紅の豚(くれないのぶた)の紹介:1992年日本映画。宮崎駿の短編漫画を映画化したスタジオジブリ長編アニメーション。魔法で豚の姿になった賞金稼ぎの飛行艇乗りポルコ・ロッソは空賊マンマユート団と小競り合いを続けていた。その空中戦や、ジーナとの愛のゆくえ、飛行艇の修理代金とカーチスとの結婚を賭けた少女フィオとの絡みを描いた長編アニメ映画。
監督:宮崎駿 出演:森山周一郎(ポルコ・ロッソ)、加藤登紀子(マダム・ジーナ)、桂三枝(ピッコロおやじ)、上條恒彦(マンマユート・ボス)、岡村明美(フィオ・ピッコロ)、大塚明夫(ミスター・カーチス)、ほか
映画「紅の豚」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「紅の豚」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
紅の豚の予告編 動画
映画「紅の豚」解説
この解説記事には映画「紅の豚」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「紅の豚」のネタバレあらすじ:1.ブタになったポルコ
1920年代、世界恐慌真っ只中のイタリア、アドリア海。賞金稼ぎの飛行艇乗り、ポルコ・ロッソは呪いを受けて人間からブタになっています。寝ていたポルコに電話がかかってきました。空賊・マンマユート団が、バカンスツアーの女学校の生徒達を襲って身代金を請求したので、奪還してほしいと依頼があります。ポルコは難なく空賊を撃退し奪還に成功します。
「紅の豚」のネタバレあらすじ:2.カーチスとの空中戦
夜になり、亡き戦友の妻で昔馴染みのジーナが経営する、ホテルアドリアーノでポルコが飲んでいると、アメリカの若い飛行艇乗り・カーチスと会います。カーチスがジーナをくどき、ポルコとにらみ合いになります。空賊連合がポルコに対抗するために、カーチスを雇ったのです。ある日、ポルコの愛機『カーチスR3C‐O』を整備に出すため、ミラノに飛行していると、カーチスが急襲してきました。カーチスに後ろを取られますがエンジンが止まってしまい、かわし切れずに撃沈されてしまいます。
「紅の豚」のネタバレあらすじ:3.フィオとの出会い
命拾いしたポルコは大破した愛機をなんとかミラノに運び、ピッコロ社に修理を依頼します。ところが、男達は出稼ぎに出てしまっており残っているのは女性ばかりでした。飛行艇の設計を担当することになったのが、ピッコロの孫で17歳の少女フィオでした。ポルコは最初は断りますが、フィオの熱心さと確かな技術を認めて設計を任せることにしました。修理費用が増していきながらも、カーチスに負けないぐらいの性能に仕上がりました。カーチスはジーナにプロポーズしますが、あっさり断られます。ジーナはバルコニーでポルコが来ることを待っているのです。その頃、ポルコがミラノにいることが知られてイタリア空軍が迫ります。ポルコは工場から直接飛び立つことを決意、フィオもポルコとともに旅立ちます。
「紅の豚」のネタバレあらすじ:4.掛け金はフィオ
昔の戦友の力で、無事、脱出できたポルコとフィオはアジトにしている小島に着陸します。ところがポルコを待ち構えていたマンマユート団率いる空賊連合がポルコを捕まえて飛行艇を壊そうとします。その時、フィオが一喝して止めます。フィオは、飛行艇乗りは空と海をまたにかけた凛々しい男達だと説きます。そんな男達が飛行艇を壊すの?と突き詰めると空賊は何も言えなくなってしまいます。そこにカーチスが現れてポルコと一騎打ちの約束をします。ポルコが勝てば愛機の修理代をカーチスが支払い、負ければカーチスがフィオを嫁に貰うことになりました。
「紅の豚」のネタバレあらすじ:5.空中戦のリベンジ
決戦当日。ポルコは、アドリア海の飛行艇乗りの名誉を賭けて、アメリカのカーチスとの再戦を開始します。激しい空中戦が繰り広げられて、騒然となります。お互いの銃弾が切れたので、着地して殴り合いになります。その頃、ポルコの戦友から、イタリア空軍がアドリア海に向かっているとジーナに電信がきます。ジーナが慌てて対戦場に行き、皆に知らせます。ポルコとカーチスの殴り合いは、まだ続いています。二人共海に沈んでしまいますが、ジーナの言葉で、ポルコが浮かび上がって勝利します。フィオがポルコにキスをしてポルコは再び倒れます。カーチスが起き上がりポルコの顔を見た時、顔が変化していることに気がつきます。
「紅の豚」の結末:消えたポルコ
そして、数年が過ぎました。ジーナとフィオがホテルアドリアーノで話しています。カーチスはアメリカに帰って俳優になったそうです。ポルコはあれから姿を消してしまったのです。ジーナはそれでもポルコを待ち続けます。遠くにはポルコの紅の愛機が見えます。
以上、映画「紅の豚」のあらすじと結末でした。
「紅の豚」感想・レビュー
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上映当時は、まだ子どもでまったく良さが分かりませんでした。他のジブリ映画から急に大人向けになった感じでしたね。
時を経て、大人になってから見ると..すごくカッコ良い!男の友情や男女の愛だけではいかない関係..それだけだと渋すぎるのですが、ちゃんと笑える要素もあり、またアドリア海の背景と音楽がたまらなく素敵です。 -
ポルコの声が渋く絵とマッチして豚なのにかっこ悪くない。正しく男の中の男、一人ひとりが人間臭く、どのキャラクターもパワフル。飛行艇の時代が終わりつつある背景も寂しいような悲しいようなセリフが、また泣かせる。加藤登紀子演じるジーナの歌がこの映画を盛り立て、心に響き心地よい高揚感になり、映画を盛り立てる。レンタルで借りるよりも、勝って手元に残しておきたい。
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元々自分はジブリが好きで、千と千尋の神隠しとかもののけ姫とかほとんどのジブリ作品をチェックしていました。主人公がいきなり豚ってところが面白かったです。ビーチで一人ワインを飲むポルコがカッコイイ。「飛ばない豚はただの豚だ」っていうセリフが未だに渋く感じられました。こんな面白味がありつつもカッコイイ作品がつくれるのは宮崎さんだけですね。
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子供の頃から何度か見たことはありましたが、自分が年を取るにつれて印象が変わります。
ポルコの渋い声や生き方、ジーナの達観した語り口、音楽や周りのキャラクターも魅力があり、刹那的ではありますが、時代に翻弄されつつも皆強く生きています。
一番好きなシーンはポルコが映画館で空軍時代の同僚フェラーリン少佐と少し話すところです。
互いに立場や後ろ盾が違う中、嫌みを言いあいながらもお互いを信頼している姿はかっこよく映ります。 -
ジブリでいちばん好きな映画です。人に「これは男性が好む話だ」と言われたことがあってちょっとショックでしたが、とにかくすべてがかっこいいと感じられる、ワクワクさせてくれた映画でした。人によって大事なものは違いますが、それぞれ自分の大切なもののために生きている感じが大好きです。それを誰に誇るわけでもなく、大切な人にさえ伝えない、好きな人に好きだと言わない。そういう人にベタベタしない感じにとっても惹かれます。
飛行機が飛ぶシーンも迫力がありました。大好きです。
宮崎映画では一番好きな作品です。といっても最近のは見てないんですが… あまり話題に上ることのない名前ですが、色鮮やかな映像に洒脱な会話、そして美しい音楽… これぞ娯楽映画!ではありませんか。本物の悪人は登場せず、人情味のある「気は優しくて力持ち」の面々… これはカリオストロの城に通じますね。(伯爵は本物の悪人でしたが…)騒がしくない、大人の映画ですね。