炎の人ゴッホの紹介:1956年アメリカ映画。オランダの世界的画家フィンセント・ファン・ゴッホの生涯を描いた伝記映画。彼の伝記映画としては最も知名度の高い作品と言える。聖職者の道に挫折したフィンセントは画家を志し、一心不乱に筆を走らせる日々を送っていた。弟テオとの絆や絵画の道を邁進する友人達との交流は、フィンセントの情熱をいっそう激しいものにさせる。しかしその情熱は孤独を呼び、彼は次第に精神を病んでいくのだった。
監督:ヴィンセント・ミネリ 出演者:カーク・ダグラス(フィンセント・ファン・ゴッホ)、ジェームズ・ドナルド(テオ・ファン・ゴッホ)、アンソニー・クイン(ポール・ゴーギャン)、パメラ・ブラウン(クリスティン)、ジル・ベネット(ウィリーマイン)、エヴェレット・スローン(ガッシェ)、ニオール・マッギニス(ルーラン)、ほか
映画「炎の人ゴッホ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「炎の人ゴッホ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「炎の人ゴッホ」解説
この解説記事には映画「炎の人ゴッホ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
炎の人ゴッホのネタバレあらすじ:求道者
舞台は1878年、ベルギー。牧師の息子フィンセント・ファン・ゴッホは、伝道師として炭鉱地帯ボリナージュ地方に赴任します。病と貧困に苦しむ村人を真に理解するため、フィンセントは村で一番粗末な家に住み、みすぼらしい格好で彼らの仕事を手伝い始めます。しかしその行為は教会の尊厳を貶めていると判断され、聖職者の道は閉ざされてしまいました。自らの道を見失ったフィンセントの元へ、パリで画商をしている弟テオドルス(愛称テオ)が訪ねて来ます。兄を心から慕うテオは、道を見つけるまで実家に戻り静養するよう勧めました。テオの提案を受け入れ、オランダ、エッテンの家に戻ったフィンセント。彼は絵を描くことこそ自分の道だと感じ、熱心に絵を描き始めました。あまりに熱心過ぎて日常生活にも支障をきたす彼に、家族はあまり良い顔をしません。
炎の人ゴッホのネタバレあらすじ:恋と挫折
そんな折、若くして未亡人となったいとこのケーが息子を連れて訪ねて来ました。ケーに恋をしたフィンセントは強引に彼女に迫りますが、強く拒絶され失意の底に沈みます。失恋の悲しみでハーグの酒屋に寄ったフィンセントは、そこで貧しいシングルマザー、クラシーナ・マリア・ホールニク(愛称シーン)と出会います。フィンセントはシーンに惹かれ、やがて彼女と彼女の子どもと一緒に暮らし始めます。同時期、フィンセントは義理のいとこで画家のマウフェから絵の指導を受けるようになりました。しかしフィンセントが金を全て絵のために使ってしまうため、貧困に喘ぐシーンは不満を口にします。そしてフィンセントの父が体調を崩したことをきっかけに、2人は別れることにしました。フィンセントは家族が住むニューネンへ向かい、父の死を嘆き悲しみます。
炎の人ゴッホのネタバレあらすじ:パリの出会い
フィンセントはニューネンで一心不乱に絵を描き始めました。特に自然や労働者の姿を熱心に描きます。しかしその姿は小さな村では気味悪がられ、ファン・ゴッホ家は白眼視されるようになってしまいました。フィンセントはテオを頼りパリに移住します。パリに移ったフィンセントが見たのは数々の印象派絵画でした。すっかり魅了されたフィンセントは、ピサロやスーラなど画家達との交流を深めていきます。特にポール・ゴーギャンとは気が合いました。しかしパリに移住して1年、全く絵が売れないフィンセントは苛立ち、テオとも激しい口論をするようになります。フィンセントは置き手紙を残し単身アルルに移住しました。テオはフィンセントの絵を薦めるあまり客を失っていましたが、それでも「兄の絵は最高です」と才能を信じ続けるのでした。
炎の人ゴッホのネタバレあらすじ:アルルの幸福と悲劇
アルルに到着したフィンセントは美しい自然に魅了され、精力的に絵を描き始めます。しかし冬になるとアルルには強い北風が吹き荒れるため、やむなく家に篭る日々が続き、フィンセントは神経を病んでいきました。そんな折、テオから結婚の報告を受け取ります。複雑な孤独感に苛まれるフィンセントは、ゴーギャンをアルルに呼ぶことにしました。ゴーギャンとの共同生活は喜びに満ちていました。しかし2人は絵について意見が合わず、人生観も大きく違っていました。関係はみるみる悪化し、ある夜激しい喧嘩の後ゴーギャンは外に出て行ってしまいました。フィンセントは苦悶し、汗だくで泣きじゃくります。そして錯乱した彼は自らの耳を切り落としてしまうのでした。翌日、帰宅したゴーギャンは事件を知り、アルルの家を出て行きます。フィンセントは目眩や幻覚などの発作に悩まされ、アルル近郊サン=レミの施設に入所し治療を受けることになりました。1889年5月のことです。
炎の人ゴッホの結末:苦悩の人生
フィンセントはしばらく極度の恐怖を伴う無気力状態にありました。絵を描くことで次第に回復し始めますが、発作は完治しませんでした。施設を退所して一旦テオの元へ身を寄せるフィンセント。テオはフィンセントの「赤い葡萄畑」が売れたと嬉しそうに報告します。しかしフィンセントはすぐにオーヴェルに発ち、絵画収集家でもあるポール・ガシェ医師の治療を受けることにしました。ガシェは発作のことを忘れ、心ゆくまで絵に打ち込むようアドバイスします。毎日絵を描き続けますが、フィンセントの心は一向に癒されませんでした。麦畑でカラスに襲われながら一心不乱に絵を描いていたフィンセントは、「だめだ。もうだめだ!」と叫び拳銃自殺を図ります。連絡を受け駆けつけたテオに、「家に帰りたい」と呟いてフィンセントはその過酷な生涯を終えました。フィンセント・ファン・ゴッホが遺した数々の絵画が画面いっぱいに映し出され、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画炎の人ゴッホのあらすじと結末でした。
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