ギャング・オブ・アメリカの予告編 動画
映画「ギャング・オブ・アメリカ」解説
この解説記事には映画「ギャング・オブ・アメリカ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ギャング・オブ・アメリカのネタバレあらすじ：起
1981年、マイアミ。
落ち目の作家デヴィッド・ストーンは、伝説的マフィアであるマイヤー・ランスキーの伝記を書くことになり、インタビューを行いました。
年老いたランスキーは、身体を気遣い禁煙することを決意した矢先、肺がんが見つかり医者から余命宣告されていました。そんなランスキーがインタビューの条件として提示したのは「俺が生きているうちは、誰にも読ませるな」と。
しかもオフレコで記憶を頼りに執筆することを約束させられ、ストーンは想像以上の難敵に不安になりますが、仕事がうまくいかず家庭も崩壊寸前だったことから、最後にして最大のチャンスだと確信し条件を承諾したのでした。
1912年、幼いランスキーはニューヨークにやってきました。外で行われているサイコロ賭博に興味を示し、得意の計算で確率をはじき出してはゲームの行方を見守る毎日。やがてそれはイカサマだということに気付きます。ゲームは少数の人間によって支配されている。それならば、自分は支配する側になろうとランスキーは誓ったのでした。
ギャング・オブ・アメリカのネタバレあらすじ：承
その後、ランスキーは不良グループのボスだったラッキー・ルチアーノと知り合い、同じ頃バグジーと相棒になりました。女と過ごすより人を殺すことを好んだバグジーはランスキーの手足となり、さまざまな悪事を働いて犯罪の世界に入っていきます。
そんな中、ランスキーは禁酒法下の闇酒場で出会ったアンと出会い、恋に落ちます。幸せな結婚のはずでしたが、第一子バディが誕生したことで夫婦喧嘩が絶えなくなります。バディは一生自分の足で歩くことができない障害児だったのです。
家庭を顧みず仕事に没頭するランスキーにアンの怒りも日に日に増していきました。
1931年、ルチアーノがニューヨークマフィアを制すると、ランスキーは殺し屋集団≪マーダー・インク≫の設立に関わりました。さらに全米犯罪シンジケートを立ち上げると、ニューヨーク外へ飛び出し全米各地に次々とヤミ賭博の拠点を作っていきました。
しかし、ここまでインタビューを行っていたストーンはふと疑問がわきました。「なぜ派手に悪事を働いているにも関わらず、捕まらなかったのか」と。第二次世界大戦中は、米国内でのドイツのスパイ工作に対抗する作戦に関与していたため、追及を逃れ続けることができたのでした。
ギャング・オブ・アメリカのネタバレあらすじ：転
そんな中、ランスキーはラスベガスの豪華ホテル・フラミンゴの建設プロジェクトにバグジーを任命しました。しかし、これがのちに大きな失敗へとつながります。
戦時中の資機材の高騰や建設の遅延で予算を大幅にオーバーし、さらにバグジーの節操のない大盤振る舞いや浪費が明るみに出て、組織の彼に対する態度は幻滅と怒りに変わっていきました。バグジーは組織から処刑を可決され、ランスキーの説得もむなしく翌年に射殺されました。
それでもランスキーの勢いはとどまることを知らず、戦後になるとキューバなどカリビアン諸国に進出し、カジノをはじめとする様々な事業をいっきに拡大。その隠し財産は3億ドルに上ると言われていました。
その金の隠し場所を突き止めようとFBIは躍起になって捜査しますがまったく手がかりを得ることができませんでした。
インタビューを終え、ホテルに戻るストーンはプールで美しい女性モーリーンと知り合い、男女の仲になります。しかし、モーリーンはストーンから情報を得るためにFBIに差し向けられていたのでした。
ギャング・オブ・アメリカの結末
ユダヤ人ということで、イスラエル政府に多額の資金を提供していたランスキーは、イスラエルのTVインタビューに応じ、晩年は祖国に移住することを考えていました。しかし、アメリカの圧力で帰化申請が却下され、国外追放。アメリカへ強制送還されてしまいます。
祖国に裏切られたランスキーは、怒りに震えましたが、受け入れるしかありませんでした。
情に流されていたモーリーンから役立つ情報が得られなかったFBIは、ついに直接ストーンにコンタクトを取りました。報酬と引き換えに隠し金の鍵を握る男についての情報を聞き出すよう言われたストーンでしたが、ランスキーにはお見通しでした。しかし、意外にも裏切りを許したランスキー。2人の間には親子のような関係が芽生えていたのでした。
果たしてランスキーは本当に悪人なのか。そして、隠し財産はどこにあるのか。
ますます謎が深まるランスキーにストーンは魅せられていました。ランスキーはそんなストーンをある場所へ連れていきます。それは、施設でした。個室には、病気が悪化し脳死状態になっていた息子バディの姿がありました。ランスキーはバディに優しくキスをすると、部屋から出ていきました。
ゲームを支配しようと思っていたランスキーも、人生というゲームを支配することはできませんでした。
1983年1月。
ランスキーは肺がんで死去。3億ドル以上の資産を残したと言われていましたが、いまだに見つかっていません。
以上、映画「ギャング・オブ・アメリカ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する