おとうとの紹介:1960年日本映画。幸田文の原作を巨匠・市川崑監督が映画化したものです。不良の弟を抱えながらも、常に愛情を持って接した姉の姿を描いています。1976年に浅茅陽子と郷ひろみのW主演でリメイクされています。
監督:市川崑 出演者:岸恵子(げん)、川口浩(碧郎)、森雅之(げんと碧郎の父)、田中絹代(げんと碧郎の継母)、仲谷昇(署の男)ほか
映画「おとうと (1960年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「おとうと (1960年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「おとうと (1960年)」解説
この解説記事には映画「おとうと (1960年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
おとうとのネタバレあらすじ:起
碧郎(川口浩)は小雨の降る川沿いの土手を濡れながら歩いています。姉のげん(岸恵子)は傘をさして追いかけますが、碧郎はげんに追うのをやめろと告げます。傘が壊れたので継母(田中絹代)に修理を頼むもやってくれず不満を持っているのです。碧郎はげんの差し出した傘を女傘は嫌だと断って去っていきます。数日後、げんはデパートで万引きの疑いをかけられ店員に取り調べられます。身の潔白を主張するげんの風呂敷の中から出てきたのは、継母の白髪染めとリューマチの薬でした。店員は謝罪するどころか継母をバカにするような態度を取ります。げんと碧郎の父(森雅之)は作家をしており、姉弟の母である前妻を亡くした後に今の継母と再婚しました。姉弟、特に碧郎は厳格なクリスチャンである継母と折り合いが悪く、何かと反抗的な態度を取っています。リューマチで身体が不自由な継母に代わり、げんが家事や碧郎の面倒を見ています。父は見て見ぬふりをするだけでした。
おとうとのネタバレあらすじ:承
ある日、碧郎は万引きをして逮捕され、学校も退学になります。継母はせっかくクリスチャンの学校に入れたのにと愚痴をこぼします。碧郎のことよりも信仰を優先する継母に父が重い口を開き「碧郎の身の回りはげんがやっている。げんは役に立っていると思っているが違うか?」と怒り、碧郎に対して申し訳ないという気持ちを露にします。碧郎は別の学校に転校しますが、その不良ぶりは益々エスカレートしていきます。碧郎はげんから金を借りると玉突き、ボート、乗馬など遊びに興じ、しまいには落馬して馬を骨折させてしまいます。一方のげんも、碧郎を担当していた刑事からストーカー行為を受けていました。げんと碧郎は取っ組み合いの喧嘩をしてしまいます。
おとうとのネタバレあらすじ:転
ある日、咳が止まらない碧郎は医師の診断を受けます。診断結果は結核でした。碧郎はサナトリウムに入り、げんは付きっきりで看病します。父も何とか治療費を工面しようと動き回りますが、碧郎の病状は悪化するばかりで、都内の病院に転院した時には既に手遅れでした。自らの余命を悟った碧郎は、げんに島田結いが見たいと言い出します。げんは碧郎の願いを叶えてあげ、碧郎も姉はもう少し優しい顔をした方が良いと言いつつ喜んでいました。
おとうとの結末
いよいよ碧郎の容体が悪化し、父や継母も病院に駆け付けます。碧郎はげんに感謝の気持ちを伝えます。碧郎は継母の苦境を理解しており、継母もあの子は良い子になっていると認めて神に祈るとげんに感謝します。やがて、碧郎はげん、父、継母に看取られて短い生涯を終えます。げんはその場に倒れ、看護婦の詰め所に担ぎ込まれます。意識を取り戻したげんは前掛けを付けると、「お母さんは休んでてください」と言い、そのまま部屋を出て行くのでした。
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