南へ行けばの紹介:2009年フランス映画。ある夏、暗い過去を抱えた青年がフォードを運転して北フランスから南を目指して旅をするロードムービー。『アデル、ブルーは熱い色』ので世界的に注目を集めることになるレア・セドゥが美しく奔放、でもシニカルな旅の仲間となる。
監督:セバスチャン・リフシッツ 出演者:レア・セドゥ(レア)、ヤニック・レニエ(サム)、テオ・フリレ(マチュー)、ピエール・ペリエ(ジェレミー)、ニコール・ガルシア(サムの母)、ミシュリーヌ・プレール(サムの祖母)そのほか
映画「南へ行けば」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「南へ行けば」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
南へ行けばの予告編 動画
映画「南へ行けば」解説
この解説記事には映画「南へ行けば」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
南へ行けばのネタバレあらすじ:起
レア(レア・セドゥ)は病院で胎児超音波検査を受けている。女医は元気な赤ちゃんを単純に喜んでいるが、レアはまだ中絶した方がよいか迷っているようだ。
そのレアが野原で音楽に合わせて煽情的なダンスをしている。ヒッチハイク旅行に出たレアと兄のマチュー(テオ・フリレ)は、南を目指すサム(ヤニック・レニエ)のフォード車に同乗して旅を続けている。だが、レアの誘いに無口なサムは乗ってくるそぶりを見せない。
一方、ゲイのマチューもサムに夢中だが、サムが隠し持つ拳銃に触ったことで彼を怒らせる。レアは買い出しに出たついでに、やはり南へ旅をしているジェレミー(ピエール・ペリエ)を誘い、彼もいっしょに旅をするようになる。
南へ行けばのネタバレあらすじ:承
サムは弟アレックスが恋人と住んでいる家に立ち寄る。サムは子供時代、自動車の中で両親が口論した後、父親が拳銃でこめかみを撃って自殺するのを目撃した。母親(ニコール・ガルシア)は心を病み子供を虐待するようになった。
昔は田舎の祖母(ミシュリーヌ・プレール)の家で仲良く遊んだサムとアレックスの兄弟だったが、離れて暮らすうちに二人の間に溝ができていた。サムが手土産のつもりでアレックスに父の拳銃を見せても迷惑がられる。最近母親が退院したことも弟は知らなかった。
妊娠のせいで体調が悪いレアは、こっそり病院に行きながら旅を続ける。そのレアがサムの拳銃で遊んでいるのを見たサムは、口止めしたのにマチューが妹に拳銃のことを教えたと勘違いして怒り、マチューを殴り蹴る。
花火が打ち上げられるお祭りの町で、レアとジェレミーはやっとセックスをするが、サムはマチューに心を閉ざしたまま3人と翌日別れる。
南へ行けばのネタバレあらすじ:転
サムは、弟と別れて引き取られていた里親の家に母がやって来た時のことを思い出す。それは病院から外出許可が出ただけで、サムを迎えに来たのではなかった。
ジェレミーの目的地だったビーチでレアとジェレミーは楽しんでいるが、マチューは鬱々としている。だが、サムが彼の前に現れ、二人で海に入って遊ぶ。
夜は他の多くの若者とキャンプファイアを囲むうちに、解放的な気分になったサムとマチューはとうとう、マチューが願っていた通り、裸になって体を重ねる。
翌日、サムは初めてマチューに、父親の自殺、亡くなるころの父の不思議な目、父の力になれなかったことについての後悔を話す。
レアはジェレミーと関係を続けるが、何事にも冷めた態度を取る彼女は、ジェレミーを愛してはいないと兄に言う。
南へ行けばの結末
ある夜、ジェレミーはレアがテントの中から金を盗んでいるのを見て怒り、乱暴してしまうが、マチューは妹を守るために彼女が妊娠していることを打ち明ける。レアが謝罪してジェレミーと仲直りするが、翌朝、サムは別れも告げぬまま、呼び叫ぶマチューを置いて、一人去っていった。
サムは父との最後の日々を思い出しながら旅を続ける。目的地であるスペインのトゥデラで母親のアパートを訪れる。
母は6か月前に退院して、今は医療秘書の仕事をしていると言う。サムに会いたくて彼女は手紙を書いたのだった。しかし、二人のわだかまりは解けないまま、職場へ行く母としばらくいっしょに歩いた後、サムは母と別れる。いつでも来てほしいという母に対して、サムはまた来ると言うことはなかった。
サムは一人川へ行き、川岸でたたずんで父の拳銃を川に投げ捨ててから、川で泳ぎ始めるのだった。
以上、映画「南へ行けば」のあらすじと結末でした。
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