剣鬼の紹介:1965年日本映画。柴田錬三郎の短編小説「人斬り斑平」を原作に、異常な才能に恵まれた武士が運命に翻弄される姿を壮烈に描く。監督は数多くの作品で市川雷蔵とコンビを組んだ三隅研次。佐藤慶、戸浦六宏という大島渚作品でお馴染みの俳優が脇を固めている。
監督:三隅研次 出演:市川雷蔵(斑平)、佐藤慶(神部菊馬)、戸浦六宏(海野正信)、内田朝雄(醍醐弥一郎)、姿美千子(お咲)、五味龍太郎(虚無僧)
映画「剣鬼」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「剣鬼」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「剣鬼」解説
この解説記事には映画「剣鬼」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
剣鬼のネタバレあらすじ:起
信州のある小藩の江戸屋敷。水呑百姓の娘キンは狂死した奥方に侍女として仕え、その遺言で中臈として召し抱えられます。ところが3年経って妊娠し、男の子を生み落とすと絶命。その側に絶えず犬が寄り添っていたことから、口さがない侍女や藩士たちはキンが犬と同衾して孕んだ子供だと噂します。斑平と名づけられた男の子は信濃の国元へ送られ、無足の下級藩士のもとへ養子に出されます。そしてそれから23年。「犬っ児」と呼ばれ、蔑みの目で見られながらも斑平は逞しく成長。養父の遺言に従い、一芸を身につけようと花作りに打ち込みます。
剣鬼のネタバレあらすじ:承
そしてその才能は城下の評判となり、城内に花畑を作るように藩命を受けることになります。ある日その花畑を城主の海野式部少輔正信が訪れます。正信は精神に異常をきたしており、日に日にその状態は悪化する一方でした。花畑でもお供の小姓に斬りつけようとしましたが、その場にいた斑平は密かに小石を投げ、小姓を助けます。それに目をつけたのが小姓頭である神部菊馬でした。神部は藩内に公儀隠密が入り込み、正信の精神異常を嗅ぎつけることを恐れていました。彼は斑平の家を訪れ、隠密の暗殺を命じます。
剣鬼のネタバレあらすじ:転
斑平は花作りだけでなく、韋駄天の才能も発揮。そのことで馬乗下役に出世したほか、偶然醍醐弥一郎という謎の浪人と知り合い、居合の腕も磨いていました。自らの腕を試すときだと考えた斑平は暗殺を引き受け、以後何人もの隠密を斬殺します。その中には驚いたことに醍醐弥一郎もいましたが、醍醐は斑平の腕前が上達したことを喜びながら死んでいきます。やがて藩主の処遇に対して藩論が割れ、正信に変わる藩主を求める若侍たちが幕府に直訴する計画を実行します。その行動を知った神部は斑平に後を追わせ、彼ら11人を全員斬ってしまいます。
剣鬼の結末
しかし正信が急死。新藩主による体制となって、正信を守ろうとしていた側は策謀の罪で詰め腹を切らされることに。神部はいち早く逐電しますが、逃げ出すことを恥じる斑平はそのまま藩内に。そして暗殺者が斑平だと知った若侍の遺族たちが彼に仇討ちしようと襲いかかります。必死に切り結ぶ斑平ですが、多勢に無勢、やがて力尽きて殺されるのでした。
この映画の感想を投稿する