ザ・ダイバーの紹介:2000年アメリカ映画。貧しい小作農の家に生まれたカール・ブラシアは、海に憧れて海軍を志望する。ところが黒人にはコックの仕事しか与えられない。ある日カールは上司に泳ぎの速さを見込まれるが…。アメリカ海軍で黒人初のマイスター・ダイバーとなるまでの伝説の男の栄光と苦難の道程を描く。
監督:ジョージ・ティルマン・Jr 出演:ロバート・デ・ニーロ(ビリー・サンデー)、キューバ・グッディング・Jr(カール・ブラシア)、シャーリーズ・セロン(グウェン・サンデー)、アーンジャニュー・エリス、ハル・ホルブルック、マイケル・ラパポート、パワーズ・ブース、デヴィッド・キース、ジョシュア・レナード、ほか
映画「ザ・ダイバー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・ダイバー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・ダイバーの予告編 動画
映画「ザ・ダイバー」解説
この解説記事には映画「ザ・ダイバー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・ダイバーのネタバレあらすじ:起
アメリカはケンタッキー州ソノラの貧しい小作農の家に生まれたアフリカ系アメリカ人のカール・ブラシアは、父の農業を手伝いつつ、いつかは海軍に入り、海で仕事をしたいと考えていました。父から唯一のラジオの贈り物を受け取り、二度と戻ってこないようにと忠告され、カールは海軍基地行きのバスに乗り込みました。
しかし1940年代当時、黒人にはコックの仕事しかありませんでした。休憩の合間、許可も取らずに白人たちの間を縫ってカールは海へ飛び込みました。彼の泳ぎの速さを目にした上官は彼を甲板兵に抜擢します。
ザ・ダイバーのネタバレあらすじ:承
そんな折、ヘリが墜落し、二人の乗務員が海に落ちてしまいました。彼らを引き上げるため、同乗していたマイスター・ダイバーのサンデーが巨大な潜水具を身に着け、水に沈んでいきました。カールはこれを見て、マイスター・ダイバーになることを決意します。
その後、カールはダイバー養成所に入所できるように、のべ百通もの志願書を提出し、ようやく願いが叶いました。養成所の長官はマイスター・ダイバーであったビリー・サンデー。しかし白人ばかりの養成所にカールの居場所はありませんでした。
ザ・ダイバーのネタバレあらすじ:転
養成所のテストのため、所外の図書館に通うことにしました。そこでジョーという医者志望の若い黒人女性と惹かれあいます。ようやくダイバーとしての実力が付き、修了できるかと思いきや、ビリーたち上官がそうはさせまいと最終テストに細工をします。しかしカールは強い信念で極寒の海中に5時間もの間潜水し続けたのです。
その後ビリーはアルコール依存症と上官からの反感を買ったせいで退役してしまいます。カールはというと、所帯を持ち、子供に恵まれ、マイスター・ダイバーとしての使命を貫いていました。ところが、船上の事故でカールは右足を失ってしまいます。ジョーに止められるのも聞かず、ダイバーとして復帰するため、過酷なトレーニングを自らに課します。
ザ・ダイバーの結末
上官たちはダイバー復帰が難しいと判断しますが、カールは軍法会議にこぎつけます。会議でダイバーにふさわしいことを証明しなくてはいけません。
駆け付けたビリーの協力の元、100キロの潜水具を陸上で身に着け、12歩歩いてみせることに。義足がきしみ、数歩歩いたところで失神しそうになりますが、ビリーの鼓舞が利き、彼は12歩を歩き切ったのです。
以上、映画「ザ・ダイバー」のあらすじと結末でした。
実話を元にしている映画を見ると、純然たる事実と受け狙いの脚色の境目に漂うあざとさを感じてしまうことがあります。
それでも感動の実話ものの映画を見ると、文字通り感動して、世の中には凄い人がいたもんだ—–と、驚いてしまいます。
この映画の主人公である、黒人で最初のマイスター・ダイバーとなったカール・ブラシアの物語も例外ではなく、この人も絶対に諦めない人、そのものだと思いました。
でも、いったい、どこまでが純然たる事実なのかと、ふと疑問に思ってしまったのです。
あまりにもスーパーマン的に描かれているのが、その原因だと思いますが——-。
この映画には色々なエピソードがあるのですが、中盤を少し過ぎたあたりまで、それらが全部ぶつ切り状態に見えてしまいました。
エピソードがすんなりと繋がっているように感じなかったのです。
何となく舌足らずな脚本も気になりました。
だが、そういう欠点はあるものの、カール・ブラシアを演じているキューバ・グッティングJrと、その教官であるビリー・サンデーを演じているロバート・デ・ニーロは圧巻でしたね。
熱演だけれど、大仰には見えない自然さがあり、とても好感が持てました。
それから、サンデーの奥さんを演じているシャーリーズ・セロンも良かったですね。
この女優さんは、こういうアブナイ感じのキャラを演じさせたら天下一品ですね。
美しいし、本当に素敵な女優さんです。
そして、この映画の最大の見せ場は、重い潜水服を着たブラシアが、とある場所を歩くシーンですね。
見ているだけで力が入ってしまいました。