最初で最後のキスの紹介:2016年イタリア映画。イタリア北部の典型的な地方都市ウーディネ。個性的なロレンツォは、理解のある愛情深い里親に引き取られトリノからこの町へやってきた。初登校の日、お気に入りの派手なシャツで到着すると、瞬く間にオカマ呼ばわりされ学校で早速浮いた存在となる。そんなロレンツォが友情を育んでいったのは、ある噂から尻軽女と罵られている少女ブルーと、バスケは上手いがトロいと馬鹿にされているアントニオだった。3人を通して、出会い、友情と恋、その絆や未来を無知ゆえに自ら破壊してしまう青春の脆さや残酷さを突きつける。イタリアでスマッシュヒットを飛ばし、ヨーロッパ各国で観客賞を中心に数々の賞を獲得し、多くの人を魅了した。2008年にアメリカで実際に起きたラリー・キング殺人事件に衝撃を受けた監督が事件を基に書いた小説が原作となっている。
監督:イヴァン・コトロネーオ 出演:リウマ・グリッロ・リッツベルガー(ロレンツォ)、ヴァレンティーナ・ロマーニ(ブルー)、レオナルド・パッザッリ(アントニオ)、トーマス・トラバッキ(レナト/ロレンツォの父)、 スージー・ラウデ(ステファニア/ロレンツォの母)、ジョルジョ・マルケージ(ダビデ/ブルーの父)、シモネッタ・ソルデル(ニナ/ブルーの母)、セルジョ・ロマーノ(ヴィンツェンゾ/アントニオの父)、ラウラ・マッツィ(イネス/アントニオの母)、エウジェニオ・フランティスキーニ(ジョバンニ)、デニス・ファゾーロ(サントロ先生)、アレッサンドロ・スペルドゥーティ(マッシモ/アントニオの兄)ほか
映画「最初で最後のキス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「最初で最後のキス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
最初で最後のキスの予告編 動画
映画「最初で最後のキス」解説
この解説記事には映画「最初で最後のキス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
最初で最後のキスのネタバレあらすじ:起
孤児のロレンツォはファッションと音楽が大好きな少し変わった16歳。個性的な自分をなぜか気に入ってくれた里親夫婦レナトとステファニアに引き取られ、トリノの施設から北イタリアのウーディネへやってきました。彼専用の部屋を用意し、新しい両親は温かく迎え入れてくれました。
翌朝、お気に入りの派手なシャツを纏い、母ステファニアに送られて新しい高校へ初登校したロレンツォでしたが、早速学校中の生徒から「オカマ!」と罵られ、クラスの生徒からもシャツを馬鹿にされます。しかしロレンツォは軽く受け流し、気にも留めません。隣の席の愛想の悪い少女ブルーも、全く動じないロレンツォに思わず吹き出し、これを機に2人は意気投合。
帰り道、ロレンツォはブルーに、自分はゲイであることを告げますが、ブルーは「ゲイの友達ははじめてよ」と普通に受け入れ2人は仲良くなりました。
最初で最後のキスのネタバレあらすじ:承
ブルーには年上の彼氏がいます。学校では彼を含む4人で乱交したと噂され、ブルーは学校で浮いた存在となっていました。一方、ロレンツォは、クラスで誰とも口を聞かないアントニオが気になりはじめます。
バスケ部のアントニオはチームの得点源として活躍していましたが、みんなから”頭が弱い””トロい”と除け者にされ、彼もまた学校では孤立しています。
そんなアントニオは密かにブルーに想いを寄せていますが、話しかけることはできずにいました。ただ遠くから見守ったり、壁に書かれたブルーの悪口を密かに消してあげることが精一杯の状態でした。
最初で最後のキスのネタバレあらすじ:転
そんな3人に転機が訪れます。ロレンツォはブルーと計画し、アントニオを夜のレストランへ誘います。おしゃれをして、はしゃぎ、羽目を外した3人はあっという間に打ち解けていきました。それまで苦痛だった学校生活が輝き始めるのです。
そんなある日、ロレンツォは「アンチロレンツォの会」というサイトで自分たちを叩こうとすると生徒たちに逆襲することを2人へ持ちかけます。特にひどい女子3人組や、バスケ部のリーダーの秘密を隠し撮り、ネットで暴露するのです。これで学校中は大炎上。学校より3日間の謹慎をくらってしまいます。
その謹慎の間、3人は川へと出かけました。川辺で水着に着替えるアントニオを見て、ついに抑えきれなくなったロレンツォはアントニオを抱擁してしまうのです。驚いたアントニオは彼を突き飛ばし、1人で逃げるように帰ってしまいました。
最初で最後のキスの結末
これを引き金に絆が壊れはじめる3人。アントニオは2人を避けていきます。それでもロレンツォは諦めませんでした。アントニオの誕生日の夜、プレゼントを渡しにバスケットコートを訪れます。しかし、アントニオはついに爆発して、ロレンツォを暴行。それまで除け者にしていたチームメイトも驚くほどでした。
一方、ブルーは久しぶりに仕事で遠出をしていた彼が帰ってきたため、おしゃれをして会いに行きます。ところがそこで見せられたのは、4人で淫行に及ぶブルーの動画でした。そこには泥酔して撮られていることすら気付かずに、嫌がるブルーを無理やり押し倒している恐ろしい姿がありました。
愛する人からボコボコにされたロレンツォ、彼氏からひどい扱いを受けたブルー、そして殴ったあとに孤立に戻るアントニオ。3人はそれぞれ心に深い傷を負うこととなります。
その後、アントニオがロレンツォから渡されたプレゼントを見ました。それは3人が映った写真。それを見てアントニオはロレンツォの家へと行き謝罪します。そこでどちらともなく交わされたキス。仲直りできたと幸せそうな表情のロレンツォに対し、沈んだままのアントニオ。
翌日、学校に向かったアントニオは教室に入ると、父親の銃を取り出し、ロレンツォに向けて発砲したのでした。
一方、母親と被害届を出しに警察を訪れていたブルーは、帰りに全てを知ることとなります。ブルーは涙を流しながらバイクを走らせます。起きずに済んだかもしれない、防げたはずなのにと。
以上、最初で最後のキスのあらすじと結末でした。
「最初で最後のキス」感想・レビュー
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3人の若者たちがそれぞれにほんの少しの勇気と知恵を持つことが出来たなら、防げたかもしれない、そして幸せになれたかもしれない結末。もしあの時の行動が違っていたなら3人は強い絆で結ばれていたかもしれないと思わせるシーンが最後に流れます。若さのためなのか思春期の不安定さが不幸な結末にしてしまったように思います。
何気なく見た映画でしたが、劇中の音楽もスタイリッシュだし、3人も美男美女で青春を感じられる爽やかさもあり、一方で重いテーマもありの作品でしたがとてもうまくまとめられていたと思います。見てよかったです。 -
いや、自分勝手な愛情を押し付けたゲイの自業自得な結末でしょ?
本当にこういう勘違いで人にセクハラをして傷つけてるゲイの人迷惑すぎる!
似たようなことがあったから殺したい気持ちわかる。
予告編を観て、レディ・ガガやMIKAの音楽やアニメーションを使った、POPでハッピーな物語かと思って観ました。マイノリティが3人組になり復讐は少しやりすぎていたけれど楽しそうにいきいきとしていたので、ラストはまさかの展開にショックでした。実際の事件を元に考えられていたんですね。
少年少女が自分の心の傷を強がりながらも打ち明けたり反撃できるのは強いし、それでもどうにもならなくて両親に頼る姿も良かったです。それぞれの両親もどう向き合えばいいのか物凄く葛藤していて、子供がそれに助けられることは両親にとっても救いだったなと思いました。それは一瞬のことでしたが。