弘、(本郷猛/仮面ライダー1号)、小林昭二(立花藤兵衛(おやっさん))、千葉治郎(滝和也)、潮健児(地獄大使)、沖わか子(ユリ)、高見エミリー(エミ)、中島真知子(トッコ)、二見忠男(カミキリキッド)、八代駿(カブトロング)、峰恵研(セミミンガ)、関富也(ザンジオー)、谷津勲(ジャガーマン)、中江真司(ナレーション)ほか
映画「仮面ライダー対じごく大使」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「仮面ライダー対じごく大使」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
仮面ライダー対じごく大使の予告編 動画
映画「仮面ライダー対じごく大使」解説
この解説記事には映画「仮面ライダー対じごく大使」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
仮面ライダー対じごく大使のネタバレあらすじ:起
仮面ライダー1号こと本郷猛(藤岡弘、)と仲間でFBI捜査官の滝和也(千葉治郎)はバイクレース「東日本ロードレース選手権」に出場しました。“おやっさん”こと立花藤兵衛(小林昭二)率いる「立花レーシングクラブ」の面々が応援に駆けつけるなか、本郷と滝はレース開始早々に他の出場者を大きく引き離していきました。
ところがその時、上空から「秘密結社ショッカー」の戦闘員が乗ったヘリコプターが現れ、大幹部・地獄大使(潮健児)に本郷と滝の動向を報告しました。地獄大使は「失敗は許されん。一撃で本郷と滝を始末せよ」と号令をかけました。
ショッカー戦闘員は本郷と滝が来る頃合いを見計らい、コースの案内板を差し替えました。他の出場者たちが正規のコースを進むなか、本郷と滝は知らず知らずのうちにコースを外れて荒れ地に誘き寄せられました。本郷と滝が異変に気付いたその時、ショッカーのヘリが二人めがけて爆弾を投下しました。
その頃、ゴールで本郷たちを待ち構えていたおやっさんたちは異様な爆発音を聞きつけていました。程なくして大会本部から本郷と滝がコースを外れて行方不明になったとのアナウンスが流れ、ただならぬ気配を感じたおやっさんたちは爆発音の出所を探るため行動を開始、タイヤの跡を辿って本郷たちの足取りを追い始めました。
一方、爆弾の直撃を免れた本郷と滝は様子を見に地上に降り立ったショッカー戦闘員を叩きのめし、服を奪って変装するとそのままヘリで飛び立ちました。おやっさんたちが現地に到着した時には既にヘリは上空に消えた後でした。
本郷と滝はショッカーからの無線連絡を受け、「本郷と滝の死体を確認しました」と嘘の報告をしました。やがてヘリはショッカーのアジトである廃墟ビルに到着、本郷と滝は戦闘員に扮したままアジトに潜入しました。ところが、本郷と滝の正体は最初からバレていたうえに監視カメラで行動は筒抜けになっており、本郷と滝はアジトの一室に閉じ込められて毒ガスを放たれました。
仮面ライダー対じごく大使のネタバレあらすじ:承
本郷と滝は部屋の換気口をこじ開けようとしましたが、その先にはかつてライダーに倒されながらも復活を遂げた再生怪人カブトロング(声:八代駿)が立ちはだかっていました。監視カメラで部屋の様子を確認した地獄大使は「これで二人は完全に溶けたはずだ」と高笑い、カブトロングも本郷と滝の姿がないことを確認して二人が完全に溶けたものだと判断しました。
ところが、どこからともなく「そうかな、カブトロング!」という声が聞こえ、背後から本郷が変身した仮面ライダー1号と滝が現れました。
1号と滝はカブトロングや戦闘員たちを倒してアジトの指令室に向かいましたが、そこには既に地獄大使の姿はありませんでした。その時、指令室のモニターに地獄大使の姿が映り、「逃げたのではない。既にショッカーは秘密の場所に大要塞を完成させた。その大要塞に“スーパー破壊光線装置”をセットすれば、日本全土に自由に雷を落とし、焼き払えるのだ! 聞け、あと30秒でこのアジトは木っ端微塵になる」と不気味に予告してきました。
1号と滝は指令室に閉じ込められ、仮面ライダーの力を持ってしても破壊できない程の強度を持った扉に阻まれました。滝が「ライダー、もう時間がないぞ」と言った次の瞬間、アジトは大爆発を起こして崩壊しました。
一方、地獄大使らはスーパー破壊光線装置を積んだトラックと共に富士山麓に築いた大要塞に向かっていました。アジトが爆破されたとの報告を受けた地獄大使は、万が一1号たちが生きている可能性も考えて既に次の手を打っていました。
「立花レーシングクラブ」に引き上げたおやっさん、ユリ(沖わか子)、エリ(高見エミリー)、トッコ(中島真知子)が本郷たちを心配していると突然地響きと停電が起こり、床を突き破ってショッカーの新たなる怪人カミキリキッド(声:二見忠男)が出現しました。
カミキリキッドは「俺と一緒に来い!」とおやっさんたちに神経ガスを放って眠らせ、本郷たちが戻って来る前に戦闘員におやっさんたちを運び出させました。アジト崩壊から無事逃れた滝が「立花レーシングクラブ」に戻ってきた時には既におやっさんたちの姿はありませんでした。滝はつけっぱなしのおやっさんのパイプ煙草や淹れたばかりのコーヒーからただならぬ異変を感じ取りました。
仮面ライダー対じごく大使のネタバレあらすじ:転
その頃、本郷はバイクでトッコとエミを乗せたショッカーのジープを追っていました。何とかトッコとエミを救出した本郷はカミキリキッド率いる再生怪人軍団に襲撃され、1号に変身して怪人たちと戦いました。1号は怪人のひとりからショッカー大要塞が富士山にあることを聞きつけましたが、カミキリキッドには逃げられてしまいました。
そこに滝がヘリで駆け付け、ショッカーの車が富士山に向かっているとの情報を伝えました。1号は滝にトッコとエミを託し、愛機「サイクロン号」に乗って地獄大使一行の後を追いました。1号の存在を察知した地獄大使は周囲に煙幕を張り、1号は「そんなもので逃げられると思ったか」と思ったのも束の間、地獄大使たちを見失ってしまいました。そこにバイクに乗った怪人軍団が襲いかかり、1号はバイクチェイスの末に次々と怪人たちを倒していきました。
1号は草原のどこかに大要塞の入り口があると睨みますが、今度はセミミンガ(声:峰恵研)率いる騎馬怪人軍団が1号を取り囲んできました。セミミンガはおやっさんとユミを人質に取っており、十字架に張り付けられたおやっさんとユミは「俺たちに構うな!」と言うものの、1号にはおやっさんたちを見殺しにすることなどできませんでした。
1号は手も足も出せぬまま騎馬軍団に取り囲まれ、ロープをかけられて羽交い絞めにされました。1号が追い詰められたその時、滝がヘリに乗って助けに駆け付けました。ショッカーはヘリに破壊光線を放って撃墜しましたが、滝は間一髪でパラシュートで脱出しました。
滝がおやっさんとユミを助けたことで1号は一気に反撃に転じ、次々と戦闘員たちを倒していきました。セミミンガは一時撤退し、1号の姿もいつの間にかいなくなっていました。滝は自分ひとりでも大要塞を探し出す決意を固めました。
仮面ライダー対じごく大使の結末
滝はロープを準備して富士山に近づき、ショッカー戦闘員が周囲を警戒していたことから大要塞はこの近くにあると感じ取りました。滝は警戒線を強行突破しようとしましたが、いつの間にか現れた本郷に制止されました。本郷はショッカーが既に設置していたスーパー破壊光線装置を破壊することが先決だと語り、協力して岩山をよじ登っていきました。
ところが、よじ登った先にはザンジオー(声:関富也)率いる再生怪人軍団が待ち構えており、「ここが貴様の墓場だ!」と二人に襲いかかってきました。本郷は滝に大要塞の破壊を任せると1号に変身、残雪の残る山で次々と怪人たちを倒していきました。
しかし、ザンジオーは既にスーパー破壊光線装置の準備が終わり、今頃は東京に向けて発射の秒読み段階に入ったことを告げると「ライダー、俺たちショッカーの勝ちだ!」と宣言しました。1号はザンジオーたちとの対決を後回しにして大要塞に急ぐことにしました。
その頃、滝は大要塞に潜り込んでいましたが、破壊光線の照準は既に東京タワーにセットされており、発射まであと30秒しかないことを聞きつけました。滝は戦闘員を倒して大要塞の動力室に向かいましたが、カミキリキッドに見つかってしまいました。
そこに1号が駆け付けてスイッチを弄り、「今レーザーを始動させてみろ。この要塞は爆発するぞ!」と警告しました。大要塞は崩壊を始め、1号と滝は崩れ行く大要塞から脱出しました。異変に気付いた地獄大使たちも大要塞から全員退避していきました。
そして1号はカミキリキッドとの一騎打ちに臨み、ライダーパンチでカミキリキッドの光線を放つ手を粉砕すると、最後は必殺のライダーキックでカミキリキッドを倒しました。ショッカーの野望を打ち砕いた1号はサイクロン号に乗って富士山を後にしました。
以上、映画「仮面ライダー対じごく大使」のあらすじと結末でした。
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