ラスト、コーションの紹介：2007年中国,アメリカ映画。第二次世界大戦の最中、日本軍の占領下にあった香港と上海を舞台に、日本と手を組み抗日派の弾圧を任務とする中国政府高官と、その暗殺を目論む抗日派の女スパイとの立場を超えた愛憎を、過激な性描写を交えて描いた作品です。
監督：アン・リー 出演者：トニー・レオン（イー）、タン・ウェイ（ワン・チアチー／マイ夫人）、ジョアン・チェン（イー夫人）、ワン・リーホン（クァン・ユイミン）、トゥオ・ツォンファ（ウー）ほか
映画「ラスト、コーション」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラスト、コーション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
作品紹介・キャスト
映画「ラスト、コーション」解説
この解説記事には映画「ラスト、コーション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラスト、コーションのネタバレあらすじ：起
1938年の香港。ごく普通の女学生だったワン（タン・ウェイ）は憧れの学友クァン（ワン・リーホン）に誘われ、抗日運動をかかげる学生劇団にスカウトされます。やがて劇団の活動は実戦をも伴うスパイ活動へとシフトしていき、ワンもスパイとして活動するようになります。1939年、ワンは「マイ夫人」に成りすまし、中国人でありながら日本軍と結託して抗日派を弾圧している特務機関員のイー（トニー・レオン）の暗殺を企てて彼に接近し、デートをすることには成功しますがイーの用心深さにより作戦は失敗、イーは上海への異動が決まり、夫人（ジョアン・チェン）を伴って香港を去っていきます。
ラスト、コーションのネタバレあらすじ：承
1942年、上海に移り住んだワンはクァンと再会し、イーが未だに日本軍と手を組んでいることを告げられます。イーは特務機関の中心人物に上り詰めていたのです。抗日組織の抜擢を受けたワンはスパイの世界に舞い戻り、再びマイ夫人を演じ、イーと再会を果たします。イーも次第にワンに興味を示すようになり、映画館へデートに出向きます。やがてイーの愛人となったワンは、幾度もイーと激しいセックスを重ねていきます。抗日組織はワンに対し、イーを誘惑し続けるように命じると、ワンは「彼を甘く見ないで」と答えました。
ラスト、コーションのネタバレあらすじ：転
ある時、クァンはワンにキスを求めますが、ワンは「どうして3年前にしてくれなかったの？」と突き放します。クァンたちはワンを道具としか見ておらず、唯一ワンのことを「女」として見てくれていたのはイーだったのです。もはやイーとワンは立場の違いを超えて愛し合う存在となっていました。ある日、イーはワンを日本料理店に誘います。そこでワンは、イーのために「天涯歌女」を歌い、イーは涙し、彼女に指輪を渡そうと決意します。
ラスト、コーションの結末
数日後、イーから指輪を受け取ったワンは、まさかの贈り物に感激しますが、抗日組織の暗殺者はすぐそばまで迫っていました。ワンはイーに「逃げて」と警告して脱出させます。イーの無事を確認したワンは、やがてクァンら抗日組織の面々と共に逮捕され、処刑場に送られます。イーは彼女と愛し合った時間を振り返りながら、愛が嘘ではなかったことを確かめようとベッドのしわを見つめていました。そして、ワンが処刑された同じ時間、イーは静かに涙を流すのでした。
舞台は日本占領下の香港と上海。抗日スパイのワン(タン•ウェイ)が日本の傀儡であるイー(トニー•レオン)に近づくうちに惹かれあってしまうという話。
レジスタンスのタン•ウェイと権力者であるトニー•レオンとの力関係が話題になった過激なベッドシーンを通してスリリングに描写されていてストーリーテリングの手法としては新しいと感じました。最後まで目が離せない良質のサスペンス映画でした。