はなれ瞽女おりん(はなれごぜおりん)の紹介:1977年日本映画。孤独な女旅芸人おりんと脱走兵との過酷な愛の逃避行を描いた人間ドラマ。北陸の美しい四季の移ろいを背景に男女の悲恋が叙情的に描かれている感動作です。
監督:篠田正浩 出演者:岩下志摩(おりん)、原田義雄(平太郎)、樹木希林(一瀬たま)、安部徹(別所彦三郎)、奈良岡朋子(テルヨ)
映画「はなれ瞽女おりん」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「はなれ瞽女おりん」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
はなれ瞽女おりんの予告編 動画
映画「はなれ瞽女おりん」解説
この解説記事には映画「はなれ瞽女おりん」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
はなれ瞽女おりんのネタバレあらすじ:起
はなれ瞽女として一人で各地を放浪しているおりんは、旅の途中で出会った男平太郎に自分の過去を語って聞かせます。雪深い海沿いの集落に住む盲目の少女おりんは、母を失い天涯孤独となってしまいます。少女の身を案じた薬屋の男は、盲目の女芸人が共同生活をしている瞽女屋敷におりんを連れていきます。そしておりんは優しい親方のテルヨや姉さん達とともに各地を転々としながら瞽女の礼儀作法や三味線、唄などの芸を学んでいきます。時は流れ美しい娘に成長したおりんでしたが、酒の席では男達が彼女を誘惑し始めます。瞽女は神様の嫁であり、男と寝てはいけないという親方の教えに背き、おりんはある晩流されるまま男と寝てしまうのでした。掟を破り瞽女屋敷を追い出されたおりんは、その後はなれ瞽女となってなんとか生き延びてきたのでした。
はなれ瞽女おりんのネタバレあらすじ:承
そしておりんは同じく天涯孤独だという平太郎とともに旅を始めます。道中でおりんは寂しさから平太郎に抱いてほしいと懇願するようになります。しかしおりんを失なうことを恐れる平太郎は、決して彼女に触れようとはしないのでした。おりんに楽な暮らしをさせてやりたい平太郎は下駄を作って売り歩きます。平太郎とおりんはいつしか本当の兄妹のような強い絆で結ばれていきます。しかしある時許可なく店を出したことで平太郎がヤクザ達ともめ、警察に連行されてしまいます。一人取り残されたおりんは薬売りの別所に親切にされますが、元々下心のあった別所はおりんを抱きたがります。山林で別所に迫られたおりんは逃げることもできず、彼を受け入れてしまうのでした。
はなれ瞽女おりんのネタバレあらすじ:転
戻ってきた平太郎はおりんが別所に抱かれたことを知ります。激高した平太郎は別所を見つけ出すと刺殺してしまうのでした。警察への発覚を恐れた平太郎は事件のほとぼりが冷めるまでしばし別々に行動することをおりんに提案します。二人はいつかまた一緒に旅することを約束して別れるのでした。再び一人となったおりんは同じくはなれ瞽女をしているたまと出会い、一緒に旅を始めます。一方殺人の容疑者として平太郎の行方を追っている警察は、彼が陸軍の脱走兵であることを知るのでした。おりんはたまとともに善光寺を参拝していたところで平太郎と再会を遂げます。たまはおりんと平太郎の幸せを願い、静かにその場を去っていくのでした。そして互いへの愛を再確認したおりんと平太郎はその夜初めて結ばれます。やがておりんの故郷である海沿いの村へとやってきた二人でしたが、ほどなくして警察に逮捕されてしまうのでした。
はなれ瞽女おりんの結末
事情聴取を受けるおりんは平太郎を庇い、殺人について何も知らないと嘘をつきます。しかし別室で激しい拷問を受ける平太郎はおりんのために殺人を自白するのでした。おりんとの最後の面会を許された平太郎は鉄格子越しに彼女の手を握り、天涯孤独だというのは嘘で母が存命であることを涙ながらに告白するのでした。再び一人となったおりんは昔住んでいた瞽女屋敷を訪ねます。しかし親方のテルヨはすでにこの世を去っており、寂れた屋敷でおりんは孤独にむせび泣くのでした。時は流れ、海沿いの町では線路工事が行われています。休憩している作業員の一人が岬の突端の山林の枝に赤い布がぶら下がっているのを見つけます。その山林の中には誰の目に触れることもなく三味線と人骨が無残に朽ち果てているのでした。
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