MONOS 猿と呼ばれし者たちの紹介:2019年コロンビア,アルゼンチン,オランダ,ドイツ,スウェーデン,ウルグアイ,スイス,デンマーク映画。時も場所も定かではない、どこかの山岳地方で暮らす8人の少年少女の兵士たち。ゲリラ組織の一員である彼らは「モノス(猿)」と呼ばれ、組織の指示のもと、人質であるアメリカ人女性の監視と世話をしている。厳しい訓練で心身を鍛える一方で、10代らしく無邪気に戯れる時を過ごす彼らだったが、ある日組織から預かった乳牛を仲間の1人が誤って撃ち殺したことをきっかけに仲間のバランスを崩していく。南米・コロンビアで50年以上続いた内戦を下敷きにした物語にした本作。サンダンス映画祭をはじめとする世界各国の映画祭でノミネート、受賞を果たした。
監督:アレハンドロ・ランデス 出演:ジュリアンヌ・ニコルソン(博士)、モイセス・アリアス(ビッグフット)、ウィルソン・サラザール(メッセンジャー)、ソフィア・ブエナベントゥーラ(ランボー)、デイビー・ルエダ(スマーフ)、ラウラ・カストゥリジョン(スウェーデン)、フリアン・ヒラルド(ウルフ)、パウル・キュビデス(ドッグ)、スナイデル・カストロ(ブンブン)、カレン・キンテーロ(レディ)ほか
映画「MONOS 猿と呼ばれし者たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「MONOS 猿と呼ばれし者たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
MONOS 猿と呼ばれし者たちの予告編 動画
映画「MONOS 猿と呼ばれし者たち」解説
この解説記事には映画「MONOS 猿と呼ばれし者たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
MONOS 猿と呼ばれし者たちのネタバレあらすじ:起
世界から隔絶された山岳地方で暮らす8人の少年少女。彼らは“モノス”というコードネームで呼ばれた、あるゲリラ組織の一員でした。それぞれをニックネームで呼び合い、時折組織から物資を届けにやってくるメッセンジャーから訓練されたり、任務をこなしたりして暮らしていました。
彼らの一番の役目は人質として拘束しているアメリカ人女性の博士を監視することでした。しかし、決して乱暴を働くということはなく、髪の毛をとかしたり食事を与えたりと手厚く世話をしてあげています。
この日も8人はメッセンジャーから厳しい戦闘訓練を受けたあと、点呼で整列。近況報告を行うモノスのリーダー、ウルフはレディと付き合いたいという要望を伝えました。
2人の関係を許可したメッセンジャーは、組織の支持者から預かった人質と同じくらい重要な乳牛、シャキーラの世話をウルフに任命しました。
MONOS 猿と呼ばれし者たちのネタバレあらすじ:承
訓練や任務以外の時間では、誕生日を迎えたランボーを慣習にならって全員で囲んでベルトでたたいたり、泥合戦をして無邪気に遊んだり、10代の顔をのぞかせる少年少女たち。交際を認められたウルフとレディ、そしてウルフの弟的な存在のランボーと3人で交互にキスをしてじゃれ合ったりもしました。
夜、みんなでキャンプファイアーを囲みウルフとレディを祝福すると、そのまま朝まで盛り上がり調子に乗ったドッグが銃を乱射しはじめました。しかし、流れ弾の1つが乳牛シャキーラへ命中し死んでしまいます。
腹を立てたウルフはドッグを穴に閉じ込め、みんなからひとり離れて自責の念からふさぎ込んでしまいました。そこへ銃声が鳴り響きました。責任に押しつぶされたウルフは自害してしまったのです。
ビッグフットは亡くなったウルフにシャキーラの罪をなすり付け、さらにはみんなで牛肉を食べようと言い出しました。ウルフを兄のように慕っていたランボーと、恋人だったレディは複雑な思いを抱くものの、組織の均整をとるために仕方なく承諾することに。亡きウルフの後には、ビッグフットがリーダーとなりました。
MONOS 猿と呼ばれし者たちのネタバレあらすじ:転
ほどなくして敵の襲撃がはじまりました。銃弾と砲撃が飛び交う戦闘のなかで、博士の監視を任されたスウェーデンは銃を向けつつも、いつかテレビに出演して踊りたいと夢を語りました。襲撃は終わり、移動を余儀なくされたモノスはジャングルの奥地へ。そのとき、彼らの一瞬の隙をついて博士は逃げ出しました。
しかし、レディが人質の逃走を報告しようとした途端、ビッグフットが無線を破壊してしまいました。これにより、モノスは組織と決別したことになり、それまで平穏だった仲間のあいだに不穏な空気が漂いはじめます。
一方、脱出し川に潜りながら逃げる博士は、翌日にスマーフによって再び捕まってしまいます。ビッグフットは極限まで追い込まれた博士を鎖で縛るようランボーに命じました。必死に抵抗し苦しむ博士の首に、不本意ながら鎖を巻いたランボーは涙を見せます。
その翌日、レディとビッグフットが裸で寝ているところにメッセンジャーが現れました。応答のない無線や、許可をしていない男女関係など、モノスに不信を感じたメッセンジャーは訓練を通じ、再び統率をはかろうとします。
1人1人聞き取りを行った結果、自分の監視中に博士を脱走させてしまったことをバラされたスマーフは、ドッグがシャキーラを銃殺したことや、ビッグフットが独立を宣言したことを密告しました。
メッセンジャーは組織に許しを請うためにビッグフットを連れて、アジトへ向かいまいました。しかし、その途中でこともあろうかビッグフットはメッセンジャーを射殺。みんなのもとへ戻った彼は、スマーフを裏切り者として木に縛りつけました。
MONOS 猿と呼ばれし者たちの結末
組織やモノスに対して堪えられなくなったランボーはスマーフを助けて一緒に逃げる決意をします。しかし、スマーフの縄をほどく最中にレディに見つかり、単独で逃走。川に潜り流れ着いた先でボートを盗もうとして、所有者の男にみつかり保護されました。
その翌日、スウェーデンは博士の見張りを命じられていました。湖で楽しそうに漂う博士を見て、つられてスウェーデンも飛び込んできました。しかし、彼女の背後に回った博士は繋がれていた鎖でスウェーデンを絞殺すると、岩で鎖を叩き切り再び脱走しました。始終を見ていたスマーフは博士に連れていってほしいと涙ながらに懇願しましたが、博士は去っていきました。
一方、ランボーは幼い3人の子供と妻と暮らす男の家で目覚めました。男はランボーに食事を与え家族のだんらんに誘いました。これまでに経験したことのないようなあたたかい夜を過ごし眠りにつくランボー。しかし、翌朝、居場所を嗅ぎつけたビッグフットらが襲撃にやってきました。間一髪のところでランボーは逃げることができましたが、夫婦は彼らに射殺されてしまいました。
ビッグフットとサブリーダーのブンブンが追ってくる中、川に飛び込んだランボーは急流に飲み込まれ、下流で軍隊に保護されました。ヘリコプターにランボーを乗せ搬送する兵士は「身元不明の子供を発見した。どうしたらいいか?」と無線で指示を仰ぎました。
ヘリコプターの外の景色は、ゲリラが潜む山間部や密林から、建物が立ち並ぶ都会へと移り変わっていきました。ランボーは目に涙をいっぱいに溜め、これからの自分の運命に身をゆだねるのでした。
以上、映画「MONOS 猿と呼ばれし者たち」のあらすじと結末でした。
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