楢山節考(ならやまぶしこう)の紹介:1958年日本映画。読書界に衝撃を与えた深沢七郎の処女作を巨匠木下惠介が映画化。残酷な民話風のストーリーをあえて様式的に処理して高い評価を得た。後に今村昌平が違ったアプローチでリメイクしている。
監督:木下惠介 出演:田中絹代(おりん)、高橋貞二(辰平)、望月優子(玉やん)、市川団子(けさ吉)、小笠原慶子(松やん)、鬼笑介(雨屋)、宮口精二(又やん)、伊藤雄之助(又やんの伜)、ほか
映画「楢山節考」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「楢山節考」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
楢山節考の予告編 動画
映画「楢山節考」解説
この解説記事には映画「楢山節考」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
楢山節考のネタバレあらすじ:起
昔々、ある山間の村におりん(田中絹代)という寡婦の老婆が、息子や孫と一緒に住んでいました。そこは貧しく、年に一度しか白米が食べられません。
長い間の慣習で、村では口減らしのために、70歳になった老人は必ず楢山へ捨てられに行くことになっています。今年69歳のおりんも、間もなくそうなる運命でした。
彼女としてはそれに逆らう気持ちもなく、むしろ家族のために進んでそうするつもりですが、ひとつ気にかかるのは、嫁が死んで寡夫になった息子・辰平(高橋貞二)のことです。後添いをもらってやらなければ、死んでも死にきれない思いでした。
楢山節考のネタバレあらすじ:承
幸い世話をしてくれる人があって、ちょうど夫をなくしたばかりの女が、向かいの村からやってくることになりました。村祭の日にやってきた玉やん(望月優子)は、気立ても良さそうで、おりんもその様子を見て安心します。
あともう一つあるおりんの悩みは、歯が丈夫なこと。孫のけさ吉(市川団子)が「鬼の歯を33本揃えた」とからかった歌を作り、近隣の人間までそれを歌う始末でした。
歯が丈夫だと食べる量も多いとみなされて肩身が狭いのです。おりんは思い切って石臼にぶつけて歯を抜いてしまいます。これで悩みは全て解決でした。
楢山節考のネタバレあらすじ:転
ただ、おりんはその気になっても、母思いの辰平はいつまでも彼女にそばにいてほしいと思っています。新しく来た嫁の玉やんも、おりんを慕っていました。
そんな中、近隣の雨屋一家が泥棒をしたことで制裁を受け、全員が殺されてしまいます。これも彼らが12人という大所帯のせいでした。
けさ吉も大飯食らいの嫁・松やん(小笠原慶子)を迎えたため、一家が無事に暮らすためにも、口減らしはぜひとも必要なことです。それまでおりんの楢山行きを嫌がっていた辰平も、年が明けたら彼女を山へ連れて行くことを決心します。
楢山節考の結末
年も押し詰まり、おりんは正月を迎える前に山へ行くことにします。村の長老たちによる儀式を受けた翌日、まだ夜明け前に辰平に背負われた彼女は楢山へ出発。行くところを誰にも見られるな、というのが決まりの1つです。
辰平はしきりにおりんに話しかけるのですが、未練が残るのを恐れた彼女は口を開きません。長く寂しい道を歩き、ようやく楢山に入ると、辺りには白骨が転がっていました。
おりんを筵[むしろ]の上において辰平は下山しようとしますが、降ってきた雪を見て後ろ髪を引かれ、再び彼女のところに戻ってしまいます。おりんは手を振って下山を促し、辰平も泣きながら帰途につくのでした。
以上、映画「楢山節考」のあらすじと結末でした。
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