パンダフルライフの紹介:2008年日本映画。若いパンダの成長を追ったドキュメンタリー作品。和歌山県のレジャー施設で育った双子のパンダ、リュウヒンとシュウヒンは、4歳になって繁殖のため中国に帰ることになった。中国の繁殖研究基地では、数が減ったパンダの生活を飼育員が懸命に、そして温かく見守っている。これは森を知らないパンダ達の物語。
監督:毛利匡 ナレーション:菅野美穂
映画「パンダフルライフ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パンダフルライフ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パンダフルライフの予告編 動画
映画「パンダフルライフ」解説
この解説記事には映画「パンダフルライフ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パンダフルライフのネタバレあらすじ:パンダという生き物
舞台は現代日本、和歌山県のアドベンチャーワールド。ここには皆に愛される双子のパンダがいました。兄の隆浜(リュウヒン)と、弟の秋浜(シュウヒン)です。彼らは日本で生まれ育ち、4歳になる今まで一度も離れたことがありません。パンダの兄弟にとって、これはとても珍しいことです。パンダの祖先が現れたのは800万年前。地球はとても暖かく、たくさんの動物で溢れていました。この頃はまだ肉食だったパンダの祖先は、氷河期を生き抜くために笹を食べ始めます。やがて氷河期が終わり、平和な時間が流れました。ところが次第に森は奪われ、パンダは山奥に追いやられていきます。気付くとパンダは1000頭まで減っていました。焦った人間は、パンダを街に連れて来て育て始めます。
パンダフルライフのネタバレあらすじ:パンダの繁殖
中国の四川省、成都にあるジャイアントパンダの繁殖研究基地。ここには様々なパンダが暮らしています。パンダの1日は朝食から始まります。子パンダ達はまだ笹ではなく、ミルクを飲んですくすくと育っていました。食事の後は皆遊んだり寝転んだりしています。6頭の野生のパンダから始まった研究基地には、今や世界中から観光客が集まっていました。産室には10部屋ほどの飼育室があり、最も厳重に管理されています。8月、生後2週間の赤ちゃんパンダを抱いているのは、14歳のアルヤートです。飼育員は時間を見て赤ちゃんパンダを取り出し、別の1頭をアルヤートの部屋に戻しました。アルヤートは双子を生んだのです。パンダはよく双子を生みますが、育てるのは基本的に1頭のみ。抱いて貰えなかった方は死んでしまいます。そこで飼育員は、赤ちゃんパンダを入れ替えて育てる交換方式を取っていました。交換方式を行わずに双子を育てたパンダは、リュウヒンとシュウヒンの母親だけです。産室に入った17歳のヤーヤーは、食欲が落ち始めて3週間経ちました。パンダはほとんど絶食状態で子どもを産みます。しかし結果は想像妊娠で、飼育員は肩を落としました。
パンダフルライフのネタバレあらすじ:双子の旅立ち
10月。産室に心配事が持ち上がりました。初めての子育てに挑むチョンジーの子どもジーヨーは、妙に顔が長く、体毛の黒い部分が灰色になっています。おとなしくて体が弱く、母乳も満足に飲めません。チョンジーも上手く抱いてくれず、飼育員は心配そうに見守ります。一方、日本のリュウヒンとシュウヒンは、繁殖のために中国へ帰ることになりました。10月27日、たくさんの人々に見送られて双子は旅立ちます。29日に施設に到着した彼らは、3ヶ月間検疫場で暮らすことになります。しかし中国に来て4日、シュウヒンは突然鼻息を荒くして暴れ出しました。精神的なストレスを発散するための行動で、今はそっとしておくしかないと飼育員は語ります。秋の暖かい午後、ジーヨー達子パンダは中庭に集められ、皆で日向ぼっこをしました。パンダは本来、単独で生活する動物です。大人になれば縄張り意識が生まれ、争いが避けられなくなります。いつかは別々に暮らすようになるパンダ達。彼らには広い森と孤独な生活が必要なのです。
パンダフルライフのネタバレあらすじ:別れの冬と恋の春
1月。成都に12年ぶりの雪が降ります。検疫期間が終わったリュウヒンとシュウヒンは双子のためだけの運動場に移されました。リュウヒンは落ち着かない様子でシュウヒンを攻撃します。ずっと一緒に育って来た双子にも大人になる時機がやって来ました。別れの日は近いようです。産室でも母子に別れの時が訪れていました。子育てを続けていると、パンダは恋をしなくなります。そのため母子を離れ離れにして、次の恋の季節に備えるのです。もう会うことは一生ありません。子どもと離れると母親パンダはしばらく落ち着かなくなりますが、それも一週間ほどのことで、徐々に子どものことを忘れていきます。2月。子パンダ達は集団生活を始めました。ジーヨーもすっかり元気になり、皆と一緒に走ったり転がったりして遊んでいます。そして3月、恋の季節がやって来ました。パンダの恋は1年に1回、それも3日間のみです。そのため春の産室ではお見合いが行われていました。パンダは相性をとても大切にする動物なので、お見合いを繰り返し最適なパートナーを探します。産室にやって来たヤーヤーは、お見合い相手に向けて尻尾を上げました。これは相手を気に入ったという合図です。2頭は無事に結ばれました。
パンダフルライフの結末:パンダの成長
4月。生後8ヶ月の子パンダ達は、哺乳瓶に入ったミルクを前足で支えて一生懸命飲んでいます。仲間同士で遊ぶようになり、ジーヨーもすっかり他のパンダと見分けがつかなくなりました。一方で、リュウヒンとシュウヒンには別れが訪れようとしていました。彼らは喧嘩が激しくなり、一緒にはいられなくなってしまったのです。中国に来て半年。2頭も大人になっていくのです。基地のパンダには皆名前があります。いつか名も無きパンダとして、森で生きていける日は来るのでしょうか。シュウヒンがウトウトする姿を映し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画パンダフルライフのあらすじと結末でした。
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