濡れ髪牡丹の紹介:1961年日本映画。市川雷蔵主演の時代劇コメディ、「濡れ髪」シリーズの最終作。渡世人瓢太郎が京マチコ扮する女親分・おもんの婿選び試験を受ける。剣術、柔術、そろばんと何でも免許皆伝の瓢太郎だが、博打と女心は苦手だった。監督は雷蔵主演の多くの傑作を手掛けた田中徳三。
監督:田中徳三 出演者:市川雷蔵(瓢太郎)、京マチ子(おもん)、小林勝彦(岩吉)、小桜純子(おたき)、大辻伺郎(にょろ松)、安部徹(伊三郎)、ほか
映画「濡れ髪牡丹」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「濡れ髪牡丹」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「濡れ髪牡丹」解説
この解説記事には映画「濡れ髪牡丹」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
濡れ髪牡丹のネタバレあらすじ:起・瓢太郎が来る
清見潟の大親分おもんは、女ながら三千人の子分を持ち、しかも美人。彼女の婿になって跡目を継ごうという男がひきもきらないが、皆試験に落第して裸にされ、棒で何発も叩かれて追い出される。
弟の岩吉は姉に、自分に跡目を継がせればいいのにと言うが、ヤクザは人間のクズであり弟を人間のクズにするわけにはいかないというのが姉の考えである。
そんなところに、口も八丁手も八丁という八八の瓢太郎が口笛を吹きながらやってくる。仁義も切らない変なヤクザだが、そろばん、剣術等、一日目の試験に見事合格。岩吉も瓢太郎に心服するが、瓢太郎には部屋に内側から錠をつけて夜は誰も入れないという変な習慣があった。
翌日も次々と博識ぶりを披露して瓢太郎は試験をパスし続け、最後におもんと木刀で勝負して勝てば合格。おもんも強敵に片肌をぬいで気合を入れる。結局、おもんの色気に隙を見せたのか、瓢太郎が木刀に打たれる。
でも瓢太郎は罰ゲームとして相撲取りに叩き続けられても忍術の力でけろりとしている。俺に忍術を教えてくれと言う岩吉には、「お姉さんを助けろ、それにお前にはおたきという恋人がいる」と諭して速駆けで去っていった。
濡れ髪牡丹のネタバレあらすじ:承・流れ三つ星
瓢太郎の旅に清見潟一家のにょろ松が同行する。「一年後に瓢太郎を清見潟に帰ってこさせるように岩吉に頼まれた」とにょろ松は言うが、実は瓢太郎に惚れたおもんの命令でついてきたのだ。
ある宿場町で瓢太郎とにょろ松は般若の面をした黒づくめの三人の侍に出くわす。彼らは流れ三つ星と呼ばれる殺し屋で、その晩、瓢太郎たちが草鞋を脱ぐ予定だった親分を殺したところだった。瓢太郎は病気のお坊さんに代わって、袈裟を借りてお経を読んで親分の葬式を執り行うことになる。
濡れ髪牡丹のネタバレあらすじ:転・瓢太郎再び不合格
一年後、おもんはいつ瓢太郎が来るかと気が気でない、しかし、今晩は自分が招いた成田屋の歌舞伎を見に行かなければならない。ところが、なんと瓢太郎とにょろ松が役者として芝居に出ていた。楽屋でおもんはにょろ松に、河原乞食になって帰ってくるとは何事かと叱るが、瓢太郎は歌舞伎の歴史を講釈しておもんをたしなめる。
翌日、おもんは「自分に今日一日ついてこい」と瓢太郎に言う。神社に参った後、「女は男にすがるものです」と言う瓢太郎。それではと、茶店で酔っ払いの侍どもにからまれたおもんは瓢太郎の助けを期待するが、瓢太郎は知らんぷり。おもん一人で侍どもを撃退する。裁縫はしない、料理は子分任せのおもんのために瓢太郎はおもんの着物の破れた袖を縫ってあげる。
翌日、瓢太郎の再試験。再びおもんとの木刀での対決になるが、にょろ松の、「ウィンクしておもんを好きなことをおもんに伝えよ」というアドバイスにしたがったのが逆効果で、またもおもんに敗れてしまう。おもん自ら棒で瓢太郎を叩くが、ショックで忍術を使わなかった瓢太郎は、今度は足腰が立たぬほど打ちのめされる。
再びにょろ松と旅に出るが、旅の資金を作るために賭場に行って、かえって着物までとられてしまう。突然やってきたおもんが博打に勝った金を譲ってくれて、瓢太郎とにょろ松は旅を続ける。
濡れ髪牡丹の結末:瓢太郎がおもんを救う
さらに一年後、おもんは、悪事を繰り返す流れ三つ星逮捕のための協力を役人に依頼されていた。瓢太郎とにょろ松は、おもんを手籠めにしようとして拒否され清見潟一家を離れていた、おもんの元子分、孔明の伊三郎にだまされて人質にされる。
二人を救うために来たおもんが伊三郎の子分たちを倒した時、おもんの前に、伊三郎が雇った流れ三つ星が現れるが、おもんについてきて隠れていた役人たちも出てくる。多勢に無勢と見た流れ三つ星は投降し、おもんは瓢太郎とにょろ松を救出する。
夜、流れ三つ星は脱獄し、伊三郎と4人で清見潟に現れ、湯上りのおもんを襲う。おもんは岩吉が投げ与えた刀で伊三郎を倒すが、流れ三つ星に捕まえられてしまう。そこに駕籠の中に身を隠していた瓢太郎が姿を現す。濡れ髪一刀流の剣術と種子島砲術のピストルで流れ三ッ星を倒す。もう、おもんは瓢太郎に試験をする必要はなかった。
何年か後、二人には子供ができていた。瓢太郎は育児を助け、料理をしなかったおもんも今や瓢太郎の料理教室を助けている。
以上、映画「濡れ髪牡丹」のあらすじと結末でした。
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