マーニー(別題:マーニー/赤い恐怖)の紹介:1964年アメリカ映画。1961年に発表された、ウィンストン・グレアムの小説『Marnie』を巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が映画化した心理サスペンスです。幼児期に体験した事件のトラウマから犯罪を犯してしまう女性と、彼女を救おうと奮闘する夫の行動を描きます。
監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演者:ティッピー・ヘドレン(マーニー・エドガー)、ショーン・コネリー(マーク・ラトランド)、マーティン・ガベル(シドニー・ストラット)、ダイアン・ベイカー(リル・マインウォーリング)、ルイーズ・ラサム(バーニス・エドガー)、マリエット・ハートレイ(スーザン・クレイボン)、アラン・ネピア(ラトランドの父)、ヘンリー・ベックマン(探偵)、ブルース・ダーン(水兵)ほか
映画「マーニー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マーニー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マーニーの予告編 動画
映画「マーニー」解説
この解説記事には映画「マーニー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マーニーのネタバレあらすじ:起
ニューヨーク。シドニー・ストラット(マーティン・ガベル)の会計事務所にて、金庫から1万ドル近くの資金が盗まれる事件が発生しました。犯人はストラットが雇っていたマリオン・ホランドと名乗る女性事務員でした。
ストラットと付き合いのある実業家マーク・ラトランド(ショーン・コネリー)は現場を訪れ、ストラットは必ず犯人に報いを受けさせると息巻きました。
その頃、ホテルに着いたマリオンは黒く染めた髪を元のブロンドに戻し、身分証明書を本来の名であるマーニー・エドガー(ティッピー・ヘドレン)に差し替えました。
故郷のバルチモアに向かったマーニーは足の不自由な母バーニス(ルイーズ・ラサム)の家を訪れましたが、マーニーはバーニスの元によく遊びに来る少女ジェシー(キンバリー・ベック)に嫉妬心を抱きました。バーニスに甘えたいマーニーはミンクの襟巻きをプレゼントしましたが、自分は母から愛されていないことを感じ取りました。そんなマーニーは赤いものに強いトラウマを抱えており、悪夢にうなされていました。
マーニーのネタバレあらすじ:承
マーニーは“メリー・テイラー”という偽名を名乗り、フィラデルフィアにあるラトランドの会社の面接を受けて採用されることになりました。帳簿係に配置されたマーニーは世話役のスーザン・クレイボン(マリエット・ハートレイ)の下で働き始める一方、経理部長が金庫から金を出し入れするのを見逃しませんでした。
ラトランドは自分に事業を継がせた父(アラン・ネピア)、義妹(亡くなった元妻の妹)のリル・マインウォーリング(ダイアン・ベイカー)と暮らしており、二人にマーニーを紹介しました。マーニーに想いを寄せていたラトランドは、彼女が馬に興味があることなどを利用して何とか気を引こうと試みました。
やがてマーニーとラトランドは惹かれ合っていきましたが、マーニーはブラウスに付いてしまった赤いインクや騎手の赤いユニフォーム、そして雷鳴にすらも怯えてしまっていました。
そんなある日、マーニーは社員が退社した隙を見計らって金庫に潜入、現金を奪いましたが、マーニーの行動は全てラトランドに見抜かれていました。ラトランドはマーニーがストラットから金を奪った犯人であることをも見破っており、あえてマーニーを雇ったことを明かしました。
マーニーもまた犯行を認め、自分は泥棒で嘘つきだと打ち明けました。ラトランドはマーニーを愛してしまったことを伝え、自分が全ての責任を持つから今週中に結婚しようと告げました。
マーニーのネタバレあらすじ:転
ラトランドは強引にマーニーと結婚、新婚旅行で太平洋への船旅に出発しましたが、マーニーはラトランドの求めを動揺しながら拒んでしまい、無理に抱こうとしたラトランドから逃れてプールに身を投げてしまいます。ラトランドに助けられたマーニーでしたが、結局二人は旅行を途中で打ち切って帰国することにしました。
それからラトランドとマーニーは表向きは良好な関係を装い、実際は別々の寝室で寝るなど夫婦の営みはありませんでした。
かねてからラトランドに想いを寄せていたリルは彼に言い寄り、死んだと聞かされていたマーニーの母が生きていること、マーニーは母バーニスに金を送ると電話をかけていたことを聞かされました。
ラトランドは探偵を雇ってバーニスの住所やマーニーの秘められた過去を調べ始め、悪夢にうなされるマーニーを自分が守ると言ってなだめました。
程なくして、ラトランドとマーニーの結婚パーティーが開かれましたが、パーティーを仕切ったリルはわざとストラットを招待、ストラットの姿を見たマーニーは取り乱して逃げようとしてしまいました。ラトランドはストラットと交渉し、マーニーの行いを事件沙汰にしないよう尽力していました。
マーニーの結末
翌日、マーニーは招待客と共に愛馬で狩猟に出かけましたが、招待客の一人の着ていた赤い乗馬服を見て取り乱してしまい、愛馬を骨折させてしまいます。泣く泣く愛馬を射殺したマーニーはラトランドの前から姿を消すことを決意、最後の彼の会社に忍び込んで金を盗もうとしました。
ラトランドは思い悩むマーニーをバーニスの元に連れて行き、バーニスが過去に起こしたとされる事件の裁判記録を調べたことを伝えてマーニーとバーニスから衝撃の過去の全容を聞き出しました。
かつてバーニスは娼婦として生計を立てていたのですが、ある激しい嵐の夜、バーニスの客である水兵(ブルース・ダーン)がまだ幼かったマーニーに手を出そうとしたのです。マーニーを守ろうとしたバーニスが水兵に襲われたその時、マーニーは木の棒を手にして男を殴り殺してしまったのです。
水兵を死ぬまで殴り続けたマーニーは、その時の雷鳴と男が流した鮮血の赤によりトラウマを抱えてしまい、これがマーニーを犯罪に走らせてしまう要因となっていたのです。
バーニスはマーニーの身代わりとして自首、裁判で正当防衛が認められて無罪放免となったのです。バーニスはマーニーを自分のような人間にしないことを固く誓い、マーニーはバーニスが自分を愛していたことに改めて気づかされました。
ラトランドは自分が必ずマーニーを更生させると約束、ようやくトラウマを克服したマーニーはラトランドについていく決心をしました。
以上、映画「マーニー」のあらすじと結末でした。
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