刑務所の中の紹介:2002年日本映画。サバイバル好きの花輪は、改造拳銃を作って、銃砲刀剣類不法所持、火薬類取締法違反で逮捕されて刑務所に入れられる。しかし刑務所の中の受刑者の様子や生活を、自分の目線からユーモラスに描いたコミック映画です。
監督:崔洋一 出演:山崎努(花輪かずいち)、香川照之(伊笠)、田口トモロヲ(田辺)、松重豊(小屋)、村松利史(竹伏)、大杉漣(高橋)ほか
映画「刑務所の中」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「刑務所の中」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「刑務所の中」解説
この解説記事には映画「刑務所の中」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
刑務所の中のネタバレあらすじ
花輪は、サバイバルゲームの仲間と、野外でほふく前進など、本格的に楽しんでいた。数人の仲間とモデルガンを持ち寄って自慢している。その中で花輪はダーティハリーで使われていた物と同じ拳銃を見せます。しかし、その拳銃はモデルガンを改造した物でした。皆の目が真剣に拳銃に注がれます。そして、実弾を水の入ったペットボトルに発射して、快感を感じていました。
刑務所の中のネタバレあらすじ:刑務所に入獄
次のシーンで、花輪が拳銃の不法所持の罪で懲役3年、北海道日高刑務所に収監されます。花輪は興味深く、刑務所の生活と受刑者の行動を観察していきます。花輪は刑務所の中でもその生活を楽しもうとします。食事の時間には給食の様子を細かく説明している。入れ物の色の違いで中身が違う。立ち仕事の者と、座り仕事の者の中身の量が異なります。花輪は食事のおかずを細かく説明します。月に何度か映画の鑑賞が許されています。級によって、その回数に違いがあるのです。
刑務所の中のネタバレあらすじ:受刑者の面々
小屋という受刑者は腕に「仁儀」と自分で入れ墨をしたのですが、仁義の「儀」にニンベンがついているのを、他の受刑者に笑われます。伊笠は小屋にいたずらしてテレビの鑑賞を止められてしまいます。刺激の少ない受刑者は日常のたわいもないことで話題を作ります。誰の乳首が大きいとか、外に出たら金持ちだとか雑談します。花輪は支給されるパンツが珍しく、めったに履けないと喜んでいます。年配の受刑者が他の人の雑誌のクロスワードに答えを書きいれたと罰則を受けます。竹伏は身の上話で娘がいることなど話しますが、違法薬物の話を楽しそうにするので、懲りていないようです。皆の雑談の中で正月の食べ物がテーマになります。ある者は事細かく我が家の食材を並べあげる。それぞれが、こだわりの食べ方を話し始めます。誰かが、麦ご飯に醤油をたらして食べると言うと、花輪は自分も今度試してみようと心で思います。そして、食事の時に醤油をたらして、その味を堪能します。映画鑑賞ではお菓子と飲み物が与えられています。甘い物に餓えている受刑者の唯一の楽しみになっています。映画を見て戻ってきた受刑者をみんなで囲み、お菓子は何を食べたか、何を飲んだかを尋ねます。お菓子の名前と、飲み物はコーラだと話すと、一斉にいいなと声を出します。コンビニ強盗をした男が、もうすぐ退所するのですが。お金がないとぼやきます。ある者はお金持ちの嘘をついたり、家にジープがあってよく出かける話をします。
刑務所の中の結末:懲罰棒
花輪は便箋の端を切り取って、自分の連絡先を書いて渡したことがばれてしまいます。不正連絡で懲罰房に入れられてしまいます。懲罰房は3畳の狭い部屋で、トイレもありません。そこでは、薬袋を作る軽作業をさせられます。手細工が好きな花輪にとっては、誰もいない部屋でゆっくり出来るので喜びます。そこでも、自分で何分でどれだけ作るか、ノルマを設定して楽しみます。それが達成されると、満足して独りで喜びます。罰則日が過ぎて部屋に戻されて、同じ生活が始まります。休憩時間に皆が野球をしているのを、花輪はのんびりした気持ちで眺めています。
以上、映画 刑務所の中のあらすじと結末でした。
「刑務所の中」感想・レビュー
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主人公は、銃刀法不法所持の罪で3年間の懲役を受けている高齢の男です。北海道にある刑務所らしいのですが、場所がどこなのかよくわかりません。刑務所の規模もよくわかりません。わかっているのは、1部屋5人単位で生活していることです。主人公は作業所で木工製品をつくらされています。
起床から就寝までの刑務所での生活が淡々と描かれます。刑務所に入ったことがないので、受刑者はこんな生活をしているのかとわかります。食事のメニューなどが詳しく描かれています。ご馳走がでるわけじゃないけど、まずいものを食べているわけじゃない。贅沢をいわなければ、まあまあでしょう。清潔な環境で規則正しい健康的な生活という印象です。新聞雑誌も自由に読めるみたいでした。どのていど好きに見られるのかわかりませんけど、部屋にはテレビもありました。
この作品には、起承転結となるストーリーがありません。山場となるシーンもありません。刑務所内の受刑者の日常が淡々と描かれていきます。ドラマがないので、つまらない。その心配はありません。刑務所内はこうなっているんだ、と、ラストまで観てしまいました。映画作品を最後まで見せるのは並の力ではできません。さすが実力者、崔洋一監督の手腕ではないでしょうか? そう思いました。
この映画は母が好きだったものだったらしく、久しぶりに見たいとのことで借りてきたものを一緒に見たのが始まりです。刑務所に関係する話というのを聞いて始めは、「波乱万丈の激しい内容のものなのかな?」と思っていましたが、実際に見てみるとそんなことはありませんでした。実体験を元に作られたものなので刑務所内での生活をリアルに感じることができました。内容も主人公の花輪を軸にしたもので感情移入がしやすかったです。何度でも見返したい良作だと個人的には思います。