映画「イノセント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
イノセントの紹介：1975年イタリア映画。1900年前後、ローマに住む貴族のトゥリオは無神論者で地上のものを越えるものの価値を認めない。貞淑な妻がありながら愛人を独占しようと願う。そして妻にも愛する男が現れる。ガブリエーレ・ダヌンツィオの『罪なき者』（1892）を原作とする。ズームによる視線の演出が冴える、ヴィスコンティの遺作。
監督：ルキーノ・ヴィスコンティ 出演者：ジャンカルロ・ジャンニーニ（トゥリオ・エルミル）、ラウラ・アントネッリ（ジュリアーナ・エルミル）、ジェニファー・オニール（テレーザ・ラッフォ）、ディディエ・オードパン（フェデリコ・エルミル）、マルク・ボレル（フィリッポ・ダルボリオ）その他
この解説記事には映画「イノセント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ローマ。公爵夫人の館での音楽界。テレーザは遅れて来た彼女の愛人トゥリオとその妻ジュリアーナと思いがけず鉢合わせになる。結婚は破綻しているとトゥリオに言われていたテレーザが二人を見て腹を立てて帰宅すると、トゥリオも音楽会を放り出して彼女の家に行く。トゥリオはその夜ジュリアーナに君を妹のように愛しているがテレーザを手放すことはできないと話し、次の日テレーザとフィレンツェに旅立ってしまう。
兄と入れ替わるように、トゥリオの弟フェデリコが軍隊の休暇を過ごしに来た。夜、彼が友人たちと食事を取っている自室にジュリアーナが倒れこんでくる。睡眠薬を飲んで気分が悪くなったのだ。彼女を介抱した、フェデリコの学校の先輩で有名作家のダルボリオとジュリアーナは知り合うことになった。
再び公爵夫人の館の音楽会。公爵夫人の隣に座るジュリアーナは彼女をじっと見つめるダルボリオの視線を感じていた。そこに突然フィレンツェから戻ってきた夫が現れジュリアーナは驚く。その夜ジュリアーナは夫のテレーザへの不平と妄執とを聞かされるはめに。
翌日トゥリオは、ジュリアーナがいるはずのオークションに出かけるが、妻の代わりにテレーザに出くわす。二人はよりを戻すが、トゥリオはジュリアーナがオークションに全く現れなかったことを知る。トゥリオが帰宅するとジュリアーナは、トゥリオの母の住むパディオラの別荘に向けて汽車で旅立った後だった。
妻の愛人は家に本の送られてきていた作家のダルボリオに違いない。たまたまダルボリオとフェンシングの手合わせをした後トゥリオは、彼がシャワーを浴びるのをにらみつける。トゥリオは妻がいないのでテレーザの家で暮らしていたが妻のことが気になる。テレーザとパリに行く予定を変えてパディオラに来てしまった。一家で所有しているが今は誰も住んでいないリラ荘をトゥリオはジュリアーナと共に訪れ、そこでジュリアーナを抱く。トゥリオは妻であり妹であったジュリアーナを始めて愛人として愛した。
しかし、母の別荘に戻ったトゥリオは妻の妊娠を知る。母やフェデリコは相続人ができたことを喜ぶが、それがダルボリオの子であることを知るトゥリオは妻に堕胎を望む。
トゥリオはフェデリコを通じてダルボリオと会う機会をもとうとするが、フェデリコはダルボリオがアフリカで熱病に感染して帰り、重体であるというニュースを伝える。やがてダルボリオは亡くなり、書店は彼の著書を陳列し、新聞は大きく死を扱う。
トゥリオの母の別荘では、堕胎を拒んだジュリアーナが無事に赤ん坊を産む。赤ん坊をトゥリオはかわいがろうとせず、ジュリアーナもトゥリオの前では赤ん坊を憎んでいるふりをする。やがてクリスマスイヴの夜、赤ん坊と無神論者のトゥリオ以外、母の屋敷の者は皆、雪が降りしきる中ミサに出かける。そのすきにトゥリオは赤ん坊を冷たい外気にさらす。赤ん坊は死に、ジュリアーナは一生ダルボリオを愛し続けトゥリオを呪い続けることを誓う。
トゥリオは馬車の中でテレーザに事の顛末を話す。テレーザは赤ん坊の死はあなたのせいとは限らないと慰める。でもトゥリオは自分には殺す意思があったことを認める。テレーザを初めてローマの屋敷に入れる。死んだ男には勝てないというテレーザだが、トゥリオは自分のダルボリオへの敗北を認めようとしない。いっしょに暮らそうと言うトゥリオにテレーザは、あなたは自分があった男の中で一番素敵だけれどもう愛してはいないと言う。
朝が来る。トゥリオは引き出しからピストルを取り出し、幕引きを見せたいとテレーザに言って、窓の側で自分の胸に向かって引き金を引く。テレーザは死体を置いて屋敷から歩き去る。
以上、映画「イノセント」のあらすじと結末でした。
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