OUTの紹介:2023年日本映画。本作の監督を務める品川ヒロシ著の小説で映画化やテレビドラマ化された『ドロップ』の登場人物で、実在の人物である井口達也が自らの青年時代の実体験を描いた不良漫画『OUT』(作画: みずたまこと)の実写映画化作品です。少年院を出所した主人公・井口達也は更生生活を送ることになりましたが、西千葉を縄張りとする暴走族との出会いを機に抗争に巻き込まれていく姿を描きます。
監督・脚本:品川ヒロシ 原作:井口達也(ストーリー)、みずたまこと(作画) 出演者:倉悠貴(井口達也)、醍醐虎汰朗(丹沢敦司)、与田祐希(皆川千紘)、水上恒司(安部要)、與那城奨(長嶋圭吾)、大平祥生(目黒修也)、金城碧海(沢村良)、小柳心(田口勝)、久遠親(武藤将吾)、山崎竜太郎(今井啓二)、宮澤佑(下原一雅)、長田拓郎(下原孝二)、仲野温(下原賢三)、じろう(石戸)、大悟(少年院の教官)、庄司智春(焼肉屋「三塁」の客)、渡辺満里奈(伊丹静香(おばちゃん))、杉本哲太(伊丹九蔵(おじちゃん))ほか
映画「OUT」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「OUT」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「OUT」解説
この解説記事には映画「OUT」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
OUTのネタバレあらすじ:起
東京都狛江市で「狛江の狂犬」として名を馳せた伝説の不良・井口達也は警察に逮捕され、少年院に入れられました。少年院でも問題を起こし、独房に入れられた達也に命じられたのはひたすら千羽鶴を折ることでした。やがて達也は少年院を出所したものの、すぐさま地元の不良といざこざを起こしてしまい、再びに少年院に入ることとなりました。
やがて何とか少年院を出所した達也は、保護観察官の石戸からまた問題を起こせばすぐには少年院から出られないと警告を受けました。地元の狛江に戻れない達也は、狛江から遠く離れた西千葉で焼肉屋「三塁」を営む伊丹九蔵(おじちゃん)と静香(おばちゃん)夫妻が営む焼肉屋「三塁」に預けられ、店の手伝いをすることになりました。
石戸は相変わらず達也をクズ扱いしていましたが、おじちゃんとおばちゃんは達也は根は良い子だと庇い続けました。少しでも問題を起こしたら一発アウトな達也は石戸の物言いにも必死で耐えることしかできませんでした。
そんなある時、達也はコンビニに停められたバイクを見て思わず「狛江の狂犬」時代の自分を思い出しました。そこにバイクの持ち主である千葉の暴走族「斬人(キリヒト)」の副総長・安倍要が突っかかってきました。喧嘩のできない達也は代わりに相撲で勝負しようと持ちかけ、要を打ち負かしました。負けた要は達也のことを気に入り、二人の間にはいつしか友情が芽生えていました。
OUTのネタバレあらすじ:承
ある時、達也は要と偶然にも出くわし、「斬人」のたまり場であるボウリング場に行くことになりました。その途中、達也は千葉の現状について聞かされました。かつて4つの勢力がしのぎを削り合った千葉でしたが、抗争で死人が出たことをきっかけに協定を結び、今では何とか秩序を保っている状態でした。
しかし、水面下では“下原三兄弟”率いる極悪非道な半グレ集団「爆羅漢(バクラカン)」が勢力を拡大させており、「斬人」を潰そうと目論んでいました。
ボウリング場に現れた達也は早速総長・丹沢敦司率いる「斬人」の面々に絡まれ、一触即発の状態に陥りかけました。そこに現れたのはボウリング場のアルバイト・皆川千尋でした。千尋は達也に喧嘩したければすればいい、すぐに警察を呼ぶと言い放ってその場を治めました。
千尋の兄は敦司の前の「斬人」総長であり、数年前の抗争で命を落としていました。千尋は誰にも死んでほしくないと願い続けていたのです。要はもし千紘に何かあれば「斬人」が黙っていないと語りました。
達也は少しずつ「斬人」の面々とも打ち解け合っていきましたが、そこに突然「爆羅漢」がやってきました。「爆羅漢」は挨拶しにきただけだと言い、いつどこにいても爆羅漢が狙っていると警告してその場を去っていきました。
「斬人」の幹部たちは「爆羅漢」への対応を考えていましたが、そこに再び「爆羅漢」が襲撃してきました。要は下原三兄弟の三男・賢三に捕まり、車に轢かれて意識不明の重体にさせられてしまいました。
OUTのネタバレあらすじ:転
「爆羅漢」の魔の手は達也のもとにも及んできました。下原三兄弟の次男・孝二らは「三塁」を襲撃し、達也に警察への通報をちらつかせて脅しました。通報を受けて駆け付けた警察も達也は「斬人」の一味だと一方的に決めつけてしまいました。
要がやられたことを知った達也は自分も敵討ちに加勢したいと願い出ましたが、丹沢は達也を部外者だと突き放しました。何よりも仲間との絆を大切にし、「斬人」は家族だという丹沢は自分独りでも「爆羅漢」を潰す覚悟を決めていました。
一方、「斬人」特攻隊長の長嶋圭吾は部下で遊撃隊員の沢村良の様子がおかしいことに気づき、問い質したところ、沢村は姉が「爆羅漢」に捕まってクスリを打たれた動画が送りつけられたこと、動画を流されたくなければ「斬人」に関する情報を提供するよう脅されたことを白状しました。丹沢は沢村に自分の目の前から消えろと言い放ちました。
そんな最中、今度は千尋が「爆羅漢」に捕まったとの知らせが舞い込んできました。丹沢は単身で千尋が監禁されている廃工場に乗り込もうとしましたが、圭吾や幹部たちも一緒に乗り込む決意を固めていました。
達也は要の部下から千尋が監禁されたことを知らされ、「斬人」の幹部たちに「俺は俺なりの理由で戦う」と加勢を願い出ました。幹部たちも勝手にしろと達也を止めませんでした。
OUTの結末
達也と「斬人」の面々は廃工場に乗り込みましたが、圧倒的な戦力を誇る「爆羅漢」の前に苦戦を強いられました。そこに沢村が車に乗って加勢し、車をバリケード代わりにして「爆羅漢」の手勢を食い止めました。
達也、丹沢、圭吾は千尋のもとへと急ぎましたが、そこに孝二と手下が立ちはだかってきました。達也は「三塁」を襲撃したお返しに孝二を一発殴り、後を圭吾に任せて先を急ぎました。続けて達也と丹沢の前には賢三らが立ちはだかり、丹沢は達也に賢三を任せると下原三兄弟の長男で「爆羅漢」のトップである一雅との一騎打ちに臨みました。
丹沢と一雅の闘いは丹沢が勝利し、達也も賢三との死闘を制しました。達也と丹沢は千尋を解放してその場を立ち去ろうとしましたが、一雅は拳銃を手に立ちはだかってきました。達也は一雅の往生際の悪さを咎めましたが、一雅は「俺らは皆クズだ。だからクズに生きやすい世界にしようとしている」と言い放ちました。
そこに賢三が現れ、一雅を殴るとこれは自分たちの問題だと告げましたが、丹沢は「斬人」に手を出した奴は生かしておけないと一雅に銃口を向けました。達也は引き金を引いたらアウトだと引き止めましたが、丹沢は「俺はもともとアウトだよ」と返しました。
そこにパトカーのサイレンの音が鳴り響き、我に返った丹沢は沢村の姉の動画を削除するよう命じました。賢三は動画が入っているスマホを差し出すと丹沢は拳銃でスマホを撃ち抜き、一同は警察に捕まらぬよう裏口から退散していきました。
その頃、病院で昏睡状態だった要は意識を取り戻していました。
以上、映画「OUT」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する