ミス・マープル/船上の殺人の紹介:1964年イギリス映画。アガサ・クリスティー原作の探偵ミス・マープルを登場させた、オリジナル脚本のミステリー作品。マーガレット・ラザフォードが演じる「ミス・マープル」シリーズの第4作目にあたる。青少年更生センター理事会の委員となったミス・マープルは、委員の1人が何者かによって殺害される現場に居合わせた。事件の臭いを嗅ぎ付けた彼女は、怪しいと睨んだ訓練船バトルドア号に単身乗り込んでいく。
監督:ジョージ・ポロック 出演者:マーガレット・ラザフォード(ミス・マープル)、ライオネル・ジェフリーズ(ラムストーン大佐)、チャールズ・ティングウェル(クラドック警部)、ウィリアム・マービン(コニントン中佐)、ストリンガー・デイヴィス(ストリンガー)ほか
映画「ミス・マープル/船上の殺人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミス・マープル/船上の殺人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミス・マープル/船上の殺人の予告編 動画
映画「ミス・マープル/船上の殺人」解説
この解説記事には映画「ミス・マープル/船上の殺人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミス・マープル/船上の殺人のネタバレあらすじ:第一の殺人
舞台はイギリス、ミルチェスター。名推理で有名な老嬢ミス・マープルは、青少年更生センター理事会の委員に選ばれます。理事会は英国の軍艦バトルドア号を購入し、訓練船として若者を育成していました。ところが理事会が始まってすぐ、委員の1人フォーリーが死亡してしまいます。死因は心臓麻痺と診断されましたが、ミス・マープルは彼の嗅ぎタバコの容器が空になっていることに気付きました。
そこで偶然フォーリーがこぼしていた嗅ぎタバコを自宅に持ち帰り、知人のストリンガーと共に化学実験を行います。その結果、嗅ぎタバコにストリキニーネが含まれていたことが判明しました。
フォーリーは最近バトルドア号の視察から帰って来たばかりで、何か報告がある様子だったことを思い出します。フォーリーはバトルドア号の秘密を知り、口封じのために殺害されたと考えたミス・マープル。そこで後日、彼女自らバトルドア号に乗り込みます。船長のラムストーン大佐はじめ、船員からは明らかに歓迎されていませんでしたが、ミス・マープルは、どこ吹く風で滞在許可をもぎ取りました。
ミス・マープル/船上の殺人のネタバレあらすじ:第二の殺人
夜11時。ミス・マープルは入江のホテルに待機しているストリンガーへ信号灯を送ります。ところが返って来たのは「今夜 決行する ダスティー」という奇妙な文章でした。首を捻るミス・マープルは、ラムストーン大佐と大尉のコンプトンの会話を盗み聞きします。どうやらダスティーという青年達が今夜、パトロールと称して陸に上がり何か悪巧みをしているようです。
ミス・マープルは早速ストリンガーに「パトロールを尾行し 詳細を報告せよ」と信号灯で指示しました。ストリンガーはパトロール隊を尾行し、彼らが盗みを働く現場を目撃します。バトルドア号の将校の中に、青年達を堕落させ利益を得ている主犯格がいると考えられました。
翌朝、何者かに殺害されたコンプトン大尉の遺体が発見されます。真っ先に疑われたのは、最近コンプトン大尉と諍いが絶えなかった中尉のハンバートでした。ハンバート中尉の事実上の婚約者で婦長補佐のシャーリーに、コンプトン大尉がちょっかいをかけていたのです。船は恋愛禁止が大原則なので、ラムストーン大佐は顔色を変えて激怒しました。
ミス・マープル/船上の殺人のネタバレあらすじ:第三の殺人
ミス・マープルは一旦陸に戻り、ストリンガーに青少年厚生センター理事会宛の封筒を見せます。これはコンプトン大尉の船室に隠されていた物で、盗み見た痕跡が確認されました。ミス・マープルはストリンガーに、ミルチェスターに戻ってバトルドア号から送られてきた手紙を調べて欲しいと頼みます。
一方、警察はハンバート中尉を逮捕しました。宝石泥棒に入られた被害宅のパーティーに、必ずハンバート中尉が出席していたことが明らかになったのです。ところがミス・マープルがバトルドア号に戻ったその夜、今度はシャーリーが死亡しました。遺体のそばに宝石が散乱していたことから、彼女も窃盗に一枚噛んでいたようです。
シャーリーは宝石をどこかへ隠そうとして、仕掛けられていたネズミ捕りに指を挟まれました。ネズミ捕りには予め猛毒が塗られており、それが死因となったのです。シャーリーの本当の恋人で窃盗の共犯者はコンプトン大尉で、ハンバート中尉は利用されていただけでした。
更に、ストリンガーの調べで、バトルドア号の青年達の人数は45人と報告されていることが明らかになります。しかし実際に乗っているのは33人。つまり人数を水増しすることで、理事会から資金を詐取していたのです。フォーリーとコンプトン大尉はこれに気付いたことで殺害されました。
犯人を誘き出すため、ミス・マープルはホーンパイプの会に出かけるラムストーン大佐達を見送り、1人船に残ることにします。
ミス・マープル/船上の殺人のネタバレあらすじ:真犯人
真夜中。ミス・マープルが念入りに船内を探していると、ネズミ捕りが仕掛けられていた場所に大金が隠されていました。そこに現れたのは中佐のコニントンです。彼こそが20年もの間横領を続け、フォーリーらを殺害した犯人でした。
コニントン中佐は以前海軍に籍を置いていましたが、本人曰く、不当に解雇され、現在の職に就いています。海軍にいれば得られたであろう利益を、横領によって手に入れていました。彼は自らの罪と存在を消すため、ミス・マープルを殺害して船を沈めようとします。
ミス・マープルは自ら剣を取り、コニントン中佐と戦うことになりました。フェンシングの心得を持つミス・マープルは、コニントン中佐の剣を躱しながら甲板へ。そこに現れたストリンガーがコニントン中佐を昏倒させ、事件は解決に至ります。
ミス・マープル/船上の殺人のネタバレあらすじ:新しい時代
後日、理事会に呼び出されたラムストーン大佐は解雇を覚悟し、真っ青な顔をしていました。ミス・マープルから責任は理事会が取ると言われ、笑顔になるものの、やはり辞職すると言い出します。
彼はバトルドア号の一等婦長ファンブレイドと14年もの間交際していたと明らかにしました。結婚を望む2人は船を降りる決意をしています。しかしミス・マープルは、その場で恋愛禁止の原則も廃止すると明言。晴れて結ばれたラムストーン大佐とファンブレイド婦長は今度こそ晴れやかな笑顔を浮かべます。
微笑み合う2人がバトルドア号に乗り込み、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ミス・マープル/船上の殺人」のあらすじと結末でした。
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