顔の紹介:1957年日本映画。列車から、邪魔な男を突き落として殺した秋子は、自分に都合のいい男を利用して、ファッションモデルのスターにまでのし上がっていました。しかし秋子の周りには、刑事と列車殺人の目撃者の石岡がうろつきはじめ・・・という内容の岡田茉莉子が悪女を演じる、松本清張原作のサスペンス映画です。
監督:大曾根辰夫 原作:松本清張 出演:大木実(石岡三郎)、岡田茉莉子(水原秋子)、笠智衆(長谷川刑事)、森美樹(江波彰)、宮城千賀子(三村容子)、内田良平(前田記者)、山内明(飯島哲次)、千石規子(久子)ほか
映画「顔」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「顔」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「顔」解説
この解説記事には映画「顔」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
顔のネタバレあらすじ:起
東京行きの列車に酔っぱらった男が乗り込んできました。男は車両を歩き、3両目に来ると若い女を見つけました。女は水原秋子という名で、トイレで二人は話をしますが、別れたい秋子と男はもみ合いになりました。
そこへ、トイレをしたい石岡という男がやって来て、いい加減にしてくれと文句を言いました。秋子はトイレから出る時、男を扉の外へ押し出し、男は走る列車から転落しました。
その時、秋子はコンパクトを落としていました。病院へ運び込まれる男を見た長谷川刑事は、男が手配中の無許可医師の飯島であることを確認しました。飯島は堕胎専門で、手術後10人以上の死者を出し、警察に追われていました。病室へ運ばれる途中に飯島は、通路で秋子の顔を見ました。その後、飯島は死亡しました。
遺体安置所に置かれた飯島を調べようと長谷川が入ると、飯島の死体に花束が届けられていました。花屋に聞くと、若い美人の女だったと言い、長谷川は他殺の可能性があると考えました。
秋子にはベンチ入りできないプロ野球選手の江波という恋人がいました。しかし秋子はいつも自分の都合で、二人の約束を破っていました。
顔のネタバレあらすじ:承
ファッションモデルをしている秋子は、以前務めていた飲み屋の女将の久子を母のように慕っていました。久子もまた秋子の幸せと成功を願っていました。その久子に秋子は、今回の飯島殺しも相談していました。
警察に石岡が、列車転落事件の目撃者だとやって来ました。この時、石岡は、秋子のコンパクトを拾っていましたが、警察には提出しませんでした。警察では石岡を呼んでモンタージュ写真を作成しました。出来上がった顔は秋子には似ていない顔でした。
その後、石岡は、毎朝新聞の記者前田と酒を飲んでいました。石岡は目撃情報で金を稼ごうとしていて、前田にネタを売っていました。石岡を調べた長谷川らは、石岡が労働組合の委員長をしていて、労使交渉の先頭に立っていたものの、一人で責任を取らされてクビになり、金の困っていることを知りました。
この目撃情報をニュースで知った秋子は、石岡に手紙を出し、展望台に呼び出して突き落とそうと計画しました。しかし怪しいと思った石岡は展望台には行きませんでした。
顔のネタバレあらすじ:転
秋子はモデルの中のトップスターである容子を蹴落とすため、容子にいじめられているというデマを流し、スポンサーたちに媚を売りました。そして容子を関西の仕事につかせ、自分がショーの主役になりました。やがて水島秋子ショーまで開かれるようになり、モデル界のトップスターの階段を歩きはじめました。
関西から帰ってきた容子が、秋子に怒り散らしますが、他のモデルに嫌われていたこともあり、周りは秋子の味方になってくれました。久子も秋子の成功を喜びました。
行き詰った長谷川らは、飯島の過去を洗い始めました。そこで久子の飲み屋を見つけて話を聞きに行きました。その店を始め、周辺は売春もやっている危険な地区でした。久子は適当にいなしますが、長谷川は秋子が表紙になったファッション雑誌が多数置かれているのを見て、持ち帰りました。
久子は早速秋子に連絡しました。秋子は警察の手が自分に及んでいると感じとり、江波に会い、ファッションモデルをやめると言い、江波にも野球選手をやめてと言いました。そして田舎で二人で暮らそうと持ちかけました。江波は分かったと言い、翌日旅立つことになりました。
一方、長谷川は、飯島が久子の店で知り合った女と関係を持ち、その後殺されたと推測しました。
顔の結末
秋子がウエディングドレスを着るファッションショーの楽屋にいると、刑事たちが石岡を連れてきました。モデルの面通しでしたが、石岡は秋子の顔を見て、ここにはいないと言いました。石岡が目撃した女に接触するはずだと見て、泳がせました。
石岡は江波の部屋に行きました。秋子はいいなづけだと言う江波に、列車で見たことを話し部屋を出ました。そして秋子に会った石岡はコンパクトを見せました。秋子は金か体かどっちがいるの?と言ってストッキングを脱ぎ始めました。
石岡は秋子に『アンタをモノにしようと思って来たが、こんなひどい女だとは思わなかった』と言いました。すると秋子は続けて、「飯島と関係を持ったのは、堕胎したい女を紹介して金をせしめる為だった」と、利用していたことをバラシました。石岡が怒って出行くとトラックにはねられ死亡しました。
石岡が落とした自分のコンパクトを拾い、江波の部屋に行くものの、江波は僕を騙して利用していただけなのか怒り散らしました。
この頃、警察は秋子が犯人だと断定していました。失意の秋子は部屋を出てタクシーに乗りました。運転手が『水島秋子さんだ』と言い、『貴女の顔は一度見たら忘れない顔だ』と言いました。タクシーを降りた秋子は暗いファッションショーのステージに一人立っていました。ステージの奥には秋子を見つめる長谷川たちがいました。
以上、映画「顔」のあらすじと結末でした。
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