危険がいっぱいの紹介:1964年フランス映画。マフィアのボスの女に手を出したことで、追われる羽目になった詐欺師の男。富豪の未亡人宅にかくまわれた彼は、逃げ出す算段をするものの、思わぬ誤算でその屋敷で囚われの身となってしまう。
監督:ルネ・クレマン 出演:アラン・ドロン(マルク)、ジェーン・フォンダ(メリンダ)、ローラ・オルブライト(バーバラ)、アンドレ・オウマンスキー(ヴァンサン)、ソレル・ブーク(ハリー)、ほか
映画「危険がいっぱい」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「危険がいっぱい」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
危険がいっぱいの予告編 動画
映画「危険がいっぱい」解説
この解説記事には映画「危険がいっぱい」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
危険がいっぱいのネタバレあらすじ:起・怪しい屋敷
マフィアのボスの情婦に手を出したことで、マフィアから命を狙われることになった詐欺師のマルク。彼はすんでのところで逃げ出し、教会に逃げ込む。貧しい者たちの救済施設となっているこの教会にしばらく潜むことにしたマルクは、そこに慈善で訪れた富豪の未亡人バーバラの目にとまり、彼女の運転手として住み込みで雇われることになる。
広い屋敷にはバーバラと、使用人として働く彼女のいとこメリンダの女2人だけ。しかもまだ若く美しいバーバラが慈善活動だけに費やしていることを不審に思ったマルクは、新聞社で彼女の夫の死について調べる。すると夫は彼女の愛人だったヴァンサンに殺され、彼はいまだに失踪中だということが分かる。マルクはバーバラの不審な行動からヴァンサンが屋敷内にかくまわれていることを突き止める。
危険がいっぱいのネタバレあらすじ:承・練られた計画
バーバラは夫殺害から2年間、ヴァンサンを屋敷の屋根裏にかくまい、国外へ逃亡する計画を練っていた。彼に似た年恰好の男を身代わりにして殺し、その男のパスポートを手に入れるため、失踪しても誰も探すことのない男を慈善活動と称して教会で探していたのだった。
バーバラからビザを取るように言われ、身の危険を感じたマルクは一計を案じ、ヴァンサンに成り代わって財産を手に入れようと、バーバラを誘惑。まんまと彼女の心を手に入れる。
危険がいっぱいのネタバレあらすじ:転・もう1つの計画
一方、女2人の生活に突如現れた男前のマルクに、あっという間に惹かれていったメリンダ。しかしいくら誘ってもマルクはメリンダを子ども扱いして相手にしない。マルクの興味がバーバラに向いているのを見たメリンダは、2人の仲を裂くため、他にも男がいるようなニセの電報を打つ。
このことがヴァンサンにも知られ、裏切られたと思ったヴァンサンはバーバラを撃ち殺すと、そこへ現れたマフィアらがマルクと間違えてヴァンサンを撃って逃げ去る。
危険がいっぱいの結末:入れ替わった“囚われの身”
ヴァンサンが自分の身代わりとなって死んだことで半ば計画が成功したマルクは、逃亡を計る。2人の死体を処分するため、車のトランクに入れて出ようとすると、メリンダも乗り込んでくる。
途中、市場でメリンダはタイヤに細工してパンクさせると、やってきた警官の前でトランクを開けさせ、死体を発見させる。マルクはとっさにそこから逃げ出し、メリンダはショックを受けたフリをする。
そして今、マルクはヴァンサンが2年間暮らしていたバーバラの屋敷の屋根裏にいた。バーバラ亡き後、屋敷はメリンダの物になっていた。指名手配となったマルクは、もはや表に出ることはできない。メリンダはバーバラに成り代わって財産とマルクを手に入れたのだった。
以上、映画「危険がいっぱい」のあらすじと結末でした。
この映画「危険がいっぱい」は、ルネ・クレマン監督とアラン・ドロンの「太陽がいっぱい」のコンビで、夢よ再びとばかりに製作された、デイ・キーン原作のコミカル・サスペンスだ。
アメリカのギャングの情婦に手を出して追われる、いかさまギャンブラーのアラン・ドロンが、アメリカ人の未亡人の運転手として雇われ別荘に。
そこには彼女と共謀して、夫を殺した愛人が匿われていたが、未亡人の姪のジェーン・フォンダが、ドロンに惚れたことから、当初の計画が狂い出す。
やがて、未亡人とドロンの仲を愛人が疑い、ジェーンも嫉妬する。
そこに、ギャングの手下もやって来て、最後には小悪魔のジェーンの思い通りの結末に———-。
世紀の二枚目俳優アラン・ドロンの絶頂期の魅力が全開の作品で、ルネ・クレマン監督のエスプリの効いた演出も軽快だ。