黒蜥蜴(くろとかげ)の紹介:1962年日本映画。宝石商をしている岩瀬の娘・早苗を誘拐すると予告した黒蜥蜴は、予告通り早苗を誘拐。一度は早苗を取り返したものの、再び実家から誘拐された早苗を追って、名探偵明智小五郎が奇抜なアイデアで事件を解決に導く江戸川乱歩の長編探偵小説の映画化作品です。1962年と1968年の2度、実写映画化されています。
監督:井上梅次 出演者:京マチ子(黒蜥蜴/緑川夫人)、大木実(明智小五郎)、 叶順子(岩瀬早苗)、川口浩(雨宮潤)、三島雅夫(岩瀬庄兵衛)ほか
映画「黒蜥蜴」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「黒蜥蜴」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
黒蜥蜴の予告編 動画
映画「黒蜥蜴」解説
この解説記事には映画「黒蜥蜴」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
黒蜥蜴のネタバレあらすじ:起
宝石商をする岩瀬の東京の自宅に、黒蜥蜴という差出人から、娘の早苗を誘拐するという脅迫電報が毎日送られていました。大阪で早苗の見合いがあるため、岩瀬は早苗に付き添い、上得意顧客の緑川夫人と、探偵の明智小五郎を雇い同行させます。
ホテルに着くと岩瀬は早苗を緑川夫人にまかせ、明智と酒を飲みます。明智は解決できない事件はないと言われる有名探偵です。岩瀬は月100万を払って明智を雇っていました。早苗といる緑川夫人は、ホテルの部屋で「隣にトランペットの名手の雨宮という青年がいるから聞いてみない?」と誘います。聞きたいと言う早苗に、雨宮を呼ぶと緑川夫人は、「雨宮の部屋で聞きましょう」と、二人で雨宮の部屋を訪れます。
早苗が部屋に入ると、雨宮がクロロフォルムで早苗を眠らせ、スーツケースに詰めこみます。緑川夫人が早苗の服を着て、早苗に扮して岩瀬をはぐらかせている間に、雨宮は列車で京都に降り立ちます。午前0時がきて、「早苗は誘拐されなかった」と言う明智に緑川夫人は「もう早苗さんはいないかもしれない」と言い、明智が調べるとベッドに寝ているのは人形でした。
黒蜥蜴のネタバレあらすじ:承
慌てふためく岩瀬に対し明智は冷静でした。部屋に電話が入り明智は「もうすぐ帰ってくる」と岩瀬に言うと、明智の部下と警官が早苗を連れて帰って来ます。明智はこんなこともあろうかと、部下を随所に配置して監視させていたと言います。そして犯人は緑川夫人で、この女性が黒蜥蜴だと言って警官に逮捕してくれと言います。黒蜥蜴は明智の拳銃を盗んでいて、銃口を突きつけてホテルの部屋を出て鍵を掛けます。そしてそのまま行方をくらまします。
岩瀬家では早苗を守るため、家の周りに護衛を配置し、用心棒を3人雇います。そして早苗は自分の部屋にこもっていました。早苗の部屋に新しいソファーがやって来ます。ひな夫人が「早苗がいなくなった代わりに酔っ払いの男が寝ている」と言います。
早苗の部屋に行くと、ソファーに酔っ払いの男が寝ていて、ひな夫人は「早く追い出せ」と用心棒に命じ、壊れたソファーを修理させるために家具屋に取りに来させます。しかしひな夫人は黒蜥蜴の子分で、早苗の誘拐の為に随分前から岩瀬の家に出入りさせ、計画を実行したのでした。これでひな夫人は黒蜥蜴に褒められます。
黒蜥蜴のネタバレあらすじ:転
黒蜥蜴の魅力に取りつかれた雨宮は、黒蜥蜴が明智に惚れ始めていることを知ります。やがて岩瀬に黒蜥蜴から脅迫状が届きます。早苗の身代金として世界一のダイヤモンドの『エジプトの星』を持って来いという内容でした。明智は岩瀬に『エジプトの星』を渡せば、早苗もダイヤも取り戻してやると言います。
東京タワーで待ち合わせた岩瀬は、黒蜥蜴に『エジプトの星』を渡します。明智の見張りを警戒する黒蜥蜴は、売店の主人の妻と服を交換してタクシーで逃げます。しかし売店の主人に変装していた明智は、黒蜥蜴の後を追いました。
黒蜥蜴は部下たちと船に乗り、早苗に「伊豆の無人島へ行く」と告げます。明智が船の中にいると感じた黒蜥蜴はソファーに目をやり、この中に潜んでいるとわかり、部下たちにすまきにさせて海に放り投げます。
黒蜥蜴に寄り添う松吉がやってきました。松吉はせむし男のような醜い姿ですが、黒蜥蜴は絶対の信頼を置いていました。やがて船は無人島に着き、岩場の間にある広間に向かいます。そこで早苗を呼び出し、自分のコレクションを見せます。それは黒蜥蜴が自分の気にった男女をはく製にして飾っていました。
黒蜥蜴の結末
早苗をはく製にするため檻に入れようとすると、雨宮が阻止します。すぐ松吉が雨宮に襲いかかり、早苗と雨宮を檻に入れます。ここで早苗は自分が偽物の早苗だという事を雨宮にバラします。雨宮は「このまま本物のふりをして、愛する黒蜥蜴の嫉妬する姿が見たい」と言います。死ぬ運命の二人は急速に魅かれ合い、キスをして抱き合いました。
そのころ、本物の早苗が明智の部下と広間にやって来ます。二人の早苗を向き合わすと、お互い本物だと言い黒蜥蜴は戸惑います。明智の部下が「海に投げ捨てられたソファーから助けてきた」と松吉を連れてきます。よくわからない黒蜥蜴の前に、側にいた松吉が変装をとります。それは明智でした。
明智は早苗にそっくりな女を3万円で雇い、岩瀬家に潜り込ませ、偽物を誘拐させていたのです。そして明智の手配した警官たちが黒蜥蜴を囲みます。黒蜥蜴は指輪に仕込んだ毒を飲み倒れます。そして明智に愛してしまったのに愛し合えない気持ちを伝え、死んでいきました。
駆けつけた岩瀬が明智に礼を言い、二人の早苗に戸惑います。明智は岩瀬に、「これからも偽物の宝石を売って繁栄してください」と言います。岩瀬は『エジプトの星』は本物だと言うのが精いっぱいでした。
以上、映画「黒蜥蜴」のあらすじと結末でした。
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