お葬式の紹介:1984年日本映画。伊丹十三の監督デビュー作となった当作品は、監督自らの経験を元に書き下ろしたオリジナルストーリーで、妻の父が急死し、喪主を務めることになった男の姿を周囲の人間関係とともにコメディタッチで描き大ヒットした作品です。
監督:伊丹十三 出演者:山崎努(井上侘助)、宮本信子(雨宮千鶴子)、菅井きん(雨宮きく江)、大滝秀治(雨宮正吉)、江戸家猫八(海老原)ほか
映画「お葬式」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「お葬式」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「お葬式」解説
この解説記事には映画「お葬式」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
お葬式のネタバレあらすじ:起
俳優の井上侘助(山崎努)と女優の雨宮千鶴子(宮本信子)の夫妻は小学生の息子2人と共に東京で生活しながら活動しています。ある日、侘助と千鶴子が夫婦共演でテレビCMの撮影に臨んでいたところ、千鶴子の父・真吉(奥村公延)が急死したという知らせが舞い込んできました。まさかの事態に驚いた侘助と千鶴子、マネージャーの里見(財津一郎)は病院の慰安室で故人と対面します。そこには、真吉の妻・きく江(菅井きん)や千鶴子の妹・綾子(友里千賀子)とその夫・喜市(長江英和)、そして真吉の兄である正吉(大滝秀治)も駆け付けていました。侘助は病院代を請求され、里見に払ってくれと20万円をポンと手渡しますが、実際の請求額は4万円足らずだったので里見は思わず笑ってしまいました。
お葬式のネタバレあらすじ:承
真吉の葬儀はきく江が喪主を務め、真吉夫妻が住まいにしている侘助の伊豆の別荘にて執り行うことになります。侘助は葬儀屋の海老原(江戸家猫八)と葬儀の相談をしますが、葬式を出すのは全く初めての侘助にとっては戒名やしきたり、お布施の相場に至るまでわからないことばかりでした。その翌日、東京から侘助の付き人・青木(津村隆)と斉藤良子(高瀬春奈)が手伝いにやってきます。千鶴子は知りませんでしたが、良子は侘助の愛人だったのです。地元の人々が手伝ってくれ、親戚中も集まり、これから通夜という時でしたが、良子は酒を飲んで騒ぎだしてしまい、慌てた侘助は彼女を外に連れ出しますが、良子は抱いてくれないと二人の関係をバラすと脅し、やむなく侘助は茂みの仲で良子とセックスをします。満足した良子はようやく帰っていきました。
お葬式のネタバレあらすじ:転
やがて通夜が始まり、ロールスロイスで乗り付けてきた住職(笠智衆)が読経を始めますが、子供たちは退屈して遊びだし、足がしびれていた里見は電話を取ろうとして転んでしまい、一同は思わず笑い出してしまいました。その晩、親戚中が一同に集い宴会が催され、個人の想い出話に花が咲いていました。参加者が引き上げた後、千鶴子ときく江、千鶴子のいとこの茂(尾藤イサオ)は三人だけで酒を飲み、千鶴子は真吉が生前好きだった歌である島倉千代子の「東京だよおっ母さん」を歌い、故人を偲んでいました。
お葬式の結末
翌日、告別式が開かれました。大勢の人々が参列し、正吉が親戚を代表して弔問客へ挨拶します。真吉の棺は出棺し、火葬場に運ばれます。火葬の間、侘助やきく江らは煙突から立ち上る煙を見上げていました。やがて一行は真吉の遺骨を抱えて家に戻り、最後の宴席を催します。侘助が代表して挨拶する予定でしたが、きく江が喪主として挨拶したいと願い出て、故人への想いを込めた最後のスピーチを行います。全てが終わり、侘助と千鶴子は黙って手をつなぎながら、帰って行く弔問客らを見送っていました。そして侘助と千鶴子、きく江は三人で葬儀の後片付けをする中、仏壇には真吉の遺影と、静かに煙を上げる線香がそえられていました。
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