華やかな魔女たちの紹介:1966年イタリア映画。『にがい米』(1949年)でセンセーションを巻き起こした、戦後イタリア映画を代表する女優の一人シルヴァーナ・マンガーノが全話主演のオムニバス映画に、ヴィットリオ・デ・シーカ等5人の監督が集結。プロデューサーはマンガーノの夫だったディノ・デ・ラウレンティス。第5話にクリント・イーストウッドが彼らしからぬ役で登場。また、『ルートヴィヒ』等のヘルムート・バーガーもヴィスコンティ監督の第1話に出演しています。
監督:ルキノ・ヴィスコンティ(1話)、マウロ・ボロニーニ(2話)、ピエル・パオロ・パゾリーニ(3話)、フランコ・ロッシ(4話)、ヴィットリオ・デ・シーカ(5話) 出演者:シルヴァーナ・マンガーノ(グローリア;渋滞に遭った女;アッサディーナ;ナンジア;ジョバンナ)、アニー・ジラルド(ヴァレリア)、フランシスコ・ラバル(パオロ)、アルベルト・ソルディ(トラック運転手)、トト(チャンチカト)、クリント・イーストウッド(カルロ)ほか
映画「華やかな魔女たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「華やかな魔女たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「華やかな魔女たち」解説
この解説記事には映画「華やかな魔女たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
華やかな魔女たちのネタバレあらすじ:第1話・疲れきった魔女
オーストリアの雪深い町キッツビューエルの一軒の山荘の前に、一台の自動車が停まる。美貌で知られる世界的映画スター、グローリアが友だちヴァレリアの結婚10周年を祝うパーティーに来たのだ。
女主人が紹介した特別ゲストに他の金持ちの招待客たちは驚く。しかし、グローリアは男たちの好奇の視線、女たちの羨望ややっかみの対象でもあった。
他の客のピアノに合わせてダンスをしているうちに卒倒してしまい医者が呼ばれるが、女たちは、グローリアが楽にできるようにという理由をつけて、好奇心でつけまつげ等、グローリアのメイクをはがしていく。そして彼女の、やり手プロデューサーである夫の力で次々と舞い込む仕事によって疲れきった顔が残る。
深夜、眠れないグローリアが1階の書斎でまた気分が悪くなる。彼女を介抱したヴァレリアは妊娠であるとグローリアに教える。だがその時、ちょうどニューヨークから電話して来た夫は、子供が生まれるから休養を取りたいという妻の願いを聞き入れない。夫にとって大切なのは妻の女優としてのキャリアだけだった。
翌朝、グローリアの滞在に気付いて押し掛けたマスコミ、パパラッチをかきわけて、いつも通り映画スターの顔にもどったグローリアは、ヘリコプターに乗って山荘を去った。
華やかな魔女たちのネタバレあらすじ:第2話・市民気質
自動車事故による渋滞に遭った金持ち女が、血を流しているトラック運転手を救急車代わりに自分の自動車で運ぶと申し出る。白いハンカチをひらめかせ、車の間をぬって猛スピードで突っ走るが、次々と病院を通り過ぎていくのに怪我人は気づく。
女は郊外で自動車を停め、怪我人を下ろし、別の男の方に歩く。怪我人を自動車に乗せたおかげで、デートの時間に間に合った。放り出された怪我人は無人の空き地で倒れる。
華やかな魔女たちのネタバレあらすじ:第3話・月から見た地球
妻が死んで墓標の前で泣くチャンチカトと、その息子バチウ。二人はいっしょに、二人とも納得できる新しいお母さんを捜すことにする。
1年後、とうとう祭壇の前にひざまずく緑色の髪の美しい女性、アッサディーナを見つける。耳の聞こえない彼女にパントマイムで説明して、司祭の前に連れていき結婚式をする。
新妻が見せられた家は粗末な家が並ぶ界隈でも、ひときわ目立つ掘立小屋だったが、アッサディーナは夫と息子に目をつぶらせ、二人が目を閉じている間に室内を片付け、おしゃれな部屋に変えた。
チャンチカトは道の反対側にある立派な家を手に入れるために一つのアイデアを思いつく。アッサディーナをローマのコロッセウムの高い所に上らせる。彼女の子供は次々に病気になるので、生まれてくる子が死ぬのを見たくないから自殺しようとしているということにする。
見物人は自殺を思いとどまらせようと寄付を次々と始め、計画は成功したかと思われたが、観光客が投げたバナナの皮に足をすべらせてアッサディーナが墜落してしまう。
先妻の墓標の隣のアッサディーナの墓標の前で泣いた後、父と息子は小屋に帰るが、そこには花嫁衣裳のアッサディーナが。驚いて逃げた二人だが、彼女はお昼には昼ご飯を作って待っていた。生きていても死んでいても同じこと。三人は小屋で楽しく暮らすことになる。
華やかな魔女たちのネタバレあらすじ:第4話・シシリア娘
ナンジアが人形を作って呪いをかけているのを父親が見てしまう。誰を呪おうとしているのか問い詰める父に、娘は最初は頑固に抵抗するが、ある男が求愛の仕草をして彼女の心に火をつけたのに、その後そっけない態度をとったことを話す。
最後に娘は男の名はニコロだと教える。父はニコロを銃で暗殺する。それはニコロの一家とナンジアの一家の血で血を洗う抗争に火をつける。ナンジアは親族の男たちの真新しい棺を前にして女だけになってしまったと嘆きの声を上げる。
華やかな魔女たちのネタバレあらすじ:第5話・またもやいつもの通りの夜
ジョバンナはアメリカ人の夫カルロが、今や彼女の話すことやすることに無関心なことに、はらわたの煮えくり返る思い。その怒りが様々な妄想を呼び起こしていたが、それを押し隠して主婦の務めを果たしている。
会社の上司にペコペコし、家ではいつも眠たそうな夫。結婚した頃はあんなに情熱的だったのに。女性解放と言うけれど女は家では奴隷。誰かスーパーヒーローが現れて夫や漫画ばかり読んでいる二人の息子から私を解放してほしい。
ベッドで夫は、年末には二人水入らずで休暇を過ごし一日中愛し合おうと話し、ジョバンナもいい気分になるが、夫はいつの間にか眠ってしまう。あなたは気づかないけれど私の方はまだ若くて魅力的なのよ。
ジョバンナは男たちが皆スタジアムまできらびやかなドレスを身にまとった彼女を追って行進し、彼女のショーに夢中になるのを妄想する。
「カルロ」という叫びで夫は目を覚ますが、カモミールティーを妻に勧めてまた眠りに着く。しかし、結局ジョバンナはカルロを愛しているのだった。
以上、映画「華やかな魔女たち」のあらすじと結末でした。
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