貝殻と僧侶の紹介:1927年フランス映画。僧侶の抑圧された欲望を極めて絵画的に描いたドラマ作品。禁欲的な生活を送る僧侶は、欲望を払うかのようにガラスを砕いている。ガラスを砕く度に将軍の姿が現れては消えていく。将軍に止められた僧侶は椅子から落ち、四つん這いで外に出た。すると将軍とその妻の姿を発見する。僧侶にとって将軍の妻は理想の女性だった。僧侶は嫉妬に狂い、将軍を絞殺してしまう。僧侶が将軍夫人の胸元を露にすると、その胸は貝殻に包まれた。夫人を追いかける僧侶。しかし彼女は彼のものにはならない。僧侶は大きな二枚貝の片方を握り締め、そこに満たされた黒い水を飲み込んだ。
監督:ジェルメーヌ・デュラック 出演者:アリクス・アラン(僧侶)、ジェニカ・アサナシュー(将軍の妻)、ルシアン・バタイユ(将軍)ほか
映画「貝殻と僧侶」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「貝殻と僧侶」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
貝殻と僧侶の予告編 動画
映画「貝殻と僧侶」解説
この解説記事には映画「貝殻と僧侶」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
貝殻と僧侶のネタバレあらすじ:怯える僧侶
静謐な寺院で1人の若い僧侶が机に向かっています。机にはガラスの入れ物が大量に並べられていました。僧侶は大きな二枚貝の片方を持ち、そこに満たされた黒い水をガラスに注ぎ入れています。そして一瞥もせずに床に落としました。床には粉々になったガラスが大量に散らばっています。
僧侶は欲望を払うかのように、ただ黙々とその作業を続けていました。僧侶の背後の扉から、勲章をたくさんつけた将軍が入って来ます。僧侶がガラスを砕く度に、将軍は現れては消えていきました。やがて将軍は僧侶の背後に回り、驚いて固まる僧侶の手から貝殻を奪います。
僧侶が見開いた目で様子を見ていると、将軍は貝殻をサーベルで叩き落としました。景色が激しく揺らぎます。椅子から落ちて体を丸めた僧侶は、部屋から出て行く将軍を四つん這いで追いかけました。
貝殻と僧侶のネタバレあらすじ:嫉妬による事件
僧侶は四つん這いのまま街に出てさ迷い続けます。ふと彼は驚いたように体を起こしました。視線の先には、将軍とその妻の姿があります。美しい将軍の妻を見た僧侶は震え、走り出しました。寺院に戻った僧侶の前で、将軍夫妻は幸福な様子で寄り添います。
嫉妬に狂った僧侶は将軍のもとへ走り、突然首を絞めました。執拗に力を込めますが、簡単には殺せません。夫人は怯え、僧侶は嗜虐的に笑い、将軍の顔が真っ二つに割れました。やっと将軍の息の根を止めた僧侶は喜び、遺体を放り投げます。
晴れ晴れとした表情で崖に立つ僧侶の隣に将軍が現れました。驚いた僧侶は将軍を崖から突き落とします。僧侶は欲望に狂った目で将軍夫人を見つめました。彼女の胸元を露にすると、貝殻が裸の胸を覆います。僧侶は貝殻を剥ぎ取りました。
大勢の人がダンスを踊り始めます。シャンデリアが大きく揺れていました。将軍夫妻が並んで椅子に座ります。僧侶は貝殻を手に1人立っています。彼が戦いたように貝殻を捨てると、貝殻はたちまち炎に包まれました。
貝殻と僧侶のネタバレあらすじ:醜い欲望
僧侶は激しく震えます。彼の僧衣が長く伸びていきました。僧侶は裾を引きずりながら寺院の廊下を歩きます。美しい自然の中、将軍の妻は必死に走っていました。後ろから僧侶が腕を広げて追いかけます。彼女の顔、胸、舌が歪んで見えました。
僧侶は寺院に戻り、振り返って何かを手招きます。突然空中を掴むようにした彼は、その何かを入れ物に移しました。将軍の妻の顔が浮かんでいます。僧侶は扉を次々開けていきました。その先で、将軍とその妻が見つめ合っているのを見つけます。
2人は僧侶の姿を見ると逃げ出しました。追いかけた僧侶は夫妻のキスを目撃し、目を見開いて震えます。彼は嫉妬のあまり、将軍夫人の首を絞める妄想をしました。
貝殻と僧侶の結末:黒い水
寺院の一室に人が集まります。その中に立つ僧侶と将軍夫人はまるで結婚式でも挙げているかのようでした。僧侶の手から滑り落ちた黒い入れ物は、床に叩きつけられ粉々に壊れます。
僧侶の手には、大きな二枚貝の片方が握られていました。目を見開いたその表情はみるみる歪んでいきます。高く掲げた貝殻に将軍夫人の顔が浮かびました。
貝殻には黒い水が満たされています。僧侶が顔を上げて黒い水を飲み始め、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「貝殻と僧侶」のあらすじと結末でした。
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