ポカホンタスの紹介:1995年アメリカ作品。ディズニー映画で初めて実在の人物を扱った作品。17世紀のアメリカで、自由と自然を愛するインディアンの娘と、金を求めて海を越えてきた冒険家のイギリス人青年が恋に落ちる物語。
監督:マイク・ガブリエル 声優:メル・ギブソン、アイリーン・ベダード、デヴィッド・オグデン・スタイアーズ、ラッセル・ミーンズ、リンダ・ハント、クリスチャン・ベイルほか
映画「ポカホンタス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ポカホンタス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ポカホンタス」解説
この解説記事には映画「ポカホンタス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ポカホンタスのネタバレあらすじ1
17世紀のイギリス。大きな船にたくさんの男達が乗り込んで行く。家族と別れを惜しむ者、荒れた様子の者、みなそれぞれが意気揚々と船に乗る。彼らは未開の地であるアメリカに、金を掘りに行くのだった。その中で慕われているのがジョン・スミスというハンサムな若者。彼は数々の航海をこなし、世界中を巡った経験のある頼もしい存在だ。嵐の中投げ出された新入りを助けるなど、みんなのカリスマであるジョン・スミスは、「未開人などこの俺がやっつけてやる」と息巻く。一方、ポウタハン族の酋長の娘ポカホンタスは、アライグマのミーコとハチドリのフッリトを連れて自然の中を自由に遊びまわるおてんば娘。ある日、父から村の英雄ココアムに嫁ぐように言われ、このままココアムの妻となって自由を失っても良いのかと悩む。
ポカホンタスのネタバレあらすじ2
そんな中アメリカに到着したスミスたちは金を求めて土地を掘り返し、森を開き自然を破壊し始めていた。一人作業から離れて探検中のジョンとポカホンタスは偶然出会い、言葉の壁を越えて恋に落ちる。お互いの文化について語り合い、逢瀬を重ねて心を通わせる二人だったが、ポカホンタスを探しにやってきたココアムに見つかり、ジョンとココアムが揉み合いになる。そこに居合わせたイギリス人の青年トーマスが、銃でココアムを撃ち殺してしまう。ポウタハン族に捉えられたジョンは、ポカホンタスの父に死刑を宣告される。対立するイギリス人とインディアン。お互いがお互いを憎み合い、殺し合いを始めようとする。
ポカホンタスの結末
ポカホンタスは、ジョンへの気持ちと仲間への気持ちとの間で揺れたが、自らの身を呈してジョンを庇い、戦いを止めさせる。
しかし自らの手柄を邪魔されたイギリスの総督ジョン・ラトクリフは酋長に向かって発砲する。それをかばったジョンは負傷。総督はイギリス人たちの謀反で捕らえられる。帰国するイギリス人たち達に、インディアンたちが作物を贈る。ジョンも治療のため帰国せざるを得ない。ポカホンタスは土地を離れジョンについていくか選択を迫られるが、生まれ育った地に残り、ジョンを見送る。二人は離れ離れとなったが、美しい風が二つの心が繋がっている様子を物語っていた。
「ポカホンタス」感想・レビュー
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ディズニー映画の名作であるが観る機会を逃しており、自分自身も異国の地への旅立ち前でなんとなく惹かれて手に取った作品。異国のもの、自分とは異質のものに触れるのは先入観や時には偏見が伴うけれど、大切なのは対等に立つことと畏敬の念を忘れないことと教えられる。劇中の台詞は歯が浮くような甘い言葉の羅列ではなくしんみりと心に残る。「出会わなければよかった」と呟いたポカホンタスにジョンが捧げた言葉は映画史に残る名台詞。異国の地で時や互いの意識の違いを共有し、理解を深め恋に落ちた二人が最後に選択するそれぞれの生きる道は、簡単に言葉では表せない感情が残る。
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ディズニー作品は、どれもこれも欺瞞だらけ。アングロサクソンのインディアン殲滅作戦はこんな甘いものじゃない。ポカホンタスは、狡猾なイギリス人に利用された哀れな娘。植民地としてインディアンからアメリカの土地を騙しとり、融和の印とみせかけて天然痘ウィルスを塗り込んだ毛布をインディアンに贈る等、彼らの好意に報いるどころか、インディアンを絶滅に追いやるような鬼畜の限りを尽くしたメイフラワー号でやってきたクズ共には、歴史的制裁が下されるべき。この作品は、まったく本質的なヒューマニズムの観点が表現されていない愚策。
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インディアンのことを趣味で調べていたことから発展し、当映画を視聴。やはり、彼女は400年ほど経った今でも尚、白人文化や過去の英国人の大義名分を美化するためのお飾りとしてしか扱われていないと再確認せざるを得ない。
インディアンの地を無理に奪った彼らは、狩に不器用で案内人がいないと遠くへ出かけようともしない。しかしインディアンを服従させようとするとき、そういった怠慢は全く妨げにもならないのだ。無惨に彼らを殺し回った。英国人は彼女を利用することで、自身らの異国での愚行を正当化しようとした。
実際のポカホンタスの人生は哀れだったろう。ジョン・スミスとイギリスに渡った後に、故郷に帰りたい願望を抱きながら病死している。研究者の間では彼女は毒殺された可能性があるとのこと。
こういった”ポカホンタス神話”には彼女自身の欲求・怒り・意見・野心は反映されておらず、ただ白人を崇拝するためのみ存在する傀儡でしかない。その200年後にピアリー一団が北極からアメリカへエスキモー5人を手土産として連れ帰り、3人が故郷に帰れず病死を遂げ、1人の少年はアメリカで寄るべもなく、政府や司法に手助けされないまま苦しい人生を送った実話がある。彼らは一体自分たちのためにどれだけの民族・人々を搾取し殺してきたのだろう。果たして今の白人崇拝国はあれから成長しているだろうか? -
全てがメッセージのように感じる映画だと思いました。特にポカポンタスが歌う「カラーズオブザウィンド」は心に沁みました。
本当に価値を認め合う素晴らしさが改めてよく感じられます。本当に、そんな今になることを願っています…!
人々がまだアメリカを作る前の話。現アメリカの地には先住民が暮らしていた。そこに領地拡大を狙ったイギリス人の大佐がやってくる。彼とポカホンタスは、言葉が通じない中でも大自然を通して、恋に落ちる。そして、先住民族と共にここの地を守ることにするのだ。…と、なんとなく映画「アバター」の話と似ていないだろうか。ディズニーにしては、夢の話ではなく考えさせられる映画だと思う。※またしても音楽はアランメンケン様!