マーティン・エデンの紹介:2019年イタリア,フランス,ドイツ映画。イタリア、ナポリの労働者階級が住む地区に生まれ育った貧しい船乗りのマーティンは優雅なブルジョワの高嶺の花に恋をしたことから作家を目指す。幾多の障壁と挫折を繰り返しながら困難を克服し知識を得ていくことで自分を解放し前進していく。ついに名声と富を手にしたマーティンだったが…。原作は20世紀アメリカ文学の傑作、ジャック・ロンドンの自伝的小説『マーティン・イーデン』。主演のルカ・マリネッリは本作の演技でヴェネツィア国際映画祭において男優賞を受賞した。また、ドキュメンタリーとフィクションを自由に行き来する手法もみどころ。
監督:ピエトロ・マルチェッロ 出演:ルカ・マリネッリ(マーティン・エデン)、ジェシカ・クレッシー(エレナ・オルシーニ)、デニーズ・サルディスコ(マルゲリータ)、ヴィンチェンツォ・ネモラート(ニーノ)、カルメン・ポメッラ(マリア)、カルロ・チェッキ(ラス・ブリッセンデン)、マルコ・レオナルディ(ベルナルド・フィオーレ)、アウティリア・ラニエーリ(ジュリア・エデン)、エリザベッタ・ヴァルゴーイ(マティルデ・オルシーニ)、ピエトロ・ラグーザ(オルシーニ氏)ほか
映画「マーティン・エデン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マーティン・エデン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マーティンエデンの予告編 動画
映画「マーティン・エデン」解説
この解説記事には映画「マーティン・エデン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マーティンエデンのネタバレあらすじ:起
イタリア、ナポリの労働者階級者が暮らす貧しい地区。ここで生まれ育ったマーティン・エデンは船乗りをしながらその日暮らしを送っていました。
ある日、マーティンは店で知り合った娘マルゲリータと船で一夜をすごしたあと、暴漢に襲われていた少年を助けました。少年はアルトゥーロといい、良家の息子でした。お礼に彼の住む屋敷へ招かれたマーティンはアルトゥーロの姉エレナと出会い、若くて美しく教養豊かなその姿に一目で恋に落ちました。それは同時に、彼女を取り巻くブルジョワの文化や教養の世界に強い興味と憧れを持つきっかけでもありました。
その日以来、むさぼるように読書に没頭するマーティンは、文学の世界に目覚めていき、エレナと再会したときに「あなた方を目指したい、あなた方みたいに教養高く話し考えたい」と打ち明けました。
マーティンの情熱に惹かれながらも「学校に通い直すべき」と諭すエレナ。しかしマーティンには学校に通うだけの経済力はなく、とても非現実的な話でした。
マーティンエデンのネタバレあらすじ:承
そんなある日、船のトラブルで一夜にして職を失ったマーティンは友人のニーノと工場の仕事にありつきます。仕事は過酷でしたが、その合間に独学で教養を身に付け、エレナとの文通を通じて文章や詩を伝える日々が続きました。しかし横暴な雇用主に耐えることができなくなったマーティンは数か月の重労働の末、工場の仕事も辞め、ついに本格的に作家になる決意を固めました。
しかし、エレナは彼の無謀な夢に心から賛成することができません。
マーティンはまず稼ぎを得るために執筆した作品を次々に出版社へと送り始めます。
なかなか結果の出ない中、マーティンはある一冊の本と出会います。それはイギリスの哲学者・社会学者であるハーバート・スペンサーの本でした。これがきっかけとなり次第に政治的関心が芽生えていきます。
しかし、マーティンの原稿は不採用となり返却され続けます。ついに居候していた姉夫婦の家を追い出されてしまったマーティンは些細なきっかけで、女手ひとつで子供たちを育てる心優しいマリアの郊外の家に間借りし、心機一転新しい生活を始めます。
エレナには作家活動に集中するため、成功するまで2年間猶予がほしいと約束を告げました。
マーティンエデンのネタバレあらすじ:転
寝る間も惜しんで作品を執筆するもののまだ採用の知らせはありません。
そんな中、久々にエレナに会うために出かけたオルシーニ家のパーティで、謎の老紳士ラス・ブリッセンデンと出会います。彼はマーティンを気に入り、芸術家の集うサロンに連れて行くと、活動家たちに紹介しました。
その後も雑誌の投稿作品は相手にされず、エレナとのすれ違いも増え、次第に生活が困窮していったマーティンはついに倒れてしまいます。病気で寝込んでいるところに届いたのは、出版社からの採用の知らせと原稿料20万リラの小切手でした。
この知らせをマリアやエレナは大喜びでしたが、プリッセンデンの表情は曇っていました。ブリッセンデンは才能を雑誌の投稿などでつぶしてはいけないと、マーティンを社会主義の集会に連れていき演説をさせました。
しかしこの行為はエレナやエレナの家族からの怒りを買うことになり、ついに決別してしまいました。
その後、かつて知り合ったマルゲリータと再会し、寂しさを埋める一方で、ブリッセンデンの体調が悪化していることを知ります。ブリッセンデンは自身が執筆した最高傑作『カゲロウ』をマーティンに託すとまもなく自ら命を絶ち帰らぬ人となってしまいました。
最愛の恋人と、真の理解者であった友人をいっきに2人亡くし打ちひしがれたマーティンは孤独の悲しみに沈みました。
マーティンエデンの結末
時が経ち、作家として大成功を収めたマーティンは、富も名声も手に入れ、何不自由のない暮らしを送っていました。
今や講師として講演会に招かれるまでになったマーティンは、観客の中にかつての恋人エレナの姿を見つけます。
その後、屋敷を訪ねてきたエレナは再びやり直したいと泣きつきましたが、マーティンは愛を失っていました。
そこにはかつて「あなた方を目指したい」と言っていたマ―ティンの姿はありません。これまでに自分に見向きもしなかった出版社、友人、家族、そしてエレナまでもが、名声を手にした瞬間に手のひらを返した態度をとってくると不満をぶちまけ、激高しエレナを追い返してしまいます。
屋敷を後にするエレナの姿を窓から見つめるマーティン。
そこに遠くから早歩きでエレナの横を通りすぎる青年がいました。
それはかつて船乗りだったころの自分の姿でした。
誘われるように彼の後を追い、浜辺へやってきました。海を見て一瞬微笑んだような表情をし、海に向かって歩いていくのでした。
以上、映画「マーティン・エデン」のあらすじと結末でした。
ストーリーは退屈なんだけど映像の美しさ、主演のギラギラした魅力で最後までみれてしまう
かって欲したものが今では愛しつつも憎い、、、