映画「ピクニックatハンギング・ロック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ピクニックatハンギング・ロックの紹介：1975年オーストラリア映画。オーストラリアで実際に起こった、ある名門女学院の生徒失踪事件を幻想的に描いた作品。1900年の聖バレンタイン・デー。白いドレスを纏った４人の無垢な少女たちが、岩山の中に導かれるように忽然と姿を消した…。事件は今も未解決と言われる一方、原作だという小説の存在も指摘され、現在も真実は謎のまま。主演女優アン・ランバートの美しさも話題を呼び、今やカルト・ムービーの呼び声も高いミステリー映画。
監督：ピーター・ウィアー 出演者：アン・ランバート（ミランダ）、レイチェル・ロバーツ（アップルヤード）、ドミニク・ガード（マイケル）、ヘレン・モース（ポワテール）、マーガレット・ネルソン（セーラ）、ヴィヴィアン・グレイ（マクロウ）ほか
この解説記事には映画「ピクニックatハンギング・ロック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
1900年2月14日、オーストラリアのヴィクトリア州。ある厳格な全寮制の女学院で、不可思議な事件が起きました。この日は聖バレンタイン・デー。毎年、全校生徒でマセドン山まで、ピクニックに出掛けるのが恒例行事です。女生徒たちはみな、朝から気分が浮き立っていました。恋人の手紙を読んだり、愛の詩を朗読したり、午後のピクニックまで各自が思い思いの時間を過ごしています。生徒の１人、物静かなセーラは、美しいミランダに思いを寄せていました。午後になり、馬車に乗り込んだ先生と女生徒たち。厳しいアップルヤード校長は、８時の夕食までには戻るようにとポワテール先生に釘をさします。馬車は、マセドン山へ出発します。しかし、居残りの罰を受けていたセーラは教室で１人、暗記の勉強をさせられていました。
山についた一行は、美しい自然の中で自由を楽しんでいました。つねに厳格なマクロウ先生だけが、うんざりした表情です。彼らの近くには、一組の家族が同じようにピクニックに興じていました。息子のマイケルと、使用人のアルバートは、女生徒たちの存在が気になっています。女生徒たちは、花を摘んだり、バレンタインのケーキを切り分けたりしてのんびり過ごし、穏やかな時間が過ぎていきます。ふと、マクロウ先生が時計を見ると、時刻は12時のまま止まっていました。大人たちは、奇妙な感覚にとらわれます。岩場を近くで観察したいと言うミランダ、アーマ、マリオン、イディスの４人は、先生の許可を得て一行から離れて歩き出します。手を振るミランダを見たポワテール先生は、「ミランダはボッティチェリが描く天使に似ているわ」と微笑みました。
４人の少女は、小川を渡りって岩場へ向かいます。彼女たちを木陰から見つめるマイケルは、ミランダの美しさに目を見張ります。４人は、まるで何かに魅入られたように、上へ上へと登っていきます。途中、疲れ果てたイディスが座り込みますが、残りの３人はどんどん先へ進みます。ミランダの後ろ姿が、まるで岩間に溶けていくように消えました。イディスは、恐怖のあまり悲鳴を上げます。学校では、生徒たちの帰りがあまりに遅いためアップルヤード校長が気を揉んでいました。夜10時を回り、ようやく馬車が戻って来ますが、全員が泣いて動揺しています。イディス以外の３人の生徒と、マクロウ先生の姿が消えたというのです。山から１人で戻って来たイディスの服は破れ、何も言わずにただ泣くだけです。警察が来て、翌日から失踪者を探す大規模な捜査が開始されました。
女生徒たちが消えたと聞いたマイケルは、いても立ってもいられず１人で山を捜索します。その後、捜査隊が気を失っているマイケルを発見。さらに、別の場所で倒れているアーマを発見します。命に別状はないもののかすり傷だらけで、なぜかコルセットを履いていません。目覚めたアーマは、事件について口を閉ざしたまま学院を去っていきます。ミランダが戻らないことを悲しむセーラは、「ミランダは知っていたわ。秘密を。もう戻らないことも」と謎の言葉をつぶやきます。今回の事件で学院の評判はがた落ちになり、自主退学者も出ています。財政難に苛立つ校長は、孤児で学費を滞納しているセーラを退学処分にします。セーラは、校舎から飛び降り命を絶ちます。結局、行方不明の３人は戻らないまま死亡とされ、捜査は打ち切られます。その後、アップルヤード校長の遺体が、岩山のふもとで見つかります。いくつもの謎を残したまま、事件は幕を閉じました。
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