マザーレス・ブルックリンの紹介:2019年アメリカ映画。1950年代のニューヨーク。障害を抱えながらも驚異的な記憶力を持つ私立探偵のライオネルは、ボスであり唯一の友人でもあるフランク・ミナが目の前で殺害され、事件の真相を追っていく。ハーレムのジャズクラブやブルックリンのスラム街などを、わずかな手がかりと天性の勘を頼りに捜査していくと、ある黒幕にたどり着く。原作は1999年にジョナサン・レサムが発表したミステリー小説。約19年ぶりに監督を務めたエドワード・ノートンは、監督のほか脚本、製作、主演も兼任している。
監督:エドワード・ノートン 出演:エドワード・ノートン(ライオネル・エスログ)、ブルース・ウィリス(フランク・ミナ)、ググ・バサ=ロー(ローラ・ローズ)、ボビー・カナヴェイル(トニー・ヴェルモンテ)、チェリー・ジョーンズ(ギャビー・ホロウィッツ)、マイケル・ケネス・ウィリアムズ(ウィントン・マルサリス)、レスリー・マン(ジュリア・ミナ)、イーサン・サプリー(ギルバート・コニー)、ダラス・ロバーツ(ダニー・ファントル)、ジョシュ・パイス(ウィリアム・リバーマン)、ロバート・ウィズダム(ビリー・ローズ)、フィッシャー・スティーヴンス(ルー)、アレック・ボールドウィン(モーゼス)、ウィレム・デフォー(ポール・ランドルフ)ほか
映画「マザーレス・ブルックリン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マザーレス・ブルックリン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マザーレスブルックリンの予告編 動画
映画「マザーレス・ブルックリン」解説
この解説記事には映画「マザーレス・ブルックリン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マザーレスブルックリンのネタバレあらすじ:起
1957年、冬のニューヨーク。私立探偵のライオネル・エスログ(エドワード・ノートン)は、ボスであり孤児だった自分を引き取って育ててくれた恩人フランク・ミナ(ブルース・ウィリス)を目の前で殺害されました。フランクはある事件を追って黒スーツの男たちと何かの取引をしている最中でした。ライオネルは事件の引き金となった取引を探るべく、捜査を始めます。
ライオネルはトゥレット症候群と強迫性障害を抱えていました。ストレスやプレッシャーを感じると意図しない言葉を発したり、人に触れてしまうことを抑えられなくなることがあり、仕事でも苦労していました。しかし、彼は異常なまでの記憶力と純粋な正義感を持っており、フランクからも買われていたのでした。
そのフランクがライオネルに少しの手がかりだけを残して目の前で息を引き取ったのです。ライオネルはフランクが残した言葉を頼りに早速捜査を進めていくと、モーゼス・ランドルフ(アレック・ボールドウィン)という都市計画の監察官の男へとたどりつきました。
マザーレスブルックリンのネタバレあらすじ:承
ライオネルは、新人記者を装ってモーゼスが開く都市計画の説明会に参加しました。モーゼス側は市民に対して、大規模な開発のためこの地よりも住み心地の良い場所への移転を提案しています。しかし、住民たちからは貧困層を一掃しようとしているモーゼスの思惑に不満の声があがっていました。以前も同じような話でひどい土地へ追いやられた人々を知っていたからです。
ライオネルはここで、人種差別防止を訴えていた女性ローラ(ググ・バサ=ロー)を知ります。彼女はハーレムにあるジャズクラブ「キング・ルースター」のオーナー、ビリー(ロバート・ウィズダム)の娘で、弁護士であり住宅活動家としてモーゼスと対立していました。
また別の日、ライオネルはホームレスのような装いのポール(ウィレム・デフォー)という男とも知り合います。ライオネルが記者だと信じたポールは、モーゼスの“真実”を話し始めます。ポールの話によると、やはりモーゼは貧困な民族を大規模に破壊しようとしているとのこと。暴挙であるにも関わらず、表向きはニューヨークにかかる多くの橋を建設したり、黒人を立ち退かせたあとの土地に次々と公園をつくり、富裕層から支持されているため誰も手出しできないとのことでした。
ライオネルのその後の調べで、ポールはモーゼの兄だということがわかりました。兄弟の間で一体何が起こったのか。少ない手がかりの中、さらに謎は深まります。しかし粘り強く障害と戦いながらも、少しずつ闇に迫っていくライオネル。ローラといる時だけは、わずかな安らぎを覚えます。
マザーレスブルックリンのネタバレあらすじ:転
ある日のこと、ローラに誘われ父親ビリーの店でジャズを聞きながら踊っていると、店にビリーが現れ、ライオネルはボコボコに殴られてしまいました。身分を偽っていることがバレてしまったのです。助けてくれたのは、先ほどまで店で演奏していたトランペッター、ウィントン(マイケル・ケネス・ウィリアムズ)。彼は踊りながら曲を口ずさんでいたライオネルの音感に一目置いていたのでした。
ライオネルの捜査は続きます。ある瞬間、ふとフランクの最後の言葉を思い出しました。「帽子…」フランクの言葉通り、遺品である帽子を探すと、ロッカーの鍵が隠されていました。メモに指定されていたペンシルバニア駅のロッカーを開けてみると、そこにはフランクが遺した数々の真相を収めた証拠。ライオネルの頭の中で様々なピースがつながりました。
そんな中、ビリーから連絡がありました。「全て話すから、店にきてくれ」と。しかしライオネルが店に着いた時には、すでにビリーは何者かに撃ち殺されていました。大切な父親を失い深い悲しみに沈むローラ。ライオネルに一晩いてほしいと懇願し、ローラの部屋で朝を迎えました。
マザーレスブルックリンの結末
ビリーだけではなく、命の危険はローラにも及びました。フランクを殺した黒スーツの男たちがライオネルに証拠を渡せと脅し、容赦なく迫ってきます。窮地に瀕したときに助けてくれたのは、トランペッターのウィントンでした。ライオネルは彼に安全な隠れ家へローラを連れていくよう伝えると、再び捜査へ戻りました。この黒スーツの男たちは、なんとモーゼの手下だったのです。
ライオネルが証拠をたどっていくと1つの真実につながっていきました。その真実をめぐって、フランクは殺されたビリー、そしてモーゼの兄ポールと結託して、モーゼをゆすって多額の金を要求していたのでした。
その真実とは、ローラの実の父親はなんとモーゼだったのです。権力を横行し欲しいままに女性と寝た結果、できたのがローラでした。ローラに嘘をつきたくなかったライオネルは彼女にも真実を伝えました。それだけではありませんでした。フランクは、モーゼの部下リバーマン(ジョシュ・パイス)が裏で都市計画の見返りとして巨額の金を受け取っていたことまで突き止めていました。さすがにこれにはモーゼもこたえて怒りに震えました。
ライオネルはローラと隠れ家で会います。結局父親のように信頼していたフランクは、お金に強欲なだけの男でした。ライオネルはフランクの言葉を思い出していました。
「ブルックリンは広い。だけどもっと広いものがある」
以上、映画「マザーレス・ブルックリン」のあらすじと結末でした。
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