英雄は嘘がお好きの紹介:2018年フランス,ベルギー映画。戦場からの手紙を待つ妹のために嘘の手紙を書き続けたエリザベット。しかし大尉の帰還に計画は思わぬ方へ転がり始める。
監督:ローラン・ティラール 出演:ジャン・デュジャルダン(ヌヴィル大尉)、メラニー・ロラン(エリザベット)、ノエミ・メルラン(ポリーヌ)、クリストフ・モンテネ、フェオドール・アトキン、ほか
映画「英雄は嘘がお好き」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「英雄は嘘がお好き」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
英雄は嘘がお好きの予告編 動画
映画「英雄は嘘がお好き」解説
この解説記事には映画「英雄は嘘がお好き」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
英雄は嘘がお好きのネタバレあらすじ:起・戦場からの手紙を待って
ポリーヌに結婚を申し込んだ矢先、オーストリアとの戦争へ向かってしまったヌヴィル大尉。ポリーヌは戦場からの手紙を待ったが、約束したはずの手紙は一向に届かず、肺炎で床に伏せてしまったポリーヌ。
生きる希望が必要だと言う医者の助言に、姉のエリザベットはヌヴィル大尉に成りすまして戦場からの手紙を書き、オーストリアとの戦争が休戦になるとインドの植民地へ行かせ、数々の架空の功績を書き綴った。
ポリーヌは官能小説じみた返事を送り、手紙を楽しみにしながら回復していったが、このまま続けるわけにもいかず、エリザベットは大尉の名誉の戦死をにおわせる手紙を書いた。
ポリーヌはショックを受けたが、以前から出入りのあった若者二コラと結婚した。
英雄は嘘がお好きのネタバレあらすじ:承・ヌヴィル大尉の帰還
ある日、エリザベットが町へ行くと、乗合馬車から浮浪者になり果てたヌヴィル大尉が降りて来た。問い詰めると、軍を脱走して今は大尉ではないと言う。
ポリーヌに改めて会いに行くと言う彼に、町に建てられたヌヴィル大尉の慰霊碑を見せ、素晴らしい人物として死んだことになっているから顔を出さないように頼むと、お金をせびって彼は再び馬車に乗った。
ほっとしたエリザベットだったが、ヌヴィルは身なりを整え理想のヌヴィル大尉として改めて家を訪問した。歓迎する両親と妹夫婦は彼のために食事の席を設け、そこで戦場や植民地での話を聞こうとした。
ヌヴィル大尉は質問に合わせるように、行った事もないインドの話をし、エリザベットが書いていないダイヤモンド鉱山の話までし始めた。すると、町の富豪は次々と彼に投資をし始めた。
英雄は嘘がお好きのネタバレあらすじ:転・町の名士に
宿は住むには手狭だろうと、離れまで提供されたヌヴィル大尉は、昼間は商談、夜はパーティーでエリザベットの手紙を元に架空の武勇伝を語り、町の理想の名士として人気者となった。
女性達がヌヴィル大尉を放っておくはずもなかった。しかし不倫をしようとするポリーヌだけはエリザベットが阻止した。
そして、もうポリーヌに手を出さないように、彼女が書き送った手紙をヌヴィル大尉のコートのポケットへ入れ、それをわざと夫のニコラの前で落として見せた。その破廉恥な内容に二コラは激怒し、大尉に決闘を申し込んだ。
しかし、ポリーヌの必死の弁解に決闘はお開きになり、ポリーヌとニコラは仲の良い夫婦に戻った。
ほっとするのもつかの間、両親がありもしないダイヤモンド鉱山に投資しようとしているのを知ったエリザベットは、ヌヴィル大尉を呼び出し、届いた手紙は自分が書いた嘘だと告白した。
しかし、両親は今さら信じる事はなく、挙句、ヌヴィル大尉は独身のエリザベットに結婚を申し込んだ。
英雄は嘘がお好きの結末:英雄のピンチ、そして
コサック兵と戦うフランス軍が町へやって来た。エリザベットが将軍を家に招くと、脱走兵だという事がバレたら銃殺刑だとヌヴィル大尉は言った。
将軍を招いた食事の席で、エリザベットはなんとか話をそらそうとするが失敗してしまい、ヌヴィル大尉は自分が逃げたオーストリア戦線の話をした。
真摯に話す様に感動したエリザベットは結婚の申し出を受ける事にした矢先、コサック兵が近くの森までやってきているという情報が入った。このままでは屋敷を襲われてしまいかねないと、ニコラは将軍を呼びに。
エリザベットの家族が立て籠もり、なんとか迎え撃つ準備をする中、ヌヴィル大尉は指示を出すふりをして、厩舎までエリザベットと向かうと、そのまま逃げようとした。
失望したエリザベットはヌヴィル大尉を見捨て、家族と共に屋敷に立てこもった。そこへコサック兵が囲むようにやって来た。このままでは凄惨な事になると恐れていると、彼らの前に銃を持ったヌヴィル大尉が一人で立っていた。
向かってくるコサック兵たちに一人で数人倒すも、一人ではどうにもならないと諦めかけた時、将軍の大砲部隊が援護し、敵は壊滅した。
改めてヌヴィル大尉との結婚を受け入れたエリザベットと式を挙げ、パーティーをしていると、ヌヴィル大尉へ軍からの命令で、今すぐに戦場へ向かうように要請された。
パーティーを中断し、皆が見送る中、迎えの兵の後ろから馬で追うヌヴィル大尉。しかし、庭を出ると、兵とは正反対の方へ駆けて行くのだった。
以上、映画「英雄は嘘がお好き」のあらすじと結末でした。
英雄は嘘がお好きのレビュー・考察:エリザベットは結末を予想していたか
妹を励ますために架空のヌヴィル大尉像を作り上げたエリザベット。しかし彼女だけは彼が脱走兵で女たらし、更には架空の英雄譚にダイヤモンド鉱山の話を加えて町の富豪たちからお金を巻きあげる始末のどうしようもない男だと知っていた。さらに独身を選んだことを揶揄するような男で、世間的には結婚と言う形をとっているが、二人はほぼ同等のパートナーとなる。19世紀序盤と言う舞台設定だが、随分進歩的な女性に描かれている。彼女以外の前では理想の紳士を演じて見せたヌヴィル大尉だったが、軍の命令に反して逃げるのは、元々脱走兵だという事を知っていたエリザベットなら予見していただろうし、そこには死んでほしくないという思いも暗に語られているように見える。
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