古都の紹介:1963年日本映画。川端康成の新聞小説を名匠中村登が映画化。赤ん坊の頃から別々の環境で育てられた双子の美しい姉妹が偶然出会うという物語で、その背景となる京都の風物を丹念に映している点が最大の魅力。武満徹の音楽が秀逸。
監督:中村登 出演:岩下志麻(千重子、苗子)、宮口精二(佐田太吉郎)、中村芳子(佐田しげ)、長門裕之(大友秀男)、吉田輝雄(水木竜助)、早川保(水木真一)、ほか
映画「古都(1963年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「古都(1963年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
古都の予告編 動画
映画「古都(1963年)」解説
この解説記事には映画「古都(1963年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
古都のネタバレあらすじ:起
佐田千重子は京都の室町通にある呉服問屋の一人娘。お嬢様として育てられて何の悩みもなさそうでしたが、実は捨て子で、幼馴染の水木真一と清水寺に出かけた時、そのことを初めて彼に打ち明けます。
育ての親である太吉郎は「祇園の夜桜を見に行った時、あまりに可愛い赤ちゃんがいたのでさらって来た」と真面目に言い張りますが、いずれにせよ、実の娘ではないわけです。
太吉郎も母親のしげも実の親同然に優しいため、別に不満もないのですが、やはりそのことはずっと千重子の心にわだかまってきました。
古都のネタバレあらすじ:承
友人の真砂子から高雄への紅葉狩りを誘われた千重子は、足を伸ばして北山杉を見に行きます。そこで真砂子が千重子にそっくりの村娘がいることに気づくものの、千重子の方は他人の空似だろうと心にも留めません。
ところが祇園祭の宵山の日、彼女はその村娘と再び出会います。苗子というその娘は千重子に「姉さん」と呼びかけますが、千重子は何となく冷たくあしらいます。苗子の説明によると自分には生まれた時に離れ離れになった双子の姉がいて、今日はその姉との再会をお願いするために八坂神社の御旅所にやってきたのでした。
話をするうち、千重子も苗子が自分の妹だという気持ちが強くなります。
古都のネタバレあらすじ:転
短い話だけでそのまま別れた2人ですが、帰り道の四条大橋で苗子は大友秀男に千重子に間違われます。秀男は西陣織の職人ですが、千重子に惚れていました。そしてこれがキッカケでその心は苗子の方に移っていきます。
秀男は千重子に頼まれて杉と赤松の山をモチーフとした帯を織り、苗子に直接渡すためにわざわざ北山の村に直接足を運びました。そして時代祭へのデートに誘います。彼らが並んで行列を見ている様子を偶然見ていたのが、真一とその兄でやはり千重子に惚れている竜助です。
古都の結末
デートしていたと勘違いされたため、千重子は自分が双子だという事情を真一と竜助に話します。安心した竜助の方は通っていた大学院をやめ、千重子の店の経営を手伝うことを決心。将来は千重子との結婚を考えてのことです。
そして苗子の方は秀男からプロポーズを受けます。苗子が店を訪れた時、千重子はそのプロポーズを受けるように促し、その夜は同じ部屋に寝ます。
翌日の朝早く、苗子は千重子に見送られて帰っていきますが、身分違いを感じ、もう千重子には会わない事を決心します。
以上、映画「古都」のあらすじと結末でした。
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